歩を使って攻めの手を作る

上図は、先後逆で横歩取り青野流からの変化手順で△7二銀と上がった局面。ソフトの評価値-113で互角。

後手は角を軸に攻めの形を作って△7二銀と8三の地点を補強しました。

△7二銀以下は▲6八銀とするのが自然ですが、以下の後手の攻め方が考えてもいい手が全く浮かびませんでした。

自分が考えたのは1筋に歩を伸ばして1筋から争点を求めるか、単純に△2五桂と跳ねてどうかとか、△3五歩▲同歩と入れてから△2五桂はどうかとか、4筋の歩を突いて4五の地点に争点を求めるのはどうかなどです。

どれも手数がかかったりとか、自玉にリスクの高い形になるなどいまひとつはっきりしません。

ソフトは△7二銀以下全く違う攻め方を示してきました。

△7二銀以下▲6八銀△2八歩▲同銀△4六角に▲3七銀なら△5五角で、ソフトの評価値-81で互角。

この△2八歩ですが、焦点の歩のような手でただで取られる歩ですがこれが意外とうるさい攻めのようです。

△2八歩に▲同金なら△4五桂で、銀が逃げると△4六角で2八の金が浮いているので守りづらくなります。

△2八歩▲同金と入れることで、▲2八銀と引けないようにしているとも言えそうです。

△2八歩に▲同銀なら△4六角は自然ですが、▲3七銀には△5五角と天王山に引くのが浮かびづらいです。

△5五角では△同角成▲同桂△2六歩▲同歩△2九飛▲3九飛△2六飛成▲2七歩△3六龍▲8二角で、ソフトの評価値+153で互角。

この手順は△3七同角成~△2六歩~△2九飛で以下龍を作ることはできますが、局面が落ち着くと▲8二角から香車を取られる筋があります。

よって△5五角と引いて△4五桂と△7七角成を含みに戦う感じです。

△5五角に▲6六歩なら△4五桂▲2八銀△5七桂成▲同銀△7九飛▲6九飛△同飛成▲同玉△8七歩▲同金△4九飛▲5九飛△2八角成▲同金△7八銀で、ソフトの評価値-421で後手有利。

この手順は△7七角成を消す意味の▲6六歩ですが、△4五桂~△5七桂成が盲点です。

後手の攻めは細いようでも先手玉も薄いので、食いつく形になると後手が指せそうです。

△7二銀以下▲6八銀△2八歩▲同銀△4六角に▲3七角なら△同角成▲同銀△4五桂▲2八銀△7三桂で、ソフトの評価値-567で後手有利。

この手順は△4六角に▲3七角と合わせて角を消す手ですが、▲3七同銀に△4五桂が継続手です、

▲2八銀と引いて辛抱しますが、そこで△7三桂ともう1枚の桂馬を活用する手がありました。

△7三桂に▲4六歩は△6五桂が痛すぎます。

△7三桂に▲6六歩なら△8七歩▲同金△7八角▲7九飛△8九角成▲同飛△4六桂で、ソフトの評価値-2157で後手勝勢。

この手順はうまくいきすぎですが、▲6六歩の受けには△8七歩と合わせる手があり▲同金には△7八角~△8九角成~△4六桂で技がかかります。

なお歩を合わせる筋としては部分的な形ですが、後手が6四に角がいる形で△2六歩▲同歩△2七歩▲同金△3八飛のような組み合わせもあり、歩を合わせて手を作るというのは意外と盲点になりやすいようです。

歩を使って攻めの手を作るのが参考になった1局でした。

角を先着して駒組みをけん制する

上図は、先後逆で横歩取り青野流からの進展で▲8八歩と打った局面。ソフトの評価値-で互角。197で互角。

横歩取りは後手番で指すのが好きな戦型なのでよく調べることが多いのですが、久しぶりにその戦型になると以前調べたことを忘れていることが多いです。

本来は一度調べたことは頭の中ですぐに思い出すとか体で覚えておくようなレベルにしたいのですが、残念ながらとてもそこまでには到達しておりません。

おそらく10調べたら9は忘れているという感覚に近いです。

最近は大会が近くなれば以前調べたことを見直していますが、一時的な対応に近く根本的に身についているとはいい難いので、日頃から少しでも見直す機会を増やした方がよさそうです。

実戦の▲8八歩は事前に8筋を受けた手で、▲8八歩で▲5五角は△8五飛があります。

▲8八歩は次に▲5五角と打つ狙いです。

実戦は▲8八歩以下△7三桂で、以下変化手順で▲5五角△6四角▲1一角成△1九角成▲3五香△2九馬▲3二香成△1八飛▲4八銀△4五香▲1二飛で、ソフトの評価値+401で先手有利。

