玉を深く囲って対抗する

上図は、先後逆で先手が角交換振り飛車からの進展で▲4八玉と上がった局面。ソフトの評価値-259で互角。

先手が早い段階で角交換してから▲4五角と筋違い角を打って1歩得をした形です。

作戦的には先手は1歩得ですが、自陣角になってこの角が働くかどうかが鍵になります。

後手としては筋違い角には急戦か持久戦か迷うところがあります。

一般的には歩損をしている後手は、持久戦になるとその歩をうまく活用されることがあるので急戦を目指すイメージです。

ただし相手は自陣角なので、角を働かないようにすれば後手は持ち駒の角なのでいつでも好きなところに使えるメリットがあります。

角の働きの違いを優先すれば持久戦もありの局面のようです。

実戦は▲4八玉以下△7四歩▲3八玉△5二金▲2八玉△3三銀▲3八銀△8五歩▲1六歩△1四歩▲5八金左で、ソフトの評価値-123で互角。

この手順の△7四歩ですが、▲7五歩とされるのを嫌いました。

▲7五歩とされると将来▲7六銀~▲6五歩のような争点ができるのと、8一の桂馬の活用が難しくなるからです。

そのような意味で△7四歩と突いたのですが、△7四歩はソフトの候補手にも上がっていませんでした。

△7四歩と突くとどこかで▲5六角とされて、△8四飛か△6三金と上がる形になりそうです。

できれば△6三金と上がるのは金が玉と反対側にいくので避けたいです。

△7四歩は悪手ではなさそうですが、ソフトは急ぐ必要はないとの見方のようです。

△7四歩では△3三銀がありました。

△3三銀▲7五歩△3一玉▲3八玉△1四歩▲1六歩△4四歩▲2八玉△4五歩▲3八銀△5二金で、ソフトの評価値-200で互角。

この手順は実戦と似ていますが、後手は△7四歩で△3三銀と壁銀の解消を急ぎました。

これも普通の手ですが、後手は△5四銀の腰掛銀から△4五歩と4筋の位を確保するのを優先しています。

4五の歩は5四の銀のひもつきなので簡単に5四の銀を動かすことはできませんが、△4五歩と突くことで7八の角の利きが止まります。

また△4五歩と突くことで、先手のは美濃囲いから高美濃囲いを阻止しています。

先手は▲7五歩と突いている形を活かすなら▲7六銀~▲6五歩を目指すのですが、この場合は△8八角~△9九角成の筋が受かりません。

先手も簡単には▲7六銀とは上がれないようです。

△5二金に▲8六歩なら△4四銀▲6七角△4二金右▲5八金左△9四歩▲8八飛△2二玉で、ソフトの評価値-216で互角。

この手順で興味深いのは△4四銀と上がる手で、居飛車対振り飛車の対抗形で自ら守りの銀を前進させることです。

自分はこのような手の意味がいまひとつ理解できていません。

4筋の位の確保という一面はあるのですが、普通は金駒を前進させると玉の守りが薄くなります。

それと△4二金右~△2二玉と玉を深く囲う手順です。

桂馬がない展開であれば問題ありませんが、先手の持ち駒に桂馬が入れば▲3四桂があるので、3三の銀は固定しておきたいという感覚がありました。

△2二玉以下▲8五歩△同歩▲同飛なら△同飛▲同角△8六飛▲6七角△8八歩▲8六飛△同飛成▲同銀△8九歩成で、ソフトの評価値-625で後手有利。

この手順は飛車交換から△8六飛がうるさいようで、後手が指せているようです。

△2二玉以下▲8五歩△同歩▲同角なら△3五銀▲8六歩△1五歩▲同歩△1六歩▲同香△4三角▲1七玉△9三桂▲7六角△6五歩で、ソフトの評価値-561で後手有利。

この手順は△3五銀が見えづらい手で、数手前に△4四銀と出たのと関連しているようでう。

1筋の端に歩を垂らすのと、△9三桂と端桂を跳ねて活用するのは両方とも端歩を突いた手を活かしているようです。

玉を深く囲って対抗するのが参考になった1局でした。