駒損の回復より相手玉へのプレッシャー


上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車からの進展で▲6八玉とした局面。ソフトの評価値+700で先手有利。

5七にいた玉が▲6八玉と引いた形です。

対局中は余裕がないので意識していませんでしたが、改めてこの局面の駒割りを見ると後手の銀桂の駒損です。

これだけ見ればかなりの大差で、後手が逆転するためにはよほど先手が悪い手を指さない限り難しそうです。

後手としてはいきなり逆転というのは難しそうなので、何か相手にプレッシャーをかけるような手が必要です。

実戦は▲6八玉以下△1九馬▲8八角で、ソフトの評価値+841で先手優勢。

この手順の△1九馬は香車を補充して、少しでも駒損を回復して戦力を増やす手です。

ただし、香車を補充したからどこかで使いたいという形ではありませんので、相手にそこまでのプレシャーはかかりません。

△1九馬に▲8八角がいい手で、角の活用が見込まれるのと先手は将来▲7九玉からのルートができました。

先手から▲3四桂や▲5五桂や▲4四歩など指したい手があり、楽しみが多い形です。

△1九馬はソフトの候補手に上がっていましたが、棋譜解析では疑問手でした。

候補手に上がっていても推奨手以外はあまりよくないケースで、別の言い方になるとこの1手ということになります。

△1九馬では△6五歩がありました。

△6五歩に▲8八角なら△8六歩▲同歩△6六桂で、ソフトの評価値+1055で先手優勢。

この手順は△6五歩と歩を取る手ですが、相手の玉が6八にいる形だったので6五の歩で攻めの拠点を作るのはそれなりに価値の高い手でした。

△6五歩とすることで、将来△6六桂や△6六銀と打って相手玉にさらにプレッシャーをかけることができます。

△6五歩に▲8八角は角の活用ですが、△6六桂と両取りに桂馬を打つ手がありました。

評価値的には先手優勢なので△6六桂と打ってもまだまだの局面ですが、△6五歩と歩を取った手が活きています。

△6五歩に▲4八金なら△6六桂で、ソフトの評価値+935で先手優勢。

この△6五歩に▲4八金は、△6六桂の両取りを防ぎつつ先手の飛車の利きを通す手です。

▲4八金にも△6六桂が継続手のようで、やはりここに桂馬を打って相手玉にプレッシャーをかけるのが大事みたいです。

△6六桂に▲7七金なら△3九歩成で、ソフトの評価値+337で先手有利。

この手順の▲7七金は金を逃げる手で考えられますが、6六の桂馬が攻めの拠点として残っており先手玉はかなり狭くなったので△3九歩成のような手が間に合ってきます。

△3九歩成とできるのも2八に馬がいるおかげです。

この局面で7八の金を逃げるという手はなさそうです。

△6六桂に▲5五桂△5四金▲3四桂で、ソフトの評価値+1195で先手優勢。

△6六桂には▲5五桂が厳しいようで、次は▲6三桂成~▲5三飛成のような手があります。

よって△5四金と逃げましたが▲3四桂で先手が指せているようです。

元の将棋が先手有利だったので、先手がいい手を指せば形勢はさらに先手に傾くようですが、少しでも相手玉に迫る形にしないといけなかったようです。

駒損の回復より相手玉へのプレッシャーが参考になった1局でした。