拠点を残さず指す

上図は、角換り腰掛銀からの進展で、後手が△8七歩と打った局面。ソフトの評価値-836で後手優勢。

対局時はこの局面はかなり悪いと思っていましたが、後の指し手もやや淡泊でした。

本譜は以下、▲7九玉△3五角▲3四飛△3三歩で、ソフトの評価値-747で後手有利。

この展開は、後手に8七歩の拠点を残して飛車を渡す展開になるので、先手は相当勝ちにくい感じです。

どこかで▲8七金と取らないと持たない形で、後手が飛車を打つと攻防に働く感じなので、先手きつそうです。

▲7九玉では▲8七同金とする手があったようです。

▲8七同金△8五歩▲同歩△8六歩▲同金△5九角で、ソフトの評価値-543で後手有利。

▲8七同金とするとこのような手順が浮かんで、△5九角と両取りを打たれると先手が対抗手段がないと思っていました。

ただこの瞬間は、後手歩切れで先手の飛車と5五の桂馬が働いていて、歩がたくさんあり▲4三歩と叩く筋もあるので、先手悪いながらもこの展開にした方が面白かったみたいです。

先手は△4八角成は仕方ないですが、△8六角成だけは許してはいけない局面です。

△5九角以下、▲4三歩△同銀▲同桂成△同玉▲7七桂で、ソフトの評価値-762で後手有利。

元の局面が先手悪いので、頑張っても後手が悪い手を指さないことには形勢は良くなりませんが、△8六角成を防ぐ▲7七桂で悪いなりも勝負という感じです。

▲7七桂以下、△2三歩▲2九飛△4八角成▲6五桂△同歩▲5五桂で、ソフトの評価値-940で後手優勢。

後手に丁寧に対応されると先手苦しいですが、終盤戦で1000点位差があっても、1手おかしい手を指せば互角になることは多いので、あきらめずに指すしかなさそうです。

△8七歩の拠点を残さす指すのが大事と分かった1局でした。

無理筋でも対応するのは大変

上図は、後手三間飛車先手居飛車穴熊からの変化手順で、実戦では△5七歩の垂れ歩に▲6八金寄としたのですが、2六の飛車が▲2八飛だったらどうだったかの変化手順です。

△5七歩の垂れ歩は先手から見たらいやな手で、▲6八金寄とはしたくないのですが、歩を成られると先手まずそうです。

▲6八金寄とすると穴熊の形が少し崩れます。

しかし、▲2八飛も指しにくい手で、飛車が縦に移動すると△5八歩成があります。

▲2八飛には、△5四銀▲7七角△7三桂のようにじっと辛抱するのが本格的な指し方ですが、先手の桂の頭を狙う△3五歩が気になります。

△3五歩は強い人から見れば▲3四歩があるので一目無理筋なのですが、△3六歩から桂馬をいじめて△3七歩成から△5八歩成などを狙った手です。

厳密に言えば無理筋の手を考えてもあまり意味がないのかもしれませんが、無理筋でもきちんと対応しないと、無理筋が通ることがあるのが将棋の怖いところです。

△3五歩▲3四歩△5一角▲4四角△4二飛で、ソフトの評価値+562で先手有利。

▲3四歩と打って△5一角と引かせるのは気持ちがいいのですが、そこで▲4四角に△4二飛が狙いの一手です。

先手有利なのですが、▲1一角成△4七飛成がいいのか、別の進行がいいのかが迷います。

△4二飛の局面では▲2四飛でも▲4五銀でも先手有利ですが、▲1一角成とします。

▲1一角成△4七飛成▲5二銀△3七龍▲2九歩で、ソフトの評価値+642で先手有利。

後手は▲5二銀に角が逃げると▲6三銀成と金をはがされるので、△4七龍で勝負します。

△4七龍▲5一銀成△5八歩成▲2四飛△6九銀▲7七金△8五桂で、ソフトの評価値+540で先手有利。

この展開は穴熊で角香と桂馬の交換で実質先手角得なので、だいぶいいはずなのですが、▲5一成銀の働きがいまひとつ なので、思ったほど差が開いていないのが興味深いです。

