自陣に先受けの歩を打つ

上図は、後手角換わり△3三金型からの進展で△2二歩と打った局面。ソフトの評価値+143で互角。

後手が早繰銀から仕掛けたのに対して先手が2筋に継ぎ歩をした展開です。

△2二歩で局面が一息ついたのですが、ここでの先手の指し手が難しいと思っていました。

先手は7筋と8筋がやや手薄で、後手は歩がたくさん入れば△7七歩や△8八歩のような手があります。

また後手に桂馬が入れば△7六桂の筋もあるので先手としては嫌な形です。

先手は攻めると反動がきつい形ですが、何か有効な受けがあるかというとさっぱり浮かびませんでした。

実戦は△2二歩以下▲2五桂△4三金寄▲5五角△6四銀▲6六角△5四歩で、ソフトの評価値-118で互角。

この手順の▲2五桂は最後に浮かんだ手で、桂馬が3七に残るより2五に跳ねると金取りになるのでそれが自然かと思ったのですがいまひとつでした。

後手の△4三金寄を少し軽視しており、この手がいい手だったようです。

自分は△3二金と引く形を予想して以下▲5五角~▲4四角でまずまずかと思っていまいたが、4四の地点を受ける△4三金寄が盲点でした。

▲5五角に△6四銀と銀を使わせて先手陣が少し楽になったかと思いましたが、▲6六角に△5四歩とされて後手が少し指しやすくなったようです。

後手は受けだけの手を指したのですが、先手が少し無理気味だったので手厚い受けで指しやすいようです。

先手の角のラインを止める手や△3七角のような筋があるので、後手の方に楽しみが多いです。

▲2五桂では▲7六歩がありました。ソフトの評価値+81で互角。

この▲7六歩は指摘されないと全く浮かびませんでした。

後手から△7七歩のような手があるのでどのように受けるかが気になっていましたが、4段目に歩を打って事前に受けるのは初めて見ました。

持ち駒の銀を自陣い打てば手堅くなりますが、銀を攻めに使えなくなります。

▲7六歩と打てば△7七歩には▲同桂で△7五歩の攻めがありません。

また場合によっては▲7七桂と桂馬を活用する筋もあり手が広かったようです。

先手の▲7六歩を咎めようとするなら△5四角があります。

▲7六歩△5四角▲4五歩△同歩▲5六銀△7六角▲4五桂△8七角成▲同金△同飛成▲7八銀で、ソフトの評価値+613で先手有利。

この△5四角は△7六角~△8七角成のような狙いですが、先手は受けてばかりでなく▲4五歩と反撃をします。

△4五同歩では△7六角もありそうですが、△4五同歩もありそうです。

△4五同歩に▲5六銀として次に▲4五桂を狙います。

後手も△7六角としますが、受けずに▲4五桂が強い手です。

自分の感覚では△8七角成とさせるとまずいという先入観だったのですが、△8七角成▲同金△同飛成に▲7八銀と打ってぎりぎりの受けのようです。

後手の持ち駒に桂馬があれば△7六桂があるので、先手も▲3三桂成と金を取る手は指せません。

このような受け方も何度か試さないと感覚をつかめないですが、このようなところを踏み込んで指せると指し手に幅が広がりそうです。

なお△5四角はソフトの候補手にもない手で、ソフトは△3二銀を推奨して以下▲9六歩△7三桂と進むようですがこれも難しいです。

自陣に先受けの歩を打つのが参考になった1局でした。