銀ばさみから銀を狙う

上図は、令和元年以前の対局から、後手三間飛車に先手居飛車穴熊からの進展で、後手が△2四歩と突いた局面。ソフトの評価値+276で互角。

▲2四同歩とすると△2二飛と回られて先手が忙しくなるので▲2四同歩とはできませんが、ゆっくりしていると後手から△2五歩~△2六歩と伸ばされます。

対局中は、6六の銀を攻めに活用した方がいいかと思い、本譜は以下、▲5五銀△2五歩▲4四銀で、ソフトの評価値+100で互角。

本譜の指し方は、駒が前に出て自然な感覚かと思っていましたが、評価値はだいぶ下がっているのでいまひとつだったようです。

▲5五銀では▲5五歩があったようです。ソフトの評価値+252で互角。

▲5五歩は全く見えなかったです。

▲5五歩として次に▲4六歩としても△5六銀で、先手に5筋に歩がなかったら▲5七歩が打てますが、そうでないと後手の銀は簡単に取られない形です。

しかし、先手の狙いはそれではなかったようです。

▲5五歩に△2五歩なら▲4六歩△5六銀▲1五飛△同歩▲2三角で、ソフトの評価値+756で先手有利。

この手順は、△5六銀とさせて飛車と角の交換から▲2三角と打てれば先手駒得になりますので、先手有利です。

▲5五歩には△2二飛とします。

▲5五歩△2二飛▲5七銀△2五歩▲4六歩△2六歩▲4五歩△2七歩成▲1五飛△同歩▲5四歩で、ソフトの評価値+189で互角。

手順の▲5七銀が銀ばさみの気が付きにくい手で、▲4六歩から後手の銀を取りに行きます。

後手はその間に2筋を伸ばして先手にプレッシャーをかけます。

先手は飛車と角の交換から▲5四歩です。

この局面は飛車と角銀の交換で先手駒得も、後手は次に△3八とがなかなかの手で、先手も大変です。

▲5四歩に△3八となら、▲5三歩成△同金▲3一角で、ソフトの評価値+196で互角。

▲5四歩に△同歩なら、▲4四歩△3八と▲5三歩△同金▲3一角で、ソフトの評価値+222で互角。

銀ばさみから銀を狙うのが参考になった1局でした。

歩を使った攻めで手を広げる

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5一角とした局面。ソフトの評価値+233で互角。

この局面は▲3四銀とした手に3三の角が△5一角と逃げた展開です。

飛車交換の形から先手が先に飛車を敵陣に打ち込んでおり、ここまでは悪くない展開です。

ここから先手がどのように手を広げていくかが難しいところです。

実戦は▲4三歩△4四飛で、ソフトの評価値-97で互角。

この手順の▲4三歩はと金作りの手で次に▲4二歩成が厳しいのですが、△4四飛と敵陣でなく空中に飛車を打ったのがうまかったです。

こういう手は攻める方からすると見えにくいです。

▲4二歩成を受けると同時に△3四飛の狙いもあります。

実戦は△4四飛以下▲2一飛成△3四飛▲4六桂△3八飛成▲5四桂△同金で、ソフトの評価値-169で互角。

この手順はやや一直線のような駒を取り合いですが、やや先手の攻めが細く単調な感じです。

歩を使った攻めではないので、攻めに含みがなく変化が少なくなります。

なお△4四飛には▲2三銀不成△4三飛▲2一飛成△4九飛成▲1一龍△7四歩で、ソフトの評価値+10で互角と進めべきだったようですが、先手が先に桂馬と香車を取って△7四歩と突かせても互角というところが将棋は奥が深いです。

歩切れを解消しても▲2三銀不成とややそっぽに銀が行くのが仕方がないとはいえ重たいのかもしれません。

なお最初の局面ではソフトの推奨手は▲2一飛成で、以下△3九飛▲4六桂△4五歩▲5四桂△3四飛成▲4二銀△5四龍▲5一銀成△同龍▲同龍△同金▲6五歩でソフトの評価値+118で互角だったのですが、今回は別の手を紹介します。