この手順の△7三桂は、先手が▲7七金型なのでいつでも△6五桂と跳ねる手が金取りになるのでほとんど考えずに指したのですが、このあたりが以前調べたことを忘れています。

このような何気ない局面で形だけでふらっと指すことが多いです。

△7三桂には▲5五角があったようで、以下△6四角とするつもりだったのですが▲1一角成以下踏み込む手がありました。

自分が最初に驚いたのは、▲3五香と金取りに香車を打っても受けずに△2九馬とします。

普通は守りの金を取らせるのは玉が弱体化しやすいので避けたいのですが、受けに回っていると逆に攻めの手番が回ってこなくなるようです。

さらに驚いたのは▲3二香成に△1八飛~△4五香とする手で、金をぼろっと取らせてさらに近くに成り駒がいるのに受けずに攻め合うことです。

このあたりはこの戦形特有の感覚のようで、△7三桂以下にこのような変化が潜んでいるのはそれだけで調べた甲斐がありました。

最後の▲1二飛も自分の感覚では見えづらい手で、つい▲3一成香が最初に浮かぶのでこの手も参考にしたいです。

△7三桂以下は後手にとってもリスクの高い展開のようです。

△7三桂では△6四角がありました。

△6四角▲2八角△同角成▲同銀△6四角▲3七角△同角成▲同銀△7三角▲3八金△3三桂▲4六歩△7二銀で、ソフトの評価値-113で互角。

この手順の後手が角を何度も打ち換える展開です。

大会では同一局面で同じように角の打ち換えができたのですが、今回は全く浮かばなかったので再度調べました。

この展開になったからと言って後手有利という訳ではありませんが、少なくとも互角の状態は保っておきたいです。

できるだけ早く角を先着して相手の駒組みをけん制するのが大事なようです。

△7二銀以下の構想はあまり考えたことがないので、また別の機会に調べてみます。

角を先着して駒組みをけん制するのが参考になった1局でした。

超速から穴熊を目指す

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀型の超速からの進展で、▲4八金と上がった変化手順の局面。ソフトの評価値-5で互角。

先手の▲6六銀と▲5六銀の2枚の形が中央に手厚く、後手から仕掛けるのが難しいようです。

後手はそれでも仕掛けの筋を探すのか、別の構想で指すかの方針が大事になってきます。

▲4八金の前に△7二飛としたので本来であれば△7五歩のような手で動くのが考えられますが、▲同歩△同銀▲同銀△同飛▲6六角で、ソフトの評価値+260で互角。

この手順は7筋から動いての銀交換になるのですが、▲6六角に後手に飛車の逃げ場所が難しいです。

△7一飛や△7三飛は▲8二銀から桂馬と香車を拾われる筋が気になります。

△7二飛は▲6一銀の割打ちの銀が気になります。

△7四飛は▲6五銀から次に▲7四歩と飛車を責める筋が気になります。

銀交換になると逆に飛車を狙われやすくなるので、後手も仕掛けるのは少し早いようです。

▲4八金に△7三桂で、ソフトの評価値+37で互角。

この手の△7三桂ですが、桂馬を跳ねることで飛車がかげに隠れる形で違和感のある手です。

たまに飛車のかげに隠れるような駒の使い方を見ることがありますが、ぱっと見はいまひとつ意味が分かりません。

△7三桂の直接的な意味は▲6五銀右に△同桂を用意しているということですが、一時的に後手は飛車が使えないのでむしろ8二のままでもいいのではと思ってしまいます。

ただし、飛車が7筋にいることで将来後手の桂頭を狙われたときに△6五桂と跳ねる手を用意して先手から▲7三歩成のような手を事前に受けているというのはありそうです。

しかしその筋は、先手の2枚の銀が6五の地点に利いているので、△6五桂と跳ねても桂損になる可能性はあります。

いずれにしても△7二飛は難しい手のようです。

△7二飛以下▲4六歩△3一角▲4五歩△2二玉▲8八飛△3二金▲6八角△8二飛▲5八金上△1二香で、ソフトの評価値+149で互角。

この手順は後手は矢倉から穴熊を目指す手の流れです。

後手は角が使いづらい形なので玉を囲うのも手数がかかりますが、仕掛けが無理な以上は何とか玉の整備をしたいです。

後手の3三の銀は前進しても相手に歩で追い返される可能性が高いので、3三の銀はそのままで指します。

△3三銀型を有効に使う囲いといえば矢倉になるのですが、角が使いづらいのでさらに穴熊にしてから角を使うようなイメージのようです。

穴熊に囲うまでは相手の仕掛を封じる必要があるので、先手の8筋に飛車を回れば後手も8筋に飛車を戻すような形です。

後手は△1二香以下は△1一玉~△2二金~△4二金~△3二金右~△4二角のルートか、△1一玉~△2二銀~△5一金~△4二角~△4一金~△3一金寄のルートのようなイメージです。

