後手の対応によって全く展開が違ってくる


上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△9六同歩とした局面。ソフトの評価値+33で互角。

先手が9筋の地獄突きをした形で、△9六同歩に銀で取るか香車で取るかの局面です。

居飛車対振り飛車の対抗形で▲9六歩のような手はたまにあるのですが、後手の陣形がちょっとでも違うと先手も取り方が変わってくるようです。

実戦は▲9六同銀△同香▲同香△8五歩で、ソフトの評価値-174で互角。

この手順は▲9六同銀として以下銀と香車の交換になって△8五歩と突いた展開です。

自分の感覚としては、対抗形だろうと棒銀の端攻めの場合でも端を突いたときに銀で取れる場合と香車で取れる場合は、基本的に銀で取るものだと思っています。

例外的に香車で取るようなケースもあるようですが、ほとんど銀で取るようなイメージです。

銀が捌けなくて置き去りになるのがまずいという感じです。

ただし、銀冠の場合は香車で取る手もあったようで、銀冠の銀は守りの銀なので銀を渡すと少し守りが弱くなります。

実戦のように銀を渡す形になると、△8五歩と突かれた後の対応がまた難しいです。

先手は香車を持ち駒にしたのと▲9三香成のような手はありますが、後手玉が6二の形なので、▲9三香成もまだ攻め駒としては遠い感じです。

また持ち駒の香車は△6五歩と突く形には▲6四香のような狙いはありますが、後手の金駒と交換になっても先に銀を渡しているのでほぼ互角です。

そのような意味で▲9六同銀としたのは少しもったいない感じです。

▲9六同銀では▲9六同香がありました。ソフトの評価値+62で互角。

この手順は▲9六同香として香車の交換を目指す手です。

ただし、これだけを見ると先手の具体的な狙いが分かりにくいです。

歩を持ち駒にしても、先手はどこにその歩を使うかが分かりにくいからです。

▲9六同香には△9六同香と△9五歩と△9四歩の3通りが考えられます。

▲9六同香に△同香なら▲同銀△4四角▲2四歩△2六香▲3八飛△2九香成▲2三歩成△2六歩▲2八歩で、ソフトの評価値+225で互角。

この手順は香車の交換をしてから△4四角が歩の裏側にある飛車を狙う手で、香車があるので△2六香が狙い筋です。

△4四角に▲2四歩としますが、△2六香▲3八飛△2九香成と後手は桂得します。

ただし先手も▲2三歩成としてこれはいい勝負のようです。

▲9六同香に△9五歩なら▲同香△同香▲9六歩△8五歩▲同歩△9六香▲同銀△4六歩▲同歩△6五歩▲同歩で、ソフトの評価値+187で互角。

この展開は△9五歩としてから先に後手が香得する展開で、▲9六歩の瞬間に後手が技がかかるかどうかという形です。

先手陣も左側はしっかりしているので、玉頭戦になってもいい勝負のようです。

▲9六同香に△9四歩▲3六歩△6三銀上▲3五歩△4三金▲3四歩△同金▲3八飛△3五歩で、ソフトの評価値+5で互角。

この手順は△9四歩として戦いを先延ばしにした展開に、先手は持ち駒に歩が増えたので▲3六歩から▲3五歩と動きます。

▲3五歩に△同歩は▲3四歩がうるさいので△4三金としましたが、簡単に先手は2筋と3筋を突破できないのでいい勝負のようです。

後手の対応によって全く展開が違ってくるのが参考になった1局でした。