▲4三歩では▲5六歩がありました。ソフトの評価値+205で互角。

この手順の▲5六歩は指摘を受ければなるほどという手ですが、ここが急所という手です。

5筋の歩を切れれば攻めに使えるのと、5五の地点の駒がなくなると▲6五歩で角道が通ります。

また5四の銀が移動すれば3四の銀が▲4三銀成と活用できます。

そのような意味で含みが多い手です。

▲5六歩に△3九飛なら▲5五歩△同銀▲4三銀成で、ソフトの評価値+645で先手有利。

この手順は△3九飛は狙いの手ですが、▲5五歩~▲4三銀成で次の▲5三歩の垂れ歩が厳しいです。

▲4三銀成に△6二角なら▲2一飛成△3一歩▲6五歩△5四金▲5六歩△4六銀▲1一角成で、ソフトの評価値+895で先手優勢。

このような展開は攻めつぶすというのでなく地味ですが、馬を作って駒得で先手優勢です。

▲5六歩に△同歩なら▲5五歩△同銀▲6五歩△5四金▲4三銀不成△4九飛▲5一飛成△4三飛成▲2一龍で、ソフトの評価値+521で先手有利。

この手順は△5六同歩には▲5五歩△同銀から▲6五歩として角を活用します。

△5四金に▲4三銀不成が味のいい手で、△4九飛は▲5四銀成なら△4一飛成の切り返しがありますが、△4九飛には▲5一飛成があり△同金なら▲5四銀成で駒得です。

よって▲5一飛成には△4三飛成と粘りますが▲2一龍で先手駒得で先手有利です。

やはり歩を使った攻めというのは含みが多いので手が広がるようです。

歩を使った攻めで手を広げるのが参考になった1局でした。

角の打ち込みでバランスをとる

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車からの進展で▲7七同桂と角を取った局面。ソフトの評価値+39で互角。

7七の地点で角交換になった展開で、ここで後手の手番です。

対局中は後手の7三の銀の駒組みがよくなかったようで、だいぶ局面を悲観しておりましたが意外にもこの局面の形勢は互角だったようです。

次に先手から▲5三歩成がありますので、△5四金か△5四歩のどちらかです。

5三の地点に空間があくのは、将来5三の地点に駒を打たれる可能性があるのでよくないと思い△5四金としました。

実戦は▲7七同桂以下△5四金▲5一角△4五金▲同銀△5五角▲3七金△7七角成▲5八飛で、ソフトの評価値+101で互角。

この手順は△5四金として▲5一角には△4五金と後手から金と桂馬の交換をする手です。

先手の4五の桂馬が将来▲5三桂成と攻め込まれるとうるさいと思い△4五金としました。

以下▲同銀に△5五角~△7七角成として、金と桂桂の交換から▲5八飛と進みました。

金と桂桂の交換は微妙ですが、△7七角成とすれば飛車当たりなので何とか勝負になっているかという感じです。

この手順は自ら守りの金を1枚失う展開なので仕方なく指した感じです。

しかし△5四金では△5四歩がありました。ソフトの評価値-38で互角。

この手の△5四歩は攻めてきなさいという手で、この瞬間に先手からいかにも技がかかりそうです。

さすがにここから△4四歩~△4五歩と桂馬を取るような手は間に合わないので、先手の手に対応するしかありません。

△5四歩に▲6四歩が気になります。

この手順の▲6四歩は飛車を活用する手で、次の▲6三歩成が狙いです。

▲6四歩に△同銀なら▲6三歩があり△同飛なら▲4一角△6二飛▲6四飛△7三角▲5五銀△6三歩で、ソフトの評価値+425で先手有利。

この手順は▲6三歩△同飛に▲4一角で先手必勝くらいの感覚ですが、△6二飛が盲点です。

△6二飛に▲3二角成△同飛▲6四飛がありますが、△7三角の準王手飛車で粘ります。

よって先に▲6四飛として△同飛なら▲3二角成ですが、▲6四飛にも△7三角があって先手がよしも意外と後手も粘りがききます。

▲6四歩に△同飛なら▲同飛△同銀▲8二飛で、ソフトの評価値+473で先手有利。

この手順の飛車交換は後手がまずいようです。

△5四歩に▲6四歩なら△4六歩で、ソフトの評価値-144で互角。

ソフトの推奨手は▲6四歩には△4六歩でした。

△4六歩に▲同金は△5七角で、ソフトの評価値-543で後手有利。

この手順は△5七角が飛車と金の両取りなので後手よしです。

△4六歩に▲3七金は△7九角▲6七飛△6六歩▲同飛△5七角成▲3九角で、ソフトの評価値-184で互角。

この手順は△7九角~△5七角成として後手の技が決まった感じですが、▲3九角と粘る手がありいい勝負のようです。

△4六歩に▲4八金引は△8九角▲5七歩△5五歩▲6三歩成△5六歩▲6二と△5七歩成▲同金△4五角成で、ソフトの評価値-217で互角。

この手順は△8九角と下から角を打つのが盲点で、飛車は渡しますが銀と桂の交換の2枚替えでいい勝負のようです。

△4六歩に▲5七金は△6四銀▲6三歩△7九角▲5八飛△5二飛で、ソフトの評価値-747で後手有利。

これらの手順を見て分かったのですが、自分は受け身になって形勢が悪いと思った時の受け方をあまり知らないようで、まだ知らない手筋がたくさんありました。

先手は玉のコビンがあいているので玉のラインの角の打ち込みや、浮き駒を狙った角打ちなどです。

角の打ち込みでバランスをとるのが参考になった1局でした。

居飛車の右の銀の使い方

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車からの進展で▲6五歩と突いた局面。ソフトの評価値-48で互角。