この進行がいやなら、▲1一角成では別の手を選ぶことになります。

無理筋でもきちんと対応するのは大変と分かった1局でした。

飛と飛の間に角がいても指せる

上図は、後手三間飛車に対して先手が居飛車穴熊からの進展で、後手が△3三角と4二の角が上がった局面。ソフトの評価値+367で先手有利。

対局中は穴熊まで組めて満足はしていましたが、有利までは思ってなくここからの指し手が難しいと思っていました。

本譜は以下、▲2四歩△同歩▲5五銀△同銀▲同角△5二飛▲5六歩で、ソフトの評価値+245で互角。

先手は2筋を突き捨てて銀交換しましたが、△5二飛に▲5六歩と打った形があまり良くなく、次に▲6一銀が狙いですが△2二飛と回られ2筋を逆用される展開になりました。

評価値は互角になっていますが、先手があまりうまく行っていない感じです。

▲2四歩では▲5五銀がありました。

▲5五銀△同銀▲同角△5二飛▲5六飛で、ソフトの評価値+310で先手有利。

この手順は実戦と似たような手順ですが、2筋を突き捨てずに銀交換して▲5六飛と5筋に飛車を回ります。

先手が5筋に飛車が回ると先手の角がいなくなると、△5六飛と飛車を取られるので▲5六飛は指しにくい手です。

▲5六飛とすると次に▲6四角△同金▲5二飛成の狙いがあります。

また先手は▲6一銀の割り打ちの銀が狙いもあります。

▲6四角と▲6一銀を両方受けるのは△7三金直があります。

△7三金直▲4三銀△5三飛▲3四銀不成△5一角▲4三銀成△6二角▲5三歩で、ソフトの評価値+759で先手有利。

最後の▲5三歩に△5一歩なら、▲4四成銀で、ソフトの評価値+854で先手優勢。

実戦では多分見えないような気もしますが、先手は▲4三銀から銀を活用して攻めるのがうまいです。

飛と飛の間に角がいても指せると分かった1局でした。

すんなりした駒損はだめ

上図は、後手ゴキゲン中飛車に対して先手居飛車穴熊からの進展で、後手が△8五桂と跳ねた局面。ソフトの評価値-352で後手有利。

対局時はこの局面は先手どうしょうもないと思っていたので、指し手が淡泊になってしまいました。

本譜は以下、▲4四飛△7七桂成▲同金寄△5六歩▲同歩△7四歩で、ソフトの評価値-452で後手有利。

▲4四飛としたのは、▲6六角と逃げては8筋と9筋の攻めを受けきるのは難しいと思って指したのですが、角と桂馬の交換で駒損をして△7四歩と▲7五桂を防がれては、先手のいいところが見当たりません。