手数がかかるので後手も辛抱の指し手になりそうですが、先手は自玉を固めるのかそれとも動くのかによって指し手が変わるようです。

これらの後手の指し方は超速の本来の目的とは随分異なりますので、先手の2枚の銀に対抗する指し方としてはまだ課題がありそうです。

超速から穴熊を目指すのが参考になった1局でした。

超速からの違う展開

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手△7三銀型の超速からの進展で、▲5七銀上とした局面。ソフトの評価値-53で互角。

以前5筋位取り中飛車の▲5七銀上~▲5六銀と枚の銀で中央を固める指し方に対抗する手段を考えたのですが、居飛車側が仕掛けることが難しくあまりいい感触がありませんでした。

本局も先手が2枚の銀を中央に繰り出すイメージです。

超速に▲5七銀上から備えるのは結構優秀なイメージで、▲5六銀と2枚の銀で中央を固められると後手は手を出しにくくなります。

実戦は▲5七銀上以下△4四銀▲5六銀△7三桂▲4六歩で、ソフトの評価値+10で互角。

この手順は後手が普通に指すとこのように進むのですが、先手の2枚の銀が6五の地点に利いており後手は△7三桂と跳ねても仕掛けることができません。

後手の4四銀も中央に繰り出す意向ですが、▲4六歩とついて以下▲4五歩とされるとまた銀が下る形になります。

実戦的にはこれでも互角なのですが、後手から仕掛けるのが難しく自玉を固めるのも難しいので手待ちみたいになりそうです。

先手の振り飛車は自玉の整備など指したい手がありそうで、居飛車としてはあまり面白くありません。

今回はもう少し早い段階で居飛車が手を変えることができないか調べてみます。

具体的には△4四銀と△7三桂とする手を遅らせて、別の構想にします。

△4四銀を遅らせるのは、仕掛けが無理で▲4六歩~▲4五歩とされると銀を下がることになることです。

△7三桂を遅らせるのは、これも仕掛けが無理で手待ちになるためです。

▲5七銀上以下△5二金右▲5六銀△7二飛で、ソフトの評価値+8で互角。

この手順の△5二金右は自然な手ですが、▲5六銀に△7二飛が嗜好を凝らした手です。

次に△7五歩としても仕掛けが成立しているかどうかが不明ですが、いつでも△7五歩から動く形にします。

先手は中央が厚くなっても玉は堅くはないので一長一短です。

△7二飛に気になる手として▲6五銀右が最初に浮かんだのですが、銀交換をすれば割打ちの銀の▲6一銀が狙いです。

△7二飛以下▲6五銀右△4四銀▲6四銀△同歩▲6一銀△8二飛▲5二銀成△同金で、ソフトの評価値-100で互角。

この手順は▲6五銀右に△4四銀と繰り出す手で、後手は中央が手薄なので銀を繰り出します。

以下銀交換から▲6一銀の割打ちの銀ですが、△5二同金がどちらが得をしているかがぱっと見分かりにくい局面です。

金と銀の交換は先手が少し得をした感じですが、後手は持ち駒に銀が2枚あり先手の6六の銀はやや重たい形です。

また銀交換は先手の方が手数をかけているので、後手が手得をしているようです。

このあたりは微差の範囲ですが、ここからの方針が気になります。

△5二金以下▲4八金△6三金▲5九飛△8六歩▲同角△8五銀▲9五角△3三角で、ソフトの評価値-290で互角。

この手順の▲4八金に△6三金は全く浮かばなかったのですが、先手の5筋の歩の交換をさせない手のようです。

金を玉から遠ざけて3段目にするという発想は全くなかったのですが、このような形にとらわれないような感覚も力戦形には必要なようです。

▲5九飛と自陣に手をかけたら△8六歩~△8五銀と動くのが盲点です。

後手としては先手に捌かせないように抑えこむような感覚のようです。

真ん中の局面図の△7二飛に▲6五銀右を調べましたが、別の手で▲4八金はまた別の機会に調べてみます。

超速からの違う展開が参考になった1局でした。

少し手順を変えて別の展開にする

上図は、先後逆で先手矢倉に後手左美濃の相居飛車からの進展で▲8八角と引いた局面。ソフトの評価値+95で互角。

後手が△6五歩と突いた手に7七の角を▲8八角と引いてきました。

先手の▲8八角は次に▲6五歩と歩を取る狙いで、先手の角が7七の位置で▲6五歩とすると△同桂が角銀の両取りになります。

△同桂が両取りの形のときは角交換をしない形にするため、数手前に△4四歩と突いたつもりでした。

