上図は、先後逆で後手横歩取り△3三角型からの進展で▲1一歩成と香車を取った局面。ソフトの評価値-719で後手有利。
駒割りは桂馬と香車の交換でお互いにと金ができています。
後手は3段目のと金に対して先手は1段目のと金でお互いに働いています。
対局中はこの数手前までは明らかに後手がいいと思っていましたが、▲1一歩成の局面はむしろ先手の方がいいのかと思っていました。
ただし、ソフトは▲1一歩成の局面もまだ後手有利だったようで少し意外でした。
形勢を悲観的に見ていたということですが、ここから後手は有利をどのように維持して優勢にもっていくかが気になります。
局後の検討で▲1一歩成に△3六とは以下▲同飛△4四桂▲1六飛△5六桂▲同歩△2八馬▲1二と△4九角で、ソフトの評価値-439で後手有利。
この手順の△3六とはソフトの候補手になかった手ですが、▲同飛に△4四桂が飛車と角の両取りになります。
普通は桂馬と大駒の交換でだいぶ後手が駒得になるのですが、以下▲1六飛△5六桂▲同歩の展開をソフトはあまりいいとは思っていないようです。
後手の指し方がさっぱりしすぎてるのと、将来先手の1一のと金が働く可能性があるのが影響している可能性があります。
なお実戦は▲1一歩成以下△5四香▲4五角だったのですが、▲4五角で▲1二角成ならソフトの評価値-407で後手有利。

この手順は△5四香と角取りに香車を打つ手です。
少し重たいと思っていましたが、以前部分的に似たような形があった時に小駒で相手の角を攻める手が印象に残っていたので△5四香が浮かびました。
少しでも形が違えば将棋の内容も全く違ってくるのですが、本局に関してはその後の変化手順で▲1二角成とすると5四の香車の働きがいまひとつのようです。
5七の地点は玉と金と銀の3枚が利いているので、5四香と打ってもあまり響きません。
△5四香では△4四香がありました。△4四香▲1二と△6四桂で、ソフトの評価値-743で後手有利。

この手順は△4四香と銀取りに打つ手です。
後手としては香車で銀を取るのでなく3七のと金で将来4六の銀を取りたいのですが、さすがにそこまでうまくはいかないようです。
△4四香に対して▲1二とでと金を活用して結構うるさいと思っていたのですが、次に△6四桂がやや意外でした。
△4四香と打ったのは銀取りで打ったので手の流れからだと△4六香かと思いますが、そうでなく△6四桂と角取りに打つのが気がつきにくいです。
角を安い駒で攻めるというのはよくあるのですが、△4四香との関連性はぱっと見分かりにくいです。
△6四桂に▲3四角なら△3三銀▲1六角△2五歩▲同角△同桂▲同飛△2四歩▲1五飛△4七と▲1九飛△5八と▲同玉△1八歩で、ソフトの評価値-2640で後手勝勢。
この手順は△6四桂には角が逃げるとしたら▲3四角しかないのですが、△3三銀と取られそうな銀を逃げながら角にあてて、受ける方とすれば理想的な形です。
以下▲1六角と逃げましたが、△2五歩とすればどちらかの大駒が取れる形になり、以下は駒得を重ねて後手勝勢のようです。
この手順を見る限り、△4四香と打ったのは表面上は銀取りなのですが、△6四桂に▲4五角と逃げる手を消しています。
これは先手は▲1二との形にしたため▲1二角成とすることができず、△6四桂を誘発したという感じです。
これらの手順はややレアケースのようですが、このあたりを短い時間で狙い筋をもって指せるとだいぶ強くなりそうです。
香車での銀取りも別の狙いが生じるのが参考になった1局でした。

