先手玉は固いので詰みまで指せば手数は伸びますが、先手の攻める手が限られており、桂馬を渡すと△8七桂の手があるので、形を決めすぎた感じです。

▲4四飛では▲6六角と逃げた方が良かったようです。ソフトの評価値-363で後手有利。

▲6六角と逃げると後手は8筋と9筋にたくさん駒を集めているので、先手玉がかなり危なく後手有利ですが、角と桂馬の駒損よりは良かったようです。

次に▲4四飛とすれば▲8四角の筋があるので、ここで後手が攻めることになります。

▲6六角に△8七歩成なら、▲同金△8六歩▲7七金左△同桂成▲同金△8七金▲同銀△同歩成▲同金△8六歩▲7七金で、ソフトの評価値-63で互角。

この手順は金と桂馬の交換から△8七金と張り付いたのですが、まだ駒が少ないので、△8六歩とされても▲7七金で互角です。

▲6六角に△9六歩なら、▲同歩△9七歩▲同桂△8七歩成▲同金△8六歩▲7七金左△同桂成▲同金で、ソフトの評価値-209で互角。

この手順は9筋からあやをつけてから、金と桂馬を交換して△8六歩と押さえたのですが、▲7七金で互角です。

どちらの手順も△8六歩と拠点を作られ押さえられますが、▲7七金でまだ粘りが効く形です。

すんなりした駒損はだめだと分かった1局でした。

2筋を突き捨てて▲2二歩

上図は、後手ゴキゲン中飛車に対して先手居飛車穴熊で後手が△1四歩と突いた局面。ソフトの評価値+396で先手有利。

対局時は少し指しやすそうと思っていましたが、先手有利は驚きました。

先手は玉は固いのですが、その分攻め駒は少なく角も眠ったままなので、攻めを繋げるのは大変です。

本譜は以下、▲1六歩△1二香▲4五歩△3三歩▲3六飛△8六歩で、ソフトの評価値-23で互角。

▲1六歩以下数手進んだのですが、後手の△3三歩で安全にしてから△8六歩を見落としていました。

▲8六同角は△同角▲同歩△6九角の両取りでだめなので、▲8六同歩ですが△8五歩でこの流れは先手本意ではありません。

▲1六歩では▲2四歩がありました。ソフトの評価値+411で先手有利。

▲2四歩は少しは見えていたのですが、△2四同角の後の指し手が分からなかったのでやめました。

△2四同角なら、▲2二歩△3三桂▲2一歩成で、ソフトの評価値+575で先手有利。

△2四同歩なら、▲2二歩△3三桂▲2一歩成で、ソフトの評価値+437で先手有利。

▲2四歩に△3三歩なら、▲3五飛△2四歩▲2二歩△5三角▲3六飛△1三桂▲2一歩成で、ソフトの評価値+470で先手有利。

どの手順も▲2二歩から▲2一歩成を見せれば先手が指せていたようです。

2筋を突き捨てて▲2二歩が参考になった1局でした。

右玉は含みをもって指す

上図は角換り腰掛銀から先手右玉にした進展で、後手が△6二飛とした局面。ソフトの評価値+6で互角。

右玉の場合は粘り強く指さないといけないのですが、本譜はそれを欠いてしまいました

本譜は以下、▲7七角△4三歩で、ソフトの評価値-416で後手有利。

▲7七角は後手玉のコビンを狙った手ですが、△4三歩と下から受けられると大したことなかったです。

また後手が将来△6五桂と跳んだときに、▲7七角に当たることや△5七桂成の王手から△6九飛成のような筋もあるので、▲7七角は危険すぎました。

このあたりは秒読みとはいえ、直感がいまひとつで筋が悪かったです。

▲7七角では▲2九飛があったようです。ソフトの評価値-83で互角。


先手は歩切れなのに、6筋を放置して2筋に飛車を回るのは驚きました。

▲2九飛は▲2四歩から歩を交換して、歩を持ち駒にする狙いですが、多分秒読みでは指せない手です。

▲2九飛に△6五銀なら、▲同銀右△同桂▲4一銀で、ソフトの評価値+267で互角。

この手順は割り打ちの▲4一銀があるので、後手もいやな形です。

▲2九飛では6筋を守るなら▲7七桂が普通の感覚ですが、△8四角と打たれると、受け方が難しく▲2九飛と回りづらくなります。ソフトの評価値-132で互角。

このあたりは結構難しい手順ですが、本譜の▲7七角より含みが多かったようです。

この場合の含みとは、▲7七角の盤上の駒より持ち角の方が手が広いという意味です。

後手の陣形によって▲7三角や▲2四歩から▲5一角を狙う筋です。

右玉は含みをもって指すのが大事と分かった1局でした。

右玉で指す感覚

上図は、角換り腰掛銀からの進展で後手が△2二玉とした局面。ソフトの評価値±0で互角。

先手は右玉での持久戦模様で駒の繰り替えがほとんどですが、本譜の指し方は良くなかったようです。

本譜は以下、▲6八銀△8六歩▲同歩△同飛▲6四歩△6二金で、ソフトの評価値-359で後手有利。

▲6四歩に△同金なら▲9七角の筋があります。

▲9七角に強く△9六飛もありますが、▲9七角と打たせないように△6二金と引くのは自然です。

本譜のような進行になれば、先手の次の1手が難しいなと思っていたのですが、秒読みでは他の手を考えるのができなく、やむを得ずこの進行になった感じです。

やはり直感で良くないなと思ったら、その手は指さないようにしないといけないです。

ただそうなると秒読みの中で2通りの指し手を考えないといけないので、読まなくても直感で無理という感覚が必要かもしれないです。

▲6八銀では▲2九飛がありました。ソフトの評価値-69で互角。

▲2九飛は手待ちの意味もありますが、後手の△2二玉に対応した手で、後手玉の筋に飛車を回すのは自然です。

▲2九飛に△3一玉なら▲6八金△2二玉でソフトの評価値-69で互角。

これは辛抱する手順ですが、千日手になる可能性があります。

▲2九飛に△3一玉に▲4五歩なら、△同歩▲同桂△4四銀▲4六歩△6四角で、ソフトの評価値-122で互角。

先手が4筋から仕掛けると後手も△6四角から厚みで対抗する形になり、先手も玉が薄いので大変です。

やはり平手の将棋なので簡単ではありません。

ただ右玉では、▲6四歩や▲4五歩のような手はできるだけ辛抱して、のらりくらりと指す感覚が必要かもしれません。

右玉で指す感覚が少し分かった1局でした。

玉のラインと桂馬の頭を狙う

上図は、相掛かりからの進展で後手が△7六金と打った局面。ソフトの評価値+631で先手有利。

△7六金では△7六歩もありましたが、△7六金は▲7五銀を防いだ手です。

後手は玉と飛車が近いうえに、いつでも▲7四歩と桂馬の頭を狙う手があるので、上部を少しでも厚くしておきたいということです。

本譜は以下、▲7四歩△同飛▲5六角△8四飛▲7四歩で、ソフトの評価値+284で互角。

対局時は後手の桂馬の頭を狙うのが筋だと思い、▲5六角から▲7四歩の筋で攻めましたが、後手も△7七金としていい勝負です。

▲5六角からの手の狙いは悪くなかったですが、別の手もありました。

▲7四歩では▲9五角がありました。

▲9五角△4四飛▲7四歩△同飛▲8五銀で、ソフトの評価値+635で先手有利。

同じ桂馬の頭を攻めるのも、こちらが方が手厚かった感じです。

▲9五角のラインで、後手は△8五同桂とすることができません。

▲8五銀に△7五飛なら、▲7四歩△7七金▲7三歩成△同金▲7四歩△6七金▲同玉△7九飛成▲7三角成△5二玉▲6四桂△同歩▲6三金△4二玉▲5一馬△同玉▲5二金まで。

