上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車からの進展で▲6六歩と歩を打った局面。ソフトの評価値+690で先手有利。
駒割りは銀と桂馬の交換ですが、次に▲6五歩と桂馬を取られたら後手の銀損になります。
銀損というのはかなり痛く、金駒が5対3になって持久戦模様になってくると相当勝てなくなるイメージです。
そのような意味で後手はじっとしてはしょうがないっと思い動きました。
実戦は▲6六歩以下△1五歩▲同歩△3六歩▲同歩△1五香▲1七歩△5七銀▲7九角で、ソフトの評価値+1183で先手優勢。

この先手の手順は受けに専念する手で、後手は△1五歩~△3六歩と暴れてきます。
この攻め方が成算があった訳ではなく、受けに回ってもじり貧になると思って指しました。
▲3六同歩や△1五香に▲1七歩など先手は駒の交換を避ける展開で、以下△5七銀に▲7九角と引く形です。
6五の桂馬がいるうちに△5七銀と打てば角取りになるので一時期的には気持ちがいいですが、▲7九角と引くと後手のほうが忙しくなります。
先手から次に▲6五歩~▲5七角として後手がどんどん駒損になるからです。
これらの手順は後手が攻めることでさらに先手の方に形勢が傾く展開で、後手は自ら忙しい展開にしています。
相手の方が間違った受け方をすれば将棋はもつれてくるのですが、少し無理気味に動いているので正確に対応されるとさらに形勢が悪くなるようです。
自分は以前からこの感覚で、苦しい局面から攻めてずるずる形勢が悪くなるというのが多かったのですが、今回ソフトで検証すると意外な指し方でした。
△1五歩では△3一玉がありました。
△3一玉▲6五歩△同歩で、ソフトの評価値+754で先手有利。

この手順は△3一玉と引く形で、このような手が指せません。
△4二玉型がいいか△3一玉型がいいのかの判断が分かりづらいのと、3三の角が狙われやすいからです。
△3一玉型は先手の5筋からの攻めに遠くなるのと、後手の飛車の横利きが通る形になります。
先手の▲6五歩で後手の銀損が確定したのですが、△同歩と受けに回るのも仕方ないようです。
後手の主張としては先手は歩切れなのと、6八の角の働きがいまひとつになります。
また▲3八玉型で4七の地点があいており、玉のコビンを狙われやすい形です。
ただし、後手も自玉が薄いのと守りの金が離れているので強い戦いはできません。
後手としては辛抱する指し方のようですが、ここから相手が間違えるとまた局面がもつれます。
△6五同歩以下▲4五桂△4二角△5三桂成△同金▲5四歩△6三金▲5三銀△3三角▲6四歩△5八歩▲同飛△7三金▲6二銀不成△同飛▲5三歩成△3五桂で、ソフトの評価値-99で互角。
この手順は先手は▲4五桂ともらった桂馬を攻めに使うで、自分は最初にこの手が浮かんだのですが疑問手だったようです。
後手は△4二角として▲5三桂成~▲5四歩と攻め込みますが、△6三金と耐える形です。
以下▲5三銀~▲6四歩も考えられる攻め方でこれも後手は嫌な形ですが、△5八歩▲同飛とさせて4七の地点に駒を打った時に飛車を入手しやすい形にします。
以下先手は5筋突破を目指しますが、△3五桂と打った形はいい勝負のようです。
これらの手順は逆に先手が少し無理をしているので、後手も辛抱すればこのような展開もあるかもしれません。
苦しい局面で受けに回って辛抱するのが参考になった1局でした。