歩を突いて歩の補充を図る

上図は、角換りからの進展で△4六銀と5五の銀が歩を取った局面。ソフトの評価値+232で先手有利。

対局中は、少し指しやすいとは思っていましたが、ここから具体的にどのような方針で指すかがさっぱり分かりませんでした。

本譜は▲4五銀△5五銀▲8八玉△3三歩で、ソフトの評価値+213で互角。

この手順の▲4五銀は特に狙いはなく、△4四歩とされてから△3三歩と打たれると先手が駒損になるため引きました。

以下の進行で互角だったようですが、ここでは別の指し方があったようです。

▲4五銀では▲7五歩がありました。

▲7五歩△6三角で、ソフトの評価値+451で先手有利。

▲7五歩があったようで少しは考えてはいたのですが、△6三角と辛抱されると手が続かないと思って指せなかったです。

なお、△6三角で△7五同歩は▲7四歩で、ソフトの評価値+681