上図は、後手△3三金戦法からの進展で△5二玉とした局面。ソフトの評価値+158で互角。
4二の玉が△5二玉とした形です
角換わりからの進展で似たような局面はたくさんあると思いますが、いざ実際に盤の前で考えると意外と考えがまとまりません。
方針が決まらないと指し手も決められませんので、大会の切れ負け将棋などでこのように状況になるとかなりつらいです。
実戦は▲4七玉△3二金▲5八玉で、ソフトの評価値-109で互角。
この先手の手順は最悪千日手でも仕方ないという指し方で、本来なら先手番の角換わりなので打開したいです。
全く感触のいい指し手でなく評価値も後手に少し傾きました。
後手の△3二金と定位置に引く形は価値が高いので、やはり先手が少し損をしたようです。
ただし、無理に打開して形勢を損ねても意味がないので仕方ないです。
序盤の形に明るくないのは、最近棋譜並べが少し足りていないのかもしれません。
棋譜並べはあまり自分が指さないような戦型でもこのような手があったなと思い出せば、考える判断材料が増えることになります。
▲4七玉では▲2六角がありました。
▲2六角△3二金▲6九飛△3三銀で、ソフトの評価値+421で先手有利。

この手順の▲2六角は部分的にはありそうな手です。
それに対して後手の△3二金は自然な手で、将来▲4五桂の金当たりを防いでいます。
△3二金に▲6九飛が継続手で、この手は知らないと指せないかもしれません。
先手玉は中住まいで▲6九飛は玉と飛車が接近する形なので、部分的にはあまりいい形えはありません。
昔の将棋の感覚だと玉と飛車は反対側にあるのが自然で、戦いは攻め駒の飛車の方からすることが多いです。
令和の時代になってからは玉と飛車が接近する形や、玉の守り駒から仕掛けるといった手が増えたような気がします。
攻め駒と守り駒という概念が薄れてきた感じで、指しこなすのはかなり難易度が高いです。
玉の近くで戦いが起きると流れ弾が飛んでくることが多くなりかちなので、やり損なうと反動がきつくなります。
そのあたりを指しこなす感覚が必要になってきます。
▲6九飛に△3三銀も駒組みを変える自然な手ですが、次の手が先手の狙いでした。
△3三銀以下▲6二角成△同玉▲6五歩で、ソフトの評価値+262で互角。

この▲6二角成はあっさりと角と金を交換する手です。
このような展開はプロの先生の棋譜でもあまり見ることがないので、表面上に出ない狙いの手のようです。
将棋が強くなれば相手の狙いを消すような駒組みをすることが多くなり、なかなか分かりやすい攻めという形になりません。
今回の後手の△3二金と△3三銀の組み合わせは部分的には自然ですが、盤面全体を見るとやや甘い可能性があったようです。
先手は▲6二角成と自ら金を交換するのが盲点で、相手玉の近くの金がいなくなるとかなり薄い印象です。
△同玉に▲6五歩と合わせる手が継続手です。
▲6五歩以下△同歩▲同桂△6四歩▲5三金△7二玉▲7三桂成△同玉▲6五歩で、ソフトの評価値+698で先手有利。
この手順は後手はまともに受ける手でぎりぎりのところでしのぐ受け方ですが、守りがかなり薄いので実戦的には先手が指せそうです。
本局の変化手順はやや直線的な手の流れですが、このような手があると知っていれば今後の指し方の選択肢が広がりそうです。
角を打った直後に金と交換するのが参考になった1局でした。