これはうまく行きすぎですが、先手の▲9五角が働いた展開です。

▲8五銀に△9四歩なら、▲7四銀△9五歩▲6八銀△7五金▲7三銀成△同金▲7六歩△7四金▲8一飛で、ソフトの評価値+1057で先手優勢。

飛桂と角銀の交換でいい勝負も、▲8一飛と敵陣に飛車を打ち込めれば先手優勢です。

後手の玉のラインと桂の頭を狙った▲9五角が参考になった1局でした。

張り付いた手で手を繋げる

上図は、先手居飛車穴熊後手三間飛車からの進展で、△3八角成に▲4三角の局面。ソフトの評価値+16で互角。

▲4三角は変化手順で▲2三歩成は、ソフトの評価値-277で互角。

このような局面では▲2三歩成が直感で浮かびますが、▲4三角が浮かびにくい棋風です。

▲4三角に△5一飛とされると次の手が全く見えませんでした。

▲4三角△5一飛▲6一角成△同飛▲5二金で、ソフトの評価値+42で互角。

先手穴熊とはいえ、単純に角と金の交換で▲5二金とする手があるとは思ってもいませんでした。

先手の飛車はあまり働いていない状態で、持ち駒の角を金と交換して金を張り付くというのがすごいです。

先手はゆっくりしていると、後手が△4八馬から△5七歩や飛車を活用する手があるので、このような手順になっていると思います。

▲5二金以下、△8一飛▲5四歩△5五歩▲2三歩成で、ソフトの評価値-68で互角。

▲5二金に△8一飛と逃げて▲5四歩が味がいいです。

▲5三歩成を受ける△5五歩は自然ですが、そこで▲2三歩成と力をためます。

▲2三歩成では▲5三歩成△同銀▲同金△同金▲5五飛もありますが、△5四歩▲2五飛△3三桂で、ソフトの評価値-415で後手有利。

よって、先手は▲2三歩成で少し攻め駒不足ですが、▲2四とから▲3四とから▲4四とのと金の活用を狙います。

その間に後手も△8五桂や△5四金などありますが、先手は穴熊なのでいい勝負です。

▲6一角成から▲5二金と張り付いた手で手を繋げるが参考になった1局でした。

寄せの手筋の▲8四飛

上図は、横歩取り青野流からの進展で先手が▲4五桂と跳ねた手に△4四銀と打って受けた局面。ソフトの評価値-82で互角。

実戦では△4四銀と持ち駒の銀を受けた形になったので、先手だいぶ良くなったと思っていたのですが、評価値は互角とはいえ後手が少し良さそうなのが意外でした。

このあたりは形勢を楽観視していた感じです。

本譜は以下、▲7五角打△6四歩▲同角△6二金▲2二歩△3八龍▲6九玉△2七龍で、ソフトの評価値-284で互角。

▲7五角打は▲5三桂成からの詰めろですが、後手が△6四歩から△6二金とすると後手玉が意外と広く、以下△3八龍から金を取られると互角とはいえ、少し後手が指しやすそうです。

先手の角の働きがいまひとつなのが大きいです。

▲7五角打では2通りの手があったようです。

一つは▲8四飛で、▲8四飛△8二歩▲4四飛△同歩▲5三桂成△5一玉▲1五角で、ソフトの評価値+99963で先手勝勢。

この局面は▲1五角に合い駒が悪いので、先手勝ちです。

これはうまく行きすぎですが、▲8四飛には△4五銀▲8一飛成△3八龍▲6九玉△2七龍で、ソフトの評価値-104で互角。

もう一つは▲8二歩△同銀▲8四飛△8三歩▲4四飛△同歩▲5三桂成△5一玉▲6二角以下詰み。

▲8二歩は△同銀で壁銀にする意味です。

▲6二角以下、△同金▲同成桂△同玉▲5三銀△7二玉▲6二金まで。

これもうまく行きすぎですが、▲8二歩には△4五銀▲8一歩成△6二銀▲8二飛△3八龍▲6九玉△2七龍▲6八玉で、ソフトの評価値-213で互角。

どちらも▲8四飛から▲5三桂成とする筋で、△4五銀が粘り強い手でまだ大変ですが、どちらかを選んだ方が良かったようです。

寄せの手筋の▲8四飛が参考になった1局でした。