角交換ができる形だと△6五桂が両取りでも▲3三角成△同銀▲6六銀で、銀を逃げられてしまいます。

このあたりの数手はお互いにとって微妙な駒組みで、ちょっとした形に違いで手になるケースがあります。

対局中は▲8八角を見て△4五歩と伸ばすのが面白いかと思いましたが、ここからの数ては全く予想していませんでした。

実戦は△4五歩▲6五歩△8八角成▲同玉△3三角▲7七角で、ソフトの評価値+251で互角。

この△4五歩は角道を通す手で角も攻めに参加させるつもりだったのですが、このタイミングで▲6五歩とされる手は気がつきませんでした。

後手は△8八角成と角交換をして▲同玉と8八の地点に玉を出させて△3三角と遠くから角を打つ形です。

以下▲7七角と角には角で合わせたのですが、これで先手が少し指しやすくなったようです。

自分が勘違いしていたのは▲8八同玉に△3三角と遠くから角を打つ形は攻めている方が面白いという認識だったのですが、この場合は後手の駒組みが少し単純だったようです。

攻めている側が△8五桂とか△9五歩とか△7五歩を含みにして遠くから角を打つのは手が続きそうなのですが、本局の場合は△8五歩型で△8五桂と飛べる形ではありません。

攻めは6筋が中心なのですが、6六の地点は先手も角と金と銀の3枚が利いておりかなり堅いです。

6筋だけの攻めでは簡単ではありません。

▲7七角以下△同角成▲同桂△7五歩なら▲6六銀△8六歩▲同歩△7六歩▲同金△6五桂▲同桂△3九角▲3八飛△6六角成▲同銀△6五銀で、ソフトの評価値+278で互角。

この手順は後手が力づくで攻めるといった展開ですが、後手が攻めを継続できるかどうかという形です。

▲7七角以下△同角成▲同桂△4六歩なら▲6六角で、ソフトの評価値+1054で先手優勢。

この手順は4筋の歩を突き捨てて4七の地点に空間をあけて△4七角ですが、今度は▲6六角と先手が遠くから角を打つ手がありました。

後手は角でコビンを狙われる形が受けにくいようです。

そのような意味で角交換をしたら後手が少し無理気味でも動くような形になりそうで、かえって忙しくしたようです。

△4五歩では△6六歩がありました。

△6六歩▲同銀△4五歩で、ソフトの評価値+134で互角。

この手順は先に歩を取り込んで▲同銀とさせてから△4五歩と角道を開く手です。

ちょっと手順を変えることで角交換の形を先送りしたような感じで、後手は△6六歩と歩を取り込んだ形なので持ち駒に歩を入手したのが大きな違いです。

戦いを少し遅らせて相手の手を見ようという手です。

△4五歩に▲5七銀引なら△8八角成▲同玉△4六歩▲同歩△6六歩▲同銀△3九角▲3八飛△6六角成▲同金△同飛▲8四角で、ソフトの評価値+138で互角。

この手順は先手から角交換を挑んだ形で、後手も待つ手がないので動く展開でいい勝負のようです。

△4五歩に▲3七桂なら△4四角▲7五歩△6三金で、ソフトの評価値+155で互角。

このような戦いになると大駒の動きでなく小駒の小さな動きになるので、また違った展開になりそうです。

この後手の戦型は、組んでからの指し手がかなり難しいような印象です。

少し手順を変えて別の展開にするのが参考になった1局でした。

単調な攻めの形にしない

上図は、先後逆で先手矢倉に後手左美濃の相居飛車からの進展で▲9六歩と突いた局面。ソフトの評価値-4で互角。

後手番で左美濃の急戦模様はよく指すのですが、あまりうまくいったイメージがありません。

玉を最小限に囲ってからはどんどん攻めるという展開をイメージしているのですが、相手の方の受けが強いと簡単にはつぶれません。

この戦形を選択すると気持ちの中でどんどん攻めないといけないという変なプレッシャーがあって、手待ちをすることができません。

手待ちをしても効果が不明なのと、その間に相手にいい陣形で構えられる可能性もあるので少し無理気味に動くのですが、一旦攻めに入った駒を下がらずに手を繋げる必要があるので神経を使います。

相手の方が先手で矢倉に組んだ時の後手の作戦ががやや単調な感じがします。

実戦は▲9六歩以下△6二飛▲6八銀上△7三桂▲7九玉で以下変化手順で△6五歩▲同歩△9五歩▲2二角成△同玉▲9五歩△6五桂▲6六銀△3九角▲3八飛△6六角成▲同金△5七銀▲3九角で、ソフトの評価値+323で先手有利。

