上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△7三桂とした変化手順の局面。ソフトの評価値+157で互角。
この局面は実戦から少し離れた形ですが、この後の先手の方針がさっぱり分からなかったので調べました。
これが実戦だとすると先手は珍しい駒組みにしたので相手の意表を突いたということになりますが、その後のイメージができてないと千日手模様の手を選択したり時間を使い過ぎるといったことが考えられます。
実戦の短い時間で精度のいい手をサクサクと指せればいいのですが、見慣れない局面ではまず無理です。
そのためには予備知識として押さえておく必要があります。
△7三桂は後手の駒組みの理想の1つで、将来△8五桂から9筋の攻めなどがあります。
ここからの先手の指し方がうまいです。
△7三桂以下▲6八銀△8四歩▲4六角で、ソフトの評価値+75で互角。

この手順の▲6八銀ですが、少し浮かびづらいです。
後手が将来△8五桂と跳ねれば銀取りになるのでそれを事前に受けた手ですが、反面9筋が手薄になります。
後手の6四の角が9七の地点を睨んでいるので先手は▲8八玉型にはしづらいです。
よって△8四歩には▲4六角とする手がありました。
▲4六角というのは働きのいい後手の角を消す狙いですが、△同角▲同銀と進むと先手の銀の位置が変わってきます。
それがどのように影響するのかが気になります。
▲4六角以下△同角▲同銀△6四角▲5七銀上△8五歩▲2六飛△8二飛▲3五歩△同歩▲同銀△3四歩▲2四歩で、ソフトの評価値+241で互角。

この手順は後手は角交換から再度△6四角と埋めてきました。
△6四角の銀取りに▲5七銀上が浮かびづらいです。
形だけで言えば▲4七金もありそうですが、△8五桂と跳ねられたときに先手がどうするかが難しいです。
▲4七金は将来△3八銀や△5八銀のような傷があるのでどこかで先手は飛車を動かすと思いますが、後手が9筋から戦いを起こそうとしているのでその飛車を動かす1手が有効に使えるかが気になります。
△6四角には▲5七銀上とすれば将来先手は▲6八玉型~▲5八玉型のような組み替えができそうです。
後手の△8五桂からの9筋の端攻めには、先手は右側に逃げるルートを確保すればそこまで怖くはなさそうです。
よって後手は△8五歩~△8二飛と薄い8筋に飛車に移動しますが、先手は▲2六飛~▲3五歩と動くのが鋭いです。
4六の銀がいなくなっても4八に金がいるので△3七角成には▲同金とできます。
先手は3筋の歩の交換から△3四歩には▲2四歩として銀が捌ける展開になりました。
形勢は互角のようですが、先手は千日手模様の指し手でなく局面を打開できたのでまずまずの成果のようです。
本局の変化手順の難しいところは、先手は7七の銀を▲6八銀~▲5七銀上と中央に使うことです。
8筋と9筋は薄くなりますが、玉の右側に移動しても金駒がいるためそこそこしっかりした形です。
銀を引いて局面を打開するのが参考になった1局でした。