じっと飛車を引いて指す

上図は後手振り飛車に対して先手居飛車穴熊からの進展で、後手が△3三同角とと金を取った局面。ソフトの評価値+576で先手有利。

先手は穴熊で角と銀桂馬の2枚替えの駒得で、持ち歩も多いので少しいいかと思っていたのですが、本譜の手順はだいぶ危険でした。

本譜は以下、▲2五飛△同飛▲同桂△8八馬▲同金上△同角成▲同金△7九銀で、ソフトの評価値-91で互角。

先手は▲2五飛から飛車を捌いたのですが、後手が2枚の角を切って△7九銀とした形は先手玉が急に薄くなった感じです。

以下、▲7七銀打△8五歩でソフトの評価値-388で後手有利。

▲7七銀打では▲3三角と遠くから受けに効かすべきでしたが、△3八飛で先手大変です。

最初の△3三同角の局面では▲2五飛か▲3三同飛成のどちらかと思っていたのですが、別の手がありました。

▲2五飛では▲3七飛の方が良かったようです。

▲3七飛△3五歩▲6七飛で、ソフトの評価値+436で先手有利。

このタイミングで▲3七飛と大駒の交換を避ける筋というのは、全く浮かびませんでした。

▲3七飛のままだと後手の角が狙われやすいので△3五歩としますが、そこで▲6七飛と回ります。

この手もなかなか見えない手で、後手が歩切れなのが大きいようです。

次に▲6四歩の狙いがあるので、後手は△4二角と受けますが▲4五歩△同馬▲6四歩△同金▲4三歩で、ソフトの評価値+720で先手有利。

歩を使った細かい攻めができれば、先手指せそうです。

最初に戻って▲2五飛か▲3三同飛成か▲3七飛は、早指しだと指運みたいなところはありますが、それでも感覚的に正確に指せるようになりたいです。

じっと飛車を引いて指す▲3七飛が参考になった1局でした。

大駒の活用は大きい

上図は、相居飛車の将棋で後手が△6五桂と打った局面。ソフトの評価値+592で先手有利。

先手は銀と桂馬の交換で駒得で、玉の固さも先手が固く後手の2三の金の形がくずれているので先手有利です。

ただし、後手の△6五桂もいやな筋で銀が逃げても△7七歩の叩きがあります。

本譜は以下、▲5四歩△7七桂成▲同金右△6五桂で、ソフトの評価値+396で先手有利。

先手は▲5四歩と歩を取り込みましたが、それほど厳しい手ではなく、後手は△7七桂成から△6五桂と桂馬のおかわりの手です。

この局面も先手有利ですが、先手の9七の角が働いていないのがもったいないです。

▲5四歩では▲8五歩があったようです。ソフトの評価値+572で先手有利。

▲8五歩は見えていたのですが、△7四飛でどうかと思って指せなかったです。

後手玉が角のラインに入っており、4五に桂馬がいて持ち駒に銀があれば、大駒の活用の▲8五歩が自然でした。

▲8五歩に△7四飛なら、▲7六銀△7五歩▲8七銀で、ソフトの評価値+573で先手有利。

手順の△7五歩に▲8七銀が見えておらず、8七の歩の拠点を取れば先手さらに安全です。

手順の▲8七銀では▲6五銀△同桂▲5七桂もあったようです。

△7五歩で△7七歩は▲8七金で、ソフトの評価値+706で先手有利。

大駒を活用する▲8五歩が参考になった1局でした。

右玉にも▲5六角

上図は、角換りから後手右玉の進展で後手が△4四銀とした局面。ソフトの評価値+266で互角。

ここは作戦の岐路ですが、本譜は以下、▲6七金左△7三桂▲7八玉△8一飛▲2九飛△5五銀▲5六歩△4四銀▲4五歩△5三銀で、ソフトの評価値+48で互角。

対局中は、後手の右玉に▲8八銀~▲7七桂~▲9八香~▲9九飛の地下鉄飛車の予定ですが、後手の駒組みをあまり見ないまま余裕を持って指していない感じです。

以下▲8八銀△4一飛で、ソフトの評価値+21で互角。

先手は▲8八銀としましたが一時的に壁銀で、後手が△4一飛と4筋で戦いを起こそうとしているので、少し先手面白くなさそうです。

▲6七金左では▲2四歩があったようです。

▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2九飛△3三桂▲5六角で、ソフトの評価値+521で先手有利。

