悪いと思っていた局面はまだ勝勢

上図は、先後逆で先手が角交換振り飛車からの進展で▲4一飛成とした局面。ソフトの評価値-5555で後手勝勢。

対局中は▲4一飛成とされて後手敗勢かと思っていたのですが、この局面はまだ後手勝勢だったようです。

ここまで後手がいい局面が続いていたので、急に後手が悪くなったと半分あきらめていました。

勝勢の局面を半分あきれめては、どうしょうもありません。

ここら辺が全く手が見えておらず、後手は駒を渡して攻めを継続するのが難しいと思っていたのが大きな読み間違えです。

まず▲4一飛成がどの程度厳しいかですが、次に▲3二龍としても△同歩でまだ後手玉に詰みはありません。

ただし、後手は先手に1枚でも駒を渡すと詰み筋に入る可能性があります。

▲3二龍△同歩に1三の地点に駒を打って△同玉に▲2二銀△2四玉▲3五金まで詰みです。

切れ負け将棋でそこら辺を細かく考えるのは大変です。

対局中は△3八角とすれば以下正確に指せば後手玉が詰みというのは分かっていましたが、他の手が浮かばなかったので仕方なく指しました。

△3八角以下▲同銀△同成銀▲3二龍で、ソフトの評価値+99994で先手勝勢。

この手順は後手勝勢だった局面が数手で先手勝勢になるという、典型的なだめなパターンです。

▲3二龍以下△同歩▲1三銀△同玉▲3一角△2四玉▲3五金まで詰みです。

終盤力がないとこのようなことが起きやすいので、最終盤は大事です。

最初の局面図では3通りくらいは有力な手があったのですが、代表的な手の2通りの調べてみます。

1つは△3八角で△4三金右です。

△4三金右▲3五歩△3八角で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順の△4三金右は受けに回る手ですが、この瞬間も後手玉に即詰みはありません。

△4三金右に▲3二龍△同歩▲2二銀とすれば後手玉に詰めろがかかりますが、△2八飛以下先手玉に即詰みが生じます。

△4三金右に▲3五歩は3四の桂馬を守るため自然な手に見えますが、この手は後手玉の詰み筋を減らすことになります。

▲3五歩と突くことで、将来3五の地点から金駒を打つ筋がなくなるからです。

▲3五歩には△3八角がいい手で、角を渡しても後手玉に即詰みはありません。

△3八角▲同銀△同成銀▲3二龍△同歩▲1三銀△同玉▲3一角△2四玉で、▲3五金と打てません。

そのような意味で△4三金右は実戦的な手だったようです。

△4三金右に▲5五歩なら以下△3四金▲同角△3八角で、ソフトの評価値-4568で後手勝勢。

この手順は△3四金▲同角とすれば意外と後手玉に詰めろがかからないようで、以下△3八角が間に合うようです。

もう1つは△3八角で△3五桂がありました。

△3五桂▲同歩△3八成銀で、ソフトの評価値-4764で後手勝勢。

この手順の△3五桂は捨て桂ですが、3五の地点のスペースを消す手です。

△3五桂は先手玉に詰めろがかかっていますので▲同歩としますが、そこで△3八成銀が浮かびにくいです。

△3八成銀は先手玉に詰めろはかかっていませんが、この瞬間に後手玉に詰めろがかけにくいです。

駒を渡すと先手玉が詰み筋に入るからです。

△3八成銀に▲2一銀なら△同玉▲5二龍△2八成銀▲同飛△同金▲同玉△3七銀▲1八玉△1七飛▲同玉△3九角▲1八玉△2八角成まで詰みです。

これらは局後に調べると答えが出やすいのですが、これを実戦の短い時間で判断できるようにしたいです。

悪いと思っていた局面はまだ勝勢だったのが参考になった1局でした。