実戦の△6二飛は右四間飛車にする手で部分的にはありそうな形です。

6筋に駒を集めて△6五歩狙いですが、6六の地点は先手も角金銀の3枚が守っているのでかなり堅いです。

変化手順の△6五歩以下は後手から動く展開で、少し無理気味なところはありますが角と銀の交換から△5七銀と打ちました。

以下▲3九角とあまり見ない受け方ですが、局面が落ち着くと先手の方が指しやすくなります。

途中の変化では角交換をどちらがするかなどによって局面が変わってきますが、一旦攻めると手を戻すというのが難しいのがこの戦形の特徴です。

先手の攻めは飛車と角と桂馬で、銀があまり使えていないのでやや厚みのある攻めができていないようです。

△6二飛では△6三金がありました。

△6三金▲6八銀上△7三桂▲3六歩△6五歩▲同歩△7五歩で、ソフトの評価値+77で互角。

この手順の△6三金ですが、守りの金を攻めに使う形です。

△6三金型にすることで攻めに厚みが出る形です。

自分は左美濃や腰掛銀などでも金を右側の3段目に使うというのがなかなか浮かばないようで、金は守りにおいておきたいというのがあります。

そのため厚みのある攻めができないということですが、すべてを自分の理想通りに進めるというのは難しいようです。

たまたま最近10年位前の棋譜並べをしたのですが、後手番で左美濃からの急戦形で△6三金型に組んでいるのが2局ありました。

やはり厚みのない攻めでは難しいと思っているのかもしれません。

変化手順は後手が△6三金△7三桂△8二飛型から△6五歩と動きました。

後手の飛車は8筋に置いた方が将来△8六歩のような攻めがあるので、6筋より価値が高いようです。

また△6三金型なので後手の桂頭の補強になってます。

後手は△8二飛型なので△6五歩~△7五歩と定番の攻め方です。

この攻め方は角換わり腰掛銀などでもよく見られます。

△7五歩の局面だとつい右側だけ見がちなのですが、後手の左美濃は守り駒が金駒2枚になるので、逆に反撃を食らうというのも意識する必要があります。

△7五歩以下▲3五歩△7六歩▲2二角成△同玉▲3四歩△8六歩▲同歩△4四角で、ソフトの評価値+146で互角。

この手順の▲3五歩ですが、ここに手が入ると後手も嫌な形になります。

そのため数手前に先に▲3六歩と突いて▲7九玉を保留したようです。

△3五同歩では3四の地点に空間があくので指しにくい手です。

よって後手は△7六歩から動きますが、角交換をして△8六歩~△4四角で後手玉のコビンをケアしながら攻め手を探すようです。

将棋は互角のようですが、あまり単調な攻めの形にしないというのが大事なようです。

単調な攻めの形にしないのが参考になった1局でした。

乱戦にするなら歩を打つ前に考える

上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲2四同飛とした局面。ソフトの評価値+55で互角。

相掛かりで飛車先の歩の交換をするのはよくある形ですが、片方の飛車の利きが通っていて角交換になる形は技がかかりやすくなります。

正確に対応すれば互角のケースが多いのですが、ちょっとした形の違いで受けが利かなくなったりとか受け損なうと大きく形勢が悪くなります。

そのためそのような条件でないときに飛車先の歩を交換するのが無難ですが、将棋は無難な手ばかりを選択すると意外と手が伸びないこともあるのでそのあたりが難しいところです。