▲6七金左では平凡に▲2四歩から2筋の歩を交換して良かったようです。

▲2四同飛の瞬間に後手に技が掛かりそうなときもありますが、この場合はなさそうです。

後手は△2三歩から△3三桂で、△7三桂~△8一飛~△2一飛からの2筋の逆襲を狙う筋がありますが、▲5六角と打ちます。

▲5六角と打つ筋は、対角交換振り飛車でたまに見ますが、この戦型では初めて見ました。

▲5六角があると△3三桂はタイミングが早く別の手を指すべきですが、うっかりしやすい筋だとも言えます。

▲5六角に△7三桂なら、▲3四角で次の▲2三角成が受けづらく、ソフトの評価値+586で先手有利。

▲5六角に△6五歩なら、▲3四角△6六歩▲同銀で、ソフトの評価値+445で先手有利。

この手順は6筋にあやができて先手もいやな形ですが、いつでも▲2三角成から2筋を突破する狙いがあるます。

右玉にも▲5六角から桂馬の頭を狙うのが参考になった1局でした。

歩を使った細かい攻め

上図は、後手三間飛車に対して先手居飛車穴熊からの進展で後手が△3三桂とした局面。ソフトの評価値+119で互角。

先手の金と銀が左側に固まっているので、攻め駒が少ないのが穴熊を指すときに難しいところです。

攻めがうまく繋がれば固さが活きるのですが、攻めが繋がらないと姿焼きになる可能性もあります。

本譜は以下、▲5九角△2二飛▲6八角△5三角▲7七角△4二角で、ソフトの評価値+228で互角。

互角で悪くはなっていませんが、先手は戦いをうまく起こすことはできません。

▲5九角では▲3六歩がありました。

▲3六歩△同歩▲同飛△3五歩▲2六飛で、ソフトの評価値+234で互角。

先手は▲3六歩から歩を合わせてから飛車を2六に移動します。

次の狙いは▲2四歩からの飛車の捌きです。

▲2六飛以下、△2二飛▲3二歩で、ソフトの評価値+265で互角。

▲2六飛に後手は△2二飛で受けますが、そこで▲3二歩が手筋の1手です。

次に▲3一歩成△同角▲3三角成の願いがあります。

△3二同飛なら▲2四歩です。

▲3二歩に△2一飛と受けても、▲2四歩△同歩▲3一歩成△同飛▲2四飛の狙いがあります。

上の手順で▲2四歩に△2五銀は▲2八飛△2四歩▲1七桂△3四銀▲3一歩成△同飛▲2四飛があります。

穴熊にするなら、歩を細かく使った手で繋げていきたいです。

できれば桂馬も攻めに働く展開にしたいです。

歩を使った細かい攻めが参考になった1局でした。

守りの金は極力取らせない

上図は、後手横歩取りに対して先手青野流からの進展で後手が△3八銀と打った局面。ソフトの評価値-139で互角。

先手は飛車と銀の交換で駒得も、歩切れで4七の金が逃げると△1四角の王手の筋に歩の合い駒がありませんので、結構大変です。

本譜は以下、▲5五角△1四角▲3七飛△4七銀成▲同飛△8三歩で、ソフトの評価値-1174で後手優勢。

先手は4七の金を逃げずに▲5五角と打って▲8二角成と▲1一角成を狙いますが、△1四角に▲3七飛からで角のラインで飛車をくぎづけにして、△8三歩で後手優勢です。

対局中は△8三歩が見えておらず、これではっきり先手悪いです。

△8三歩に▲1一角成だと△4六金で、ソフトの評価値-1516で後手優勢。

▲5五角では▲4八金がありました。ソフトの評価値-121で互角。

▲4八金は少し考えていたのですが、△1四角から△2九銀成でも先手悪いと思って指せませんでした。

▲4八金に△1四角なら、▲5七玉△2九銀成▲5五角△7三桂▲1一角成△3三桂で、ソフトの評価値-258で互角。