対5筋位取りの中飛車には居飛車穴熊に組むことが好きなのですが、居飛車側は金駒すべてを玉側に寄せることが多いので、飛車側が手薄になりやすいです。

手薄になると相手に動かれたときにうまく対応しないと手を作られてしまいます。

本局でいえば先手が▲6五歩と伸ばしたということは、▲6八飛~▲6四歩を狙っています。

それを防ぐ意味で6二の銀は右側で使ってみようと思いました。

実戦は△7四歩▲6八飛△7三銀▲5八金左△2四角▲4七金△9四歩▲3六歩△6二飛で、ソフトの評価値+336で先手有利。

この手順は△7四歩~△7三銀として6筋から捌かれるのを防いだのですが、やや筋が悪かったようです。

対局中も何かしっくりしないなと思っていましたが、7三の銀が使いにくい形です。

7三の銀を使うには△6二飛として以下△6四歩とぶつけることになるのですが、▲同歩△同銀▲6五歩△7三銀で相変わらず銀が使いにくいです。

7三の銀が活用しにくいと8一の桂馬も使えないので、やはり駒組みが悪いようです。

せっかく穴熊が完成しているのに居飛車から攻める形にならないのは作戦的にまずいです。

△7四歩では△1四歩がありました。

△1四歩▲6八飛△8四飛▲5八金左△5一銀で、ソフトの評価値-68で互角。

この手順の△1四歩ですが、最近の傾向として穴熊でも端歩の位を取らせるのはよくないという感覚で端歩を受けることが多いです。

昔の感覚だったら、穴熊で端歩を受けると1手早く相手から攻められるということで受けないことが多かったのですが、受けるのが多くなったのはソフトの影響が大きいと思っています。

先手は▲6八飛と回って次に▲6四歩からの捌きをみせたときに、△8四飛と浮いて受けます。

ここで注意なのが△7四歩を突いている形だったら△8四飛としても▲6四歩△同歩▲同飛と捌かれてしまいます。

後手は△7三歩型の場合は△8四飛と浮いて受けるのが形です。

以下▲5八金左に△5一銀と銀を引いて使います。

結局この銀は△4二銀~△3一銀右というルートか、△5二銀というルートのどちらかになります。

△5二銀とするなら△4二金引~△4三銀という駒組みを目指しますが、銀が浮いた状態になるので△4二銀~△3一銀右のルートが主流だと思います。

結局はよくある駒組みに合流するのですが、やはりこの戦型の右の銀は玉側に配置するのが自然なようです。

もし6二の銀を右側で使うとなると、急戦の超速の△7三銀型で使うか、早い段階で△7三銀~△6四銀として先手にも▲6八銀~▲5七銀~▲6六銀と見合いの銀にさせて居飛車穴熊を目指すことになりそうです。

相手の戦型に対してどのような駒組みを目指すかは、できるだけ早く方針を決めてよくある駒組みを目指すのが無難なようです。

よくある駒組みというのは、多くの人が指している形なのでそんなに間違いはないだろうという感覚です。

そのようなことを意識すると棋譜並べも役に立ちそうです。

居飛車の右の銀の使い方が参考になった1局でした。

一直線でなく1手ためる

上図は、令和元年以前の対局から、居飛車対振り飛車の対抗形の相穴熊からの進展で、後手が6一香と打った局面。ソフトの評価値+1888で先手優勢。

対局中は、先手が指しやすいとは思っていましたが、△6一香を打たれると後手玉が見えないためまだ大変です。

評価値的には圧倒的に先手が良くても、駒割りは銀と香車の交換なのでこのような局面からの逆転は何度もありそうです。

本譜は▲5四歩△5七歩で、ソフトの評価値+1761で互角。

実戦ではほとんど時間を使わずに▲5四歩としましたが、△5七歩が後手の勝負手です。

▲5七同金とすると△6八角がうるさいです。

実戦では、▲5三歩成△5八歩成▲7八金で、ソフトの評価値+1714で先手優勢と進み、終盤は1手違いで指すこの手順で指せればいいのですが、1手やりそこなうと逆転するような展開です。