実戦は△2三歩▲2五飛で、ソフトの評価値+61で互角。

この手順はソフトの候補手にある普通の手ですが、形勢も互角でまだこれからの戦いになります。

ここではあまり見慣れない面白い指し方が2通りあったようです。

1つは、△2三歩では△8八角成▲同銀△2三歩▲2五飛△3三桂▲6六角△2五桂▲8四角△5五角で、ソフトの評価値-60で互角。

この手順は角交換をしてから△2三歩と打つ形で、手の流れからすると少し浮かびにくいです。

角交換をするとする側が1手損になるので普通はためらうことが多いです。

銀で攻められたときに受けやすくするために角交換をするというのはよくあるのですが、そうでないケースだと普通は1手損が大きくなります。

本局の変化手順は角交換をして△2三歩と打ちますが、先手は飛車の逃げ方が少し悩みます。

▲2八飛には△5五角、▲2六飛には△4四角が少し気になります。

後手が角交換をすると▲8八銀型になるのでこのような筋が生じます。

▲2七飛は直接的に角で狙われることはありませんが、一時的に位置が少し悪いので違和感があります。

よって▲2五飛としましたが、そこで△3三桂と跳ねます。

△3三桂に先手はまた飛車の逃げ場所が迷うので、▲6六角と先着します。

▲6六角は飛車取りですが、後手からの△4四角や△5五角のラインを消す意味もあります。

▲6六角以下は飛車を取り合う展開ですが、▲8四角に△5五角がよくある筋です。

横歩取りなどで、先手が▲3八銀型の場合に斜めのラインを狙う△5五角のようなイメージです

△5五角は直接的な狙いは△1九角成ですが、先手からの▲8二歩△9三桂▲8一歩成△同銀に▲7三角成を防ぐ意味もありそうです。

△5五角以下▲7七桂△1九角成▲6五桂△7二銀▲5三桂不成△7一金で、ソフトの評価値-142で互角。

この手順は、△1九角成を受けるのは難しいので▲7七桂からの桂馬の活用でいい勝負のようで、5三の地点を受けないというのが参考になります。

もう1つは、△2三歩では△8八角成▲同銀△3三角▲2一飛成△8八角成▲7五角で、ソフトの評価値+41で互角。

この手順は角交換から△3三角と打ちこむ手で、以下飛車と角が成り込みます。

△8八角成に△9三歩型の場合には▲9五角のような手があるのですが、その筋はありません。

△8八角成には▲7五角が急所のようです。

▲7五角に△8五飛なら▲8六歩△8九馬▲8五歩△7八馬▲5三角成で、ソフトの評価値+523で先手有利。

この手順の△8九馬で△7五飛なら▲8八金△7六飛▲7七金で、ソフトの評価値+483で先手有利。

これらの手順は後手の指し手が止まると先手有利のようです。

▲7五角に△8二飛なら▲8三歩△同飛▲8四歩△同飛▲同角△7八馬▲2四桂△4一金▲3二桂成△同銀▲1一龍で、ソフトの評価値+492で先手有利。

この手順の▲2四桂に△4一金の受けはよくでる手ですが、先手が少し指せているようです。

▲7五角に△2二馬なら▲3二龍△6九銀▲同玉△8九飛成▲7九金打△7八龍▲同金△3二馬で、ソフトの評価値+16で互角。

この手順の▲7五角に△2二馬がソフトの推奨手で、これで互角のようです。

これらの手順を見ると角交換から△3三角は有力だったようです。

乱戦にするなら歩を打つ前に考えるのが参考になった1局でした。

飛車先の歩を突いたときに技をかける

上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲2四歩と突いた局面。ソフトの評価値-41で互角。

自分は基本的に相掛かりは目指すつもりはないのですが、先手が▲2六歩と突いたときにうっかり△8四歩と突いてしまいました。

後手番の2手目は△3四歩と突くのがほとんどなのですが、ふらっと指したため△8四歩と突きました。

相掛かりは戦型の幅が広く、実戦不足だとどこに狙いを定めたらいいかが分かりにくくなかなか指せません。

ただし、相掛かりから横歩取りにように進むケースもあり、自分が指すならこのような意識で空中戦にもっていきたいと思っていました。

実戦は▲2四歩と突いてきたのですが、ここからの後手の指し方は少し大人しすぎたようです。

実戦は▲2四歩以下△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛で、ソフトの評価値+62で互角。

この手順は先手は2筋の歩を交換して△2三歩と打つ手ですが、▲2五飛と5段目に引いてきました。

部分的には全く普通の進行ですが、このような何気ないところでも後手は動く手があったようです。

△2四同歩では△8八角成がありました。

△8八角成▲同銀△5五角▲8五歩△同飛▲2五飛で、ソフトの評価値-130で互角。

この手順は角交換をしてから△5五角と打つ手で、部分的には△2八角成と△8八角成の両方を受けるのは難しいようにも見えます。

