歩を突き捨てて攻め方を増やす


上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△7三角とした局面。ソフトの評価値+337で先手有利。

以前この局面から▲4五桂△4四銀とする変化を調べました。

今回は▲4五桂に△4二銀とする変化です。

△4二銀は上部がやや手薄になりますが、△4四歩~△4五歩と桂馬を取る手を狙っているので先手としても少し忙しいです。

自分の感覚としては△4四銀は歩で桂馬を取られる筋はなくなるので穏やかになりがちですが、△4二銀は歩で桂馬を取られる筋があるので△4二銀の方が少し嫌です。

なおソフトは▲4五桂に△4二銀を推奨していました。

△7三角の局面は先手有利の評価値になっていますが、ほとんど互角に近い数値です。

△7三角以下▲4五桂△4二銀▲2四歩△同歩▲1五歩△同歩▲3五歩で、ソフトの評価値+177で互角。

この手順は△4二銀には2筋と1筋と3筋の歩を突き捨てる展開です。

自分の感覚とすれば▲2四歩△同歩とすれば▲同飛が最初に浮かぶのですが、△2三歩▲2九飛△4四歩で桂取りになります。

△2三歩には▲3四飛としてどうかですが、それでも△4四歩と先手は飛車を切る位の覚悟にいる局面になります。

その展開もあるかもしれませんが、歩を使った攻めでないので大味な展開になりがちで、飛車を渡す攻めはかなり勇気がいります。

▲2四飛の形のときに1筋と3筋の歩が切れていれば攻め方が増える指し方で、本筋のようです。

▲3五歩以下△同歩▲2四飛△2三歩▲3四飛△4四歩▲1五香△1三歩▲1二歩で、ソフトの評価値+875で先手優勢。

この手順の△3五同歩は受けに専念する手ですが、▲2四飛△2三歩▲3四飛と飛車を歩の裏側に潜り込むことができるのが3筋の歩を突き捨てた効果です。

また3筋の歩を突き捨てて▲3四飛とする形は、飛車を追われても最悪▲3五飛とすることができるので簡単には取られません。

▲3四飛に△4四歩と催促にくれば▲1五香と端から攻めます。

1筋の歩を突き捨てた効果で、▲1五香とダイレクトに香車を攻めに使うことができます。

▲1五香に△同香なら▲1一角△3一玉▲3三歩で攻めが繋がります。

▲3三歩と叩けるのも3筋の歩を切った効果です。

よって▲1五香に△1三歩と受けましたが、▲1二歩が鋭いです。

▲1二歩も1筋の歩を切った効果で、△同香なら▲1一角です。

後手がまともに受けるとこのような展開になるのでどこかで手を変えることになりますが、先手の狙い筋を理解する上では知っておきたい変化のようです。

なお最初の局面図は▲3五歩も有力だったようです。

▲3五歩△同歩▲4五桂△3四銀▲2四歩△同歩▲同飛△2三金▲3四飛△同金▲7一角△7二飛▲5三角成△4五銀▲同銀△同金▲5四馬で、ソフトの評価値+1396で先手優勢。

この手順もうまくいきすぎですが、先手は3筋の歩の突き捨てから▲4五桂と跳ねる展開です。

△3四銀は3筋の歩を先に突き捨てたのでそれを活かした受け方で、以下2筋の歩の交換の▲2四同飛△2三金に▲3四飛とする手がありました。

後手の飛車の位置が悪いと▲7一角のような筋があるので、意外と手になっているようです。

先手は▲8八玉型なので▲7九玉型より飛車の打ち込みに強いです。

歩を突き捨てて攻め方を増やすのが参考になった1局でした。