上部を手厚くして指す


上図は、角換わりからの進展で△3五歩と突いた局面。ソフトの評価値+317で先手有利。

△3五歩はどこかであるかと思っていましたが、実戦的に嫌な筋で先手玉が4八にいるので玉のコビンを攻められる形になるとうるさいです。

先手陣は1段飛車のバランス型で、後手の持ち駒に角があるのでどこかで受け損なうと崩壊してしまう可能性があり神経を使います。

対局中は先手が少し指しづらいのかと思っていましたが、この局面が先手有利だったのは意外でした。

実戦は△3五歩以下▲8三銀△5二飛▲7四銀成△3六歩▲同銀△6二金で、ソフトの評価値+175で互角。

この手順は▲8三銀と飛車取りで後手の飛車の働きを抑える手です。

先手としては後手の飛車が直通していると、将来△5四角や△6五角で8七の地点が狙われやすいです。

後手に飛車を成られるのは先手玉が薄いのでできれば避けたいです。

そのような意味で▲8三銀と打ったのですが、以下の進行で7四の成銀と3六の銀と5六の角がややまとまりのない形です。

後手の飛車を一時的に止めたとはいえ、先手陣はまとめづらいです。

また7四の成銀はいまひとつ働いていませんし、3六の銀も浮いており狙われやすいです。

形勢は互角のようですが、先手は指しこなすのが少し大変です。

▲8三銀では▲3五同歩がありました。

▲3五同歩に△5四角なら▲4五銀△8七角成▲8三銀で、ソフトの評価値+1073で先手優勢。

この手順の▲3五同歩は堂々とした手ですが、△5四角に▲4五銀がありました。

上部を手厚くする手で、将来▲3四歩のような攻め味もあります。

△8七角成は狙いの手ですが、この場合は▲8三銀がありました。

5六の角が8三の地点に利いているので飛車を抑えて▲8七金が狙いです。

この▲8三銀では▲8三歩も見えるのですが、△7二飛▲8七金△7八飛成があります。

これでも先手有利のようですが、飛車を成らせるのはできれば避けたいので▲8三銀が手厚いようです。

▲3五同歩に△5四角は少し無理のようです。

▲3五同歩に△5五金なら▲7四角△7二金▲6六銀△7三金▲9六角で、ソフトの評価値+381で先手有利。

この手順の△5五金も嫌な手で、▲7四角に△7二金とします。

▲6六銀は中央で働いている5五の金に働きかける手で、盤上から金を消したい意向です。

以下△7三金に▲9六角でどうかという形です。

先手は自陣角の筋違い角なので活用しづらいですが、これで1局のようです。

上部を手厚くして指すのが参考になった1局でした。