自陣の2段目に歩を打って辛抱

上図は、後手横歩取りの対して先手青野流から飛車を8筋に回した進展で、後手が3六の飛車を△3四飛とした局面。ソフトの評価値+76で互角。

対局中はいつでも後手が△2七歩成から△3八角の筋があるので、先手少し指しにくいかと思っていました。

本譜は以下、▲8三歩△7二金▲5六角△2四飛で、ソフトの評価値-21で互角。

▲8三歩に手堅く△7二金とされました。

△7二金にはよほど▲8二歩成△同銀▲8三歩△同銀▲5六角としようかと思ったのですが、△2七歩成▲同金△8四飛で踏み込めませんでした。

後から見ればここから▲8三角成のような手もありますが、先手は▲2七金が離れているので反動がきつそうです。

△2四飛まで進むと先手の▲5六角の働きがいまひとつのような展開です。

▲5六角では▲2八歩があったようです。ソフトの評価値+99で互角。

▲2八歩は△2七歩成▲同金と金の形を崩される前に受けた手です。

将棋で自陣の2段目に歩を打つのはあまり形が良くないというのにこだわると、この手は指しにくいかもしれません。

▲2八歩以下、△7二金▲6八銀△3三桂▲8五飛で、ソフトの評価値+110で互角。

この展開は△3三桂は△4五桂と跳ねる狙いですが、▲8五飛と中段飛車にして△4五桂を防ぎます。

△3三桂と跳ねると、△3四飛の形には▲5六角△2四飛▲3四歩のように桂馬の頭を狙います。

これも難しい戦いですが、本譜の▲5六角と早めに角を使った展開よりはるかに良かったです。

自陣の2段目に歩を打って辛抱する指し方が参考になった1局でした。

形にとらわれない▲6六金

上図は、後手が横歩取り△4五角からの進展で△5五桂と打った局面。ソフトの評価値+804で先手優勢。

この進行は、△4五角に▲2四飛に△2三歩と打つところを△6七角成としたので、定跡からは外れています。

横歩取り△4五角戦法で定跡から外れた進行は、一般的にはどちらかに形勢が傾いているのが多いですが、本局もそのような感じです。

ただし、実戦的には後手に飛車を成られて先手玉は薄いので、そこから正確に指すのはかなり難しいです。

本譜は△5五桂以下▲6八金△6七銀▲5八金寄で、ソフトの評価値+435で先手有利。

同一局面かどうか不明ですが、△5五桂に▲6八金~▲5八金寄は何かの本で見た筋で、これで先手良しとあったと思っていたのですが、ソフトの評価値を見るとだいぶ下がっているのが意外でした。

▲5八金寄に△7八龍で▲9六角なら、△5八龍▲同金△4七桂成などあるので油断できません。

△7八龍には▲4五角のような感じで先手が指せているようですが、最初の△5五桂には別の指し方があったようです。

▲6八金で▲6六金でソフトの評価値+774で先手有利。

普通、守りの金は2段目くらいまでにいるのがいいというのが一般的な感覚ですが、4段目に上がって受けるのはこの戦型で初めて見ました。

▲6六金は次に▲5五金を見ていますが、△4七桂成が気になります。

△4七桂成▲5六角△9九龍▲4七角で、ソフトの評価値+731で先手有利。

この手順は、▲5六角~▲4七角と受ける手順ですが、後手も△9九龍と香車を取ってそれを使うのが気になります。

▲4七角に△4四香なら▲4五歩△同香▲4六歩△同香▲2四角で、ソフトの評価値+1486で先手優勢。

この手順は、王手で香車を抜けるので先手優勢です。

▲4七角に△6四香なら▲2四桂△6六香▲3二桂成△6九香成▲4八玉で、ソフトの評価値+2336で先手勝勢。

この手順は、△6四香に一転▲2四桂と攻める手で、以下駒の取り合いも▲4八玉と逃げて先手勝勢です。

形にとらわれない▲6六金が参考になった1局でした。