▲5四歩では▲4一龍があったようです。ソフトの評価値+1781で先手優勢。

5二の龍を▲4一龍とするのはぱっと見狙いが分かりにくくのですが、▲5二銀を狙っています。

▲4一龍では▲5一龍でも同じ意味ですが、後手が角を持つと△3三角の筋が先手の穴熊を睨んだ少しいやな形なので、▲4一龍としています。

▲4一龍に後手の狙いの△5七歩なら、▲5九歩でやソフトの評価値+1750で先手優勢。

なお▲5九歩では▲5三歩の方が評価値的には先手が良く、これで後手の△5八歩成からの展開でも指せる自信があるなら、これが一番良さそうです。

一直線の流れで指すか、後手の攻めを少し受けに回って指すかの違いです。

▲4一龍に△4六歩なら、▲5三歩△2三角▲2一龍△5六角▲5二歩成で、ソフトの評価値+2378で先手勝勢。

この手順は後手に銀を取らせますが、△5六角があまり効いておらず▲5二歩成が厳しく先手十分です。

一直線でなく1手ためる▲4一龍が参考になった1局でした。

歩をぶつけて角の打ち場所を作る

上図は、後手石田流からの進展で△7二金と6二の金が寄った局面。ソフトの評価値+490で先手有利.

お互いに動きにくい形になって手待ちみたいな手が続いたのですが、ここからどう動くかという局面です。

対局中は先手有利とは思っておらず、5三の地点に空間があいたので▲5三角と打ちたくなりました。

実戦は▲5三角△6四角▲同角成△同歩で、ソフトの評価値+317で先手有利。

この手順は▲5三角に上から△6四角とするのが見えにくい手で、角交換する展開ですがはっきりしない形です。

それ以外だったら先手も馬が作れそうな形ですが、角の打ち込みに対しては後手も意外と隙がないようです。

そのような意味で角を使うことばかり考えていて、後から局面を検討しても先手有利だったという理由が分かっていませんでした。

▲5三角では▲5五歩がありました。ソフトの評価値+547で先手有利。

この▲5五歩は全く考えていませんでした。

長い時間の将棋だったら浮かんだのかもしれませんが、早指しだと全く浮かびません。

ただ歩をぶつけた手にも見えるのですが、考えていくと後手は飛車が狙われやすい形です。

後手の飛車は浮き飛車ですが、可動範囲が狭いので先手の角に狙われやすいです。

そのような意味で▲5五歩とすると将来▲5六角のような筋が生じて、後手は飛車があぶないです。

▲5五歩に△6四歩なら▲5六角△4四飛▲2三角成で、ソフトの評価値+580で先手有利。

この手順は▲5五歩に△6四歩とゆっくり指すと▲5六角~▲2三角成が先手有利です。

▲5五歩に△3二金なら▲4一角△2二金▲5二角成で、ソフトの評価値+649で先手有利。

この手順は後手は△3二金として2三の地点を受けたのですが、▲4一角と反対から打つ手があり馬ができて先手有利です。

よって後手は▲5五歩には△同歩とするしかなさそうです。

▲5五歩に△同歩なら▲同銀で、ソフトの評価値+505で先手有利。

この手順は▲5五歩から歩の交換で▲5五同銀で、次に▲5六角とすれば後手は飛車が取られる形です。

この瞬間に後手は何かしないといけません。

▲5五同銀に△5四歩なら▲6六銀で、ソフトの評価値+691で先手有利。

この手順はおとなしく△5四歩と打つと▲6六銀と引かれて、次の▲5六角に対する受けが見えません。

なお▲6六銀で▲5六角もありそうですが、△4五角▲同歩△5五歩で角と銀の交換でもすっきりしません。

▲5五同銀に△2五桂なら▲2五同飛△2四飛▲同飛△同歩▲6一飛△4一飛▲同飛成△同金▲2一飛△5二金▲6五桂△6二銀▲5三歩△5一金▲2二飛成で、ソフトの評価値+438で先手有利。

この手順は5五の銀と4七の銀が離れ駒の瞬間に△2五桂と桂損になりますが、▲同飛に△2四飛として飛車交換をする展開です。

先手も2枚の銀が離れ駒なのですが、飛車を先着して▲6五桂ともらった桂馬を攻めに使えば先手が指せているようです。

▲5五同銀に△5六歩▲6五角△5七歩成▲同金△2五桂▲4三角成△2四飛▲5八歩で、ソフトの評価値+548で先手有利。

この手順は△5六歩として敵の打ちたいところに打てを実行した手ですが、▲6五角とするのが手堅い手で、後手は△5七歩成と形を乱してから△2五桂から動きますが、▲4三角成が手厚く先手が指せているようです。

最後の▲5八歩はなかなか浮かびませんが、このような受け方があるのは初めて知りました。

歩をぶつけて角の打ち場所を作るのが参考になった1局でした。