攻めの銀を捌く

上図は、後手三間飛車に対して先手居飛車穴熊からの進展で、先手が▲2四歩の突き捨てに△同歩とした局面。ソフトの評価値+350で先手有利。

対局中は後手の銀冠に対して先手は穴熊なので、少し固いので指しやすそうですが、先手有利までは思っていませんでした。

本譜は以下、▲2二歩△同飛▲3四飛△3三歩▲3六飛で、ソフトの評価値+192で互角。

先手は細かい攻めをしていますが、いまひとつはっきりしません。

△2四同歩に対しては2通りの攻め方がありました。

1つは、▲2二歩△同飛▲4五銀で、ソフトの評価値+314で先手有利。

▲2二歩に△同飛とさせて先手の角のラインに間接的に入れることで、▲4五銀とぶつけます。

本来、4五の地点には桂馬でいけたほうがいいのですが、銀を捌こうとする狙いです。

▲4五銀以下、△5六歩▲5四銀△同金▲5六飛△5五歩▲5九飛で、ソフトの評価値+305で先手有利。

先手は銀を捌いて△5五歩にはじっと▲5九飛とします。

△4八銀が少し気になりますが▲5五飛で、ソフトの評価値+314で先手有利。

もう1つは、△2四同歩に▲5五銀で、ソフトの評価値+254で互角。

▲5五銀以下、△同銀▲同角△5二飛▲5六飛で、ソフトの評価値+283で互角。

▲5六飛は角に隠れて少し回りづらいですが、次の狙いは▲6四角△同金▲5二飛成です。

また▲6一銀の割り打ちの銀の狙いもあります。

▲5六飛に△5四飛なら、▲4三銀△5三飛▲5二銀成△同飛▲6四角△同金▲5二飛成で、ソフトの評価値+403で先手有利。

この手順は少しトリッキーですが、先手銀損から後手の飛車をすぬいて飛車が成れて指せるみたいです。

どちらの手順も▲4六銀を捌いて△5四銀を交換して、持ち駒にする狙いです。

▲4六銀より△5四銀の方が働いているので、先手は銀を捌きたい感覚です。

攻めの銀を捌くのが参考になった1局でした。