上図は、後手雁木に先手左美濃からの進展で▲7五歩と歩を取った変化手順の局面。ソフトの評価値+446で先手有利。
この局面から後手が動く手は反動がきつかったので、今回は後手が受けに回る展開を調べてみます。
▲7五歩以下△9四歩▲4五歩△4二金右▲2四歩△同歩▲3三歩成で、ソフトの評価値+590で先手有利。

この手順の△9四歩は手待ちにも見えるのですが、角交換をしてからの▲9五角の筋を消した手です。
あまり考えずに△9四歩を見ていると意味がないように見えても、▲9五角の筋を消しているのでそれなりに意味はあるようです。
またゆっくりした展開になると△9五歩のような手も間に合ってくるかもしれません。
△9四歩に対して先手も待つ手が難しいので▲4五歩は自然です。
それに対して△4二金右としましたが、後手の玉のコビンを閉める手で価値は高い手だと思います。
玉のコビンがあいていると、先手の持ち駒に角が入ればいきなり角で王手という筋が生じます。
△4二金右に▲2四歩の突き捨てから▲3三歩成が浮かびにくいです。
▲2四歩の突き捨ては指したい手ですが、次の▲3三歩成は焦点の空成りなので浮かびにくいです。
歩を取って歩が成るのなら自然に浮かびますが、ただ捨ての歩成りなので読みが入ってないと指せないです。
▲3三歩成に△同金直なら▲2三歩で後手の角が取られます。
▲3三歩成に△同角なら▲2二歩でソフトの評価値+680で先手有利。
この手順の△3三同角は自然な手にも見えますが、▲2二歩の焦点の歩が浮かびにくいです。
▲2二歩に△同玉なら▲3四歩があります。
▲2二歩に△同金でも▲3四歩があります。
▲2二歩に△同角でも▲2三歩△3三角▲3四歩があります。
これらの手順は後手の金駒や角が取れる筋で、先手の持ち駒の歩が多いので成立する筋ですが実戦で実現するのは少ないので参考になります。
また▲2二歩に△3四歩は▲2一歩成で桂得になります。
これらより▲3三歩成に△同角は▲2二歩で後手が駒損になります。
よって▲3三歩成に△同金右を調べてみます。
▲3三歩成に△同金右なら▲4四歩△同銀右▲4五銀で、ソフトの評価値+615で先手有利。

この手順は△3三同金右と3筋と4筋を金駒で補強してきました。
先手は▲4四歩の取り込みから▲4五銀と金駒をぶつける形です。
自分が興味深く思ったのは、▲4五銀では▲4五桂だとどうなのかということです。
4五の地点に銀でいっても桂馬でいっても駒取りの手なので、そんなに違いがあるようには見えません。
しかし、▲4五桂はソフトの候補手にも上がっていませんでした。
▲4五銀で▲4五桂なら△3五歩▲3三桂成△同角▲1六飛△7六桂で、ソフトの評価値-330で後手有利。
この手順は▲4五桂に△3五歩▲3三桂成の展開は金と桂の交換で先手が駒得になります。
普通は攻めの桂馬と守りの金が交換になると攻めている方が駒得で優勢になるのですが、本局に関しては桂馬を渡して△7六桂と打たれると後手有利になってます。
先手が数手前に▲7五歩と歩を取った手を逆用している形で、この展開は後手に楽しみが多いようです。
よって▲4五銀とぶつけます。
▲4五銀は3七に桂馬の支えがあるので可能な手で、次に▲4四銀や▲3四歩と叩くのが狙いです。
また先手の飛車の横の利きも通るのが大きいです。
▲4五銀に△3五歩なら▲8六飛で、ソフトの評価値+702で先手有利。
この手順の△3五歩で△4五同銀なら▲4五同桂でさらに桂馬が活用できます。
これは後手がさらにだめになるので△3五歩と飛車取りで3筋を受けましたが、▲8六飛とぶつけて先手が指せるようです。
後手の1段玉が飛車に弱い形なのでこの手があるようで、以下△8五桂▲4四銀△同銀▲7六銀で、ソフトの評価値+871で先手優勢。
この手順は最後の▲7六銀が少し指しにくいですが、確実に桂得を狙って先手が指せているようです。
なお最初の局面図の▲3三歩成に△同桂とする展開はまた別の機会に調べます。
歩を使った細かい攻めをするのが参考になった1局でした。