上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲1五香と歩を取った局面。ソフトの評価値-1642で後手優勢。
▲1五香は詰めろではありませんが、次に▲1三香成で詰めろがかかります。
評価値はだいぶ後手に傾いていますが、対局時は大変な局面かと思っていました。
最終盤の指し手の精度は特に大切で、序盤と中盤で形勢を有利に進めても終盤でおかしな手を指すと簡単に形勢が接近します。
自分はこのパターンがかなり多く、勝ち将棋をものにできない傾向が強いです。
実戦は▲1五香△1二歩▲1四歩△同銀▲同香で、ソフトの評価値+101で互角。
この手順の△1二歩は将来▲1二歩を消した手で手堅いと思っていましたが、これがあまりよくなかったようです。
さらに▲1四歩に△同銀としたのも意味不明で、まだ△2四銀と逃げるべきでした。
終盤で甘い手とおかしな手を指すと評価値が大きく下がるという典型的なパターンです。
△1二歩では△1六歩がありました。ソフトの評価値-1323で後手優勢。

この△1六歩は何気に先手玉に△3七角以下の詰めろがかかっています。
指摘をされればなるほどという手ですが、実戦で見つけるのは意外と難しいです。
1筋に歩を打つと今度は将来1筋に歩を使って受けることができないと歩切れになるので成算がないと指せないです。
△1六歩に▲同銀なら△3七角▲2七玉△3八飛成▲同玉△2八金まで詰みです。
△1六歩の瞬間は後手玉に即詰みはないので先手は自玉を受けることになります。
△1六歩▲3九銀△3七角▲1八玉△3八飛成▲同銀引△2六角成で、ソフトの評価値-1933で後手勝勢。

この手順の▲3九銀は詰めろ逃れの手ですが、それでも△3七角がありました。
△3七角に玉の逃げ方は2通りですが、▲1八玉には△3八飛成~△2六角成がありました。
飛車を切って△2六角成が次に△1七歩成以下の詰めろになっています。
また馬ができることで後手の上部が手厚い形になり、後手玉が安全になります。
終盤は駒の損得より速度が大切で本局の変化手順は部分的に飛車と金の交換ですが、馬ができて詰めろがかかって上部が手厚くなり後手にとっては負けにくい形になったようです。
△2六角成に▲1三香不成なら△同桂▲1二歩△同玉▲1三桂成△同玉▲1四歩△2四玉で、ソフトの評価値-7821で後手勝勢。
この手順は先手が王手ラッシュで攻めてきましたが、△2四玉の形は後手玉に寄り筋はなさそうです。
△2六角成に▲2八銀打なら△1五馬▲2九玉△2五馬で、ソフトの評価値-2796で後手勝勢。
この手順の▲2八銀打は詰めろ逃れですが△1五馬が次に△1七香以下の詰めろで、▲2九玉には△2五馬と桂馬をとって後手玉が安全になります。
△3七角にソフトは▲2九玉を示していましたが、それはまた別の機会に調べます。
歩を垂らして詰めろをかけるのが参考になった1局でした。