先手が▲3六歩と突いているので△5五角が生じたのですが、先手にもうまい受けがあって▲8五歩~▲2五飛とする受け方です。

相掛かりでは飛車先の歩を交換したときに技がかかりやすくなるのですが、その切り返しの受け方もあるようで手が広いです。

▲2五飛に後手は大人し指しても5五の角の働きが悪くなりますので、後手は踏み込みます。

▲2五飛以下△8八角成▲8五飛△7八馬▲2三歩成△同金で、ソフトの評価値-107で互角。

この手順は後手は△8八角成から踏み込む手で、飛車と金銀の交換の2枚替えになります。

普通は2枚を持っている方が駒得になるので有利になりやすいのですが、この局面においては互角のようです。

後手は△2三同金とやや形が崩れたのと、これ以上先手の駒が簡単に取れないので後手も指し方が難しいです。

単純に2枚替えになったからこれで指そうという発想もありなのですが、ここからの展開を調べてみます。

△2三同金に▲8二歩なら△9三桂▲8四飛△8三歩▲9四飛△8四金で、ソフトの評価値-1144で後手優勢。

この手順はうまくいきすぎですが、▲8二歩には△9三桂が飛車取りになります。

先手は8筋から飛車が逃げると将来△8九馬と桂馬を取られますので▲8四飛としましたが、△8三歩から飛車を取る形で後手優勢のようです。

△2三同金に▲8三歩なら△8四歩▲4五飛△5四銀▲2五飛△2四歩▲2七飛△8三銀で、ソフトの評価値-578で後手有利。

この手順の▲8三歩に△9三桂は▲4五飛成で、▲8二歩成と▲4三飛成が残ります。

よって▲8三歩には△8四歩と打って▲同飛なら△7四金で飛車を取る狙いがあります。

▲4五飛には△5四銀~△2四歩~△8三銀で後手が指せているようです。

△2三同金に▲8二飛成なら△8三銀打▲4八玉△9二金で、ソフトの評価値-171で互角。

ソフトは▲8二飛成を推奨していました。

この手順は▲8二飛成の空成りには△8三銀打が見えづらいです。

後手は△9二金と打って龍を取れる形にすれば△6八飛から詰みというイメージです。

先手も玉を早逃げするのと、後手は飛車を取れる形でも金駒を自陣に2枚打つことで攻めの戦力が少なくなったので互角のようです。

これらの手順を見ると角交換から後手が動くのはあったようです。

飛車先の歩を突いたときに技をかけるのが参考になった1局でした。

筋違い角の対抗策

上図は、先後逆で先手角交換振り飛車からの進展で▲6九角と引いた局面。ソフトの評価値-249で互角。

7八の角が▲6九角と引いた形です。

先手は1手損ながらも筋違い角からの振り飛車にしてきました。

筋違い角はたまに見られる手ですがほとんど指されないような戦型で、筋違い角から居飛車で指すか振り飛車で指すかの両方の選択になります。

そのため筋違い角を選択する側は、作戦の幅が広く研究しやすいのかもしれません。

一方の筋違い角を受ける側もいくつかの対抗策があります。

昔からよくあるのは先手が筋違い角に対して、後手は△5五歩~△5四銀で5筋の位を取る指し方です。

この形になれば後手も手厚いのですが、手数がかかるので一長一短です。

また別の指し方で△5四銀~△4五歩と4筋の位を取る指し方もあります。

後手は△5四銀と腰掛銀にして4五の歩にひもをつける形です。

また別の指し方では、後手は金駒を4筋から5筋に繰り出して相手の駒組みを抑える指し方です。

先手は1歩得ですが筋違い角が使いづらいのに対して、後手は手得を主張する指し方です。

先手は角の移動が多く、金駒の移動が少なくなりがちなので手損になりやすいです。

また少ないのですが全く別の指し方では、後手は振り飛車にするというの見たことがあります。

3四の地点の歩を取られるので、その歩は捌きに使ったという解釈で振り飛車にするというケースです。

自分は金駒を繰り出す作戦にしました。

実戦は△6五歩▲3六角△3五銀▲5四角△同歩▲5五歩△同歩▲同飛△4四銀▲5九飛△5三歩で、ソフトの評価値-156で互角。

この手順の△6五歩ですが、後手はこれ以上玉を整備するのが難しいので動いていきました。

以下先手は▲3六角と動いてきましたが、この手は見えていませんでした。

先手の▲6九角は▲3六角から動く狙いだったのですが、△3五銀で角取りになるので最初はありがたいと思っていました。

以下角と銀の交換から5筋から先手が動いて、以下△5三歩と抑えてどうかという形です。

対局中は、後手が△5三歩と打って傷を消した形はだいぶ後手がよくなったと思っていたのですが、意外とそうでもなく互角だったようです。

△5三歩には▲6四銀と打つ手があったようで以下△6二金▲6五歩で、ソフトの評価値-204で互角。

後手はどこかで△8六歩~△6五桂で桂馬を跳ねて歩切れを解消して飛車を活用する展開を目指すと思いますが、先手陣は低い形でしっかりしているのに対して後手玉は薄いのでいい勝負のようです。