この手順も互角とはいえ先手苦しそうですが、本譜の進行に比べるとはるかにいいです。

やはり守りの金を取られるのは良くないという前提から考えないといけなかったかもしれません。

△3八銀に▲4八金で何とか粘る手順はないかと考えるということです。

守りの金は極力取らせないというのが大事と分かった1局でした。

駒を繰り替えて辛抱する

上図は、先手居飛車後手四間飛車からの進展で、後手が△7三桂と跳ねた局面。ソフトの評価値+8で互角。

対局中は、先手の駒組が良くないと思いながら指していましたが、将棋は良くないと思っても前に戻ることはできません。

本譜は以下、▲1六歩△6四銀▲4五桂△同桂▲同歩△8五歩で、ソフトの評価値-50で互角。

先手は形を決めるのはどうかと思い、▲1六歩と様子見をしました。

後手の△6四銀とした手に対して、▲4五桂と桂馬を捌きにいったのですが、これが良くなかったようです。

桂馬の交換をして後手が△8五歩と位と取ったのが味が良すぎます。

将来的に△8四桂と打って△7五歩から玉頭を制圧する狙いです。

△8五歩では△8五桂のような筋を考える傾向があって、△8五歩は全く見えてなかったです。

位を取って手をためるというのが見えてくると、読みも広がってきそうです。

▲1六歩では▲6八銀があったようです。

▲6八銀△6二銀▲6七銀△4四歩▲7七桂△6四歩▲8六歩で、ソフトの評価値+55で互角。

▲6八銀は、▲6六歩~▲6七銀~▲7七桂と駒組を変える手ですが、形を崩すような感覚もあります。

この進行は、最後の▲8六歩で後手に位を取らせる展開にしない意味もありますが、バランス感覚が問われそうです。

先手は桂馬の交換をせずじっと駒組みをして、歩が入れば▲3五歩のような感じです。

ただし、明確な狙いがある駒組でないので、難しい指し方ではあります。

元々の局面があまりいい駒組でなかったので、これくらいは辛抱しないといけないかもしれません。

駒を繰り替えて辛抱する指し方が参考になった1局でした。

▲6六銀から▲2四歩の狙い

上図は、後手三間飛車に対して先手居飛車穴熊からの変化手順で▲6六銀と上がった局面。ソフトの評価値+302で先手有利。

実戦ではこのようにならなかったので変化手順です。

先手の▲6六銀と上がる形は1つの理想形ではありますが、ここからどのように手を広げていくのかが気になっていました。

▲6六銀に△4二角なら、▲2四歩△同歩▲同角で、ソフトの評価値+399で先手有利。

△4二角は次に△6五歩▲7七銀△6四角を狙った手ですが、その前に▲2四歩と仕掛けます。

部分的に2筋は破られそうな形ですが、▲2四角には後手は△2二飛と回る筋があります。

△2二飛▲4二角成△2八飛成▲4三馬△3八飛▲5二銀で、ソフトの評価値+283で互角。

△2二飛に▲4二角成は△2八飛成と飛車を取られる形なので躊躇しがちですが、強気に指します。

後手は△3八飛と打って、取れる2九の桂馬と1九の香車は後回しにします。

次の△7八飛成が受けにくい形ですが、強気の▲5二銀が打ちにくいです。

あまりこういう展開は見たことありません。

▲5二銀に△7八飛成なら、▲6三銀成△同金▲7八金△同龍▲6一飛で、ソフトの評価値+1477で先手優勢。

▲5二銀に△6二金引なら、▲6一銀成△6三金直▲5二馬△8五桂▲6三馬△同金▲7一角△7三玉▲5三金△同金▲6二角成△8二玉▲5三馬で、ソフトの評価値+1731で先手優勢。