なお最初の局面図で△6五歩はソフトの候補手に上がっていませんでした。

△6五歩では△1四歩がありました。

△1四歩▲1六歩△3三桂で、ソフトの評価値-167で互角。

この手順は1筋の歩を突き合ってから△3三桂と跳ねる手です。

この後手の指し方は自分にとってかなり難易度が高いです。

まず1筋の歩を突くと、将来先手の持ち駒に歩が2枚あると▲1五歩△同歩▲1三歩△同香▲1四歩のような手が生じます。

さらに後手は△3三桂と跳ねることで1筋は弱体化しています。

後手としては1筋は、焦土作戦でも仕方ないということかもしれません。

先手が1筋から動くというのは少しリスクが高いので動きづらいというのはあります。

後手の△3三桂は、受けというよりむしろ将来攻めに使いたい桂馬のようです。

後手はバランス型の駒組みなので、盤面全体を使って駒を活用したいようです。

△3三桂以下▲5八角△3一玉▲4七銀△6五歩で、ソフトの評価値-223で互角。

この手順の▲5八角に△3一玉も自分は指しにくい手かと思ったのですが、▲4七銀に△6五歩と動くようです。

後手玉の配置がどれがベストの状態で仕掛けるのかが分かりにくい形ですが、△4二玉型か△3一玉型のようです。

筋違い角の対抗策が参考になった1局でした。

大駒を受けに使う

上図は、先後逆で先手5筋位取り中飛車に後手超速△7三銀型からの進展で▲7三角成とした局面。ソフトの評価値-407で後手有利。

先手が飛車と銀の交換から▲7三角成とした形で、飛車取りなので後手は飛車を逃げることになります。

後手にとって嫌なのは飛車をいじめられる形で、飛車を取られてその飛車を打ち込まれるのが舟囲いに厳しいです。

振り飛車が穴熊で飛車を打ち込んで舟囲いを攻めるというのは、振り飛車にとって理想的な形です。

そのため舟囲いの居飛車はできるだけ飛車を渡さないような形にすることが多いです。

本局は▲7三角成に△8一飛と引いたのですが、あまりこの手はよくなかったようです。

△8一飛に▲7二銀なら△5七桂成▲8一銀不成△8九飛▲7九飛△同飛成▲同金△5九飛▲6九飛△5八飛成で、ソフトの評価値-840で後手優勢。

この手順はうっかりしやすいのですが、▲7二銀はいい手ではなく△5七桂成と飛車を見捨てる手がありました。

自分はすぐに▲7二銀のような手が目につくのですが、△5七桂成~△8九飛に6九の金が受けづらいです。

▲7九歩と打てればいいのですが2歩なので打てません。

よって▲7九飛から自陣飛車の受けですが、△同飛成~△5九飛と今度は反対から打つ手がありました。

以下▲6九飛に△5八飛成で次に△4八成桂が狙いで後手優勢です。

△8一飛にソフトは▲6五桂△同歩▲5五銀で、ソフトの評価値-49で互角。

この手順は▲6五桂~▲5五銀で盤上の銀と桂馬を活用する手です。

盤上に離れて残った駒は遊び駒になりやすいのですが、特に7七の桂馬を活用して持ち駒にするのは本筋の指し方のようです。

この後手の形がいまひとつなのは△3二玉型と△8一飛型の組み合わせがよくなく、後手玉の4三の地点のコビンがあくと▲5四角のような筋があります。

また将来5筋に▲5三歩~▲5四歩と歩を連打して、▲6三馬のように後手の飛車をいじめつつ攻めることもありそうです。

この場合の後手の1段飛車は逆に狙われやすい形になっているようです。

最近の将棋は1段飛車が受けによく利いているので目指す駒組みの1つですが、接近戦の飛車は狙われやすいので注意が必要でした。

△8一飛では△9二飛がありました。

△9二飛▲6五桂△同歩▲5五銀で、ソフトの評価値-309で後手有利。

この手順は△9二飛と2段飛車で逃げる形で、9一の香車にひもがついているのでただでは取られない形です。

遠くから2段目に受けを利かす飛車で、8一の飛車より安定性があるようです。

先手は▲6五桂~▲5五銀と捌いてきますが、この局面からの展開が気になります。

▲5五銀以下△同銀▲同馬△4四銀▲6五馬△5七角成▲4八銀△8四馬で、ソフトの評価値-215で互角。

この手順は▲5五銀には銀交換から△4四銀と金駒を埋める形です。

▲6五馬で次に先手から▲5六桂と後手玉のコビンを攻める狙いで、△5七角成が地味ながら価値の高い手のようです。

後手からいつでも△3九馬▲同銀△4九飛のような攻めがあります。

▲4八銀は金駒を埋める受けでこれが馬取りになるので△5七角成が少し指しづらいという意味があったのですが、△8四馬と玉と反対側に引くのが盲点です。

馬は玉の近くにという発想が自然なのですが、△8四馬で▲7四馬を防ぎつつ穴熊に攻め合いの形も含みにしているのが興味深いです。

先手からは▲5六桂で後手からも将来△5六桂を狙う形です。

この居飛車の指し手を見ても分かるのですが、ある程度受けの力がないとなかなか指しこなすのは大変なようです。

このようなところも力をつけていきたいです。

大駒を受けに使うのが参考になった1局でした。