なかなか厳しい手順で穴熊らしい指し手だと思います。

居飛車穴熊の▲6六銀から▲2四歩の狙いが分かった1局でした。

自陣の2段目に歩を打って辛抱

上図は、後手横歩取りの対して先手青野流から飛車を8筋に回した進展で、後手が3六の飛車を△3四飛とした局面。ソフトの評価値+76で互角。

対局中はいつでも後手が△2七歩成から△3八角の筋があるので、先手少し指しにくいかと思っていました。

本譜は以下、▲8三歩△7二金▲5六角△2四飛で、ソフトの評価値-21で互角。

▲8三歩に手堅く△7二金とされました。

△7二金にはよほど▲8二歩成△同銀▲8三歩△同銀▲5六角としようかと思ったのですが、△2七歩成▲同金△8四飛で踏み込めませんでした。

後から見ればここから▲8三角成のような手もありますが、先手は▲2七金が離れているので反動がきつそうです。

△2四飛まで進むと先手の▲5六角の働きがいまひとつのような展開です。

▲5六角では▲2八歩があったようです。ソフトの評価値+99で互角。

▲2八歩は△2七歩成▲同金と金の形を崩される前に受けた手です。

将棋で自陣の2段目に歩を打つのはあまり形が良くないというのにこだわると、この手は指しにくいかもしれません。

▲2八歩以下、△7二金▲6八銀△3三桂▲8五飛で、ソフトの評価値+110で互角。

この展開は△3三桂は△4五桂と跳ねる狙いですが、▲8五飛と中段飛車にして△4五桂を防ぎます。

△3三桂と跳ねると、△3四飛の形には▲5六角△2四飛▲3四歩のように桂馬の頭を狙います。

これも難しい戦いですが、本譜の▲5六角と早めに角を使った展開よりはるかに良かったです。

自陣の2段目に歩を打って辛抱する指し方が参考になった1局でした。

形にとらわれない▲6六金

上図は、後手が横歩取り△4五角からの進展で△5五桂と打った局面。ソフトの評価値+804で先手優勢。

この進行は、△4五角に▲2四飛に△2三歩と打つところを△6七角成としたので、定跡からは外れています。

横歩取り△4五角戦法で定跡から外れた進行は、一般的にはどちらかに形勢が傾いているのが多いですが、本局もそのような感じです。

ただし、実戦的には後手に飛車を成られて先手玉は薄いので、そこから正確に指すのはかなり難しいです。

本譜は△5五桂以下▲6八金△6七銀▲5八金寄で、ソフトの評価値+435で先手有利。

同一局面かどうか不明ですが、△5五桂に▲6八金~▲5八金寄は何かの本で見た筋で、これで先手良しとあったと思っていたのですが、ソフトの評価値を見るとだいぶ下がっているのが意外でした。

▲5八金寄に△7八龍で▲9六角なら、△5八龍▲同金△4七桂成などあるので油断できません。

△7八龍には▲4五角のような感じで先手が指せているようですが、最初の△5五桂には別の指し方があったようです。

▲6八金で▲6六金でソフトの評価値+774で先手有利。

普通、守りの金は2段目くらいまでにいるのがいいというのが一般的な感覚ですが、4段目に上がって受けるのはこの戦型で初めて見ました。

▲6六金は次に▲5五金を見ていますが、△4七桂成が気になります。

△4七桂成▲5六角△9九龍▲4七角で、ソフトの評価値+731で先手有利。

この手順は、▲5六角~▲4七角と受ける手順ですが、後手も△9九龍と香車を取ってそれを使うのが気になります。

▲4七角に△4四香なら▲4五歩△同香▲4六歩△同香▲2四角で、ソフトの評価値+1486で先手優勢。

この手順は、王手で香車を抜けるので先手優勢です。

▲4七角に△6四香なら▲2四桂△6六香▲3二桂成△6九香成▲4八玉で、ソフトの評価値+2336で先手勝勢。

この手順は、△6四香に一転▲2四桂と攻める手で、以下駒の取り合いも▲4八玉と逃げて先手勝勢です。

形にとらわれない▲6六金が参考になった1局でした。

角交換には5筋を突くな

上図は、先手居飛車に対して後手四間飛車で後手が△3三角と上がった局面。ソフトの評価値+124で互角。

後手が角道を止めない振り飛車にしたので、どこかで後手から角交換するか、△3三角と上がるかと思っていましたが、ここで△3三角で先手の対応が悩みました。

対局中は、角交換してもいいですが、先手が▲5六歩と▲5八金と上がっているので、後手から△3九角という筋が気になります。

実戦では、その筋は気になるものもそれを防ぎながら手を進めるしかないかという感覚で、▲3三同角成としました。

その後、数手進んで△7四歩で、ソフトの評価値+28で互角。

先手は▲5六歩▲4六歩▲4七銀の組み合わせの駒組みにしましたが、△3九角の筋があるので、▲6六歩も必要となります。

この局面だったら▲5六歩は突いていない方が将来▲5六銀と出ることができるので、駒組みしやすいです。

どうも先手の駒組はあまりうまく行っていない感じです。

▲3三同角成では▲6六歩があったようです。ソフトの評価値+136で互角。

先手は角交換を避けて駒組みを進める指し方です。

先手は後手の駒組みを見ながら指す感じで、美濃囲いにするかミレミアムにするか穴熊にするかという感じです。

こちらの方が手が広いように思います。

角交換には5筋を突くなというのが参考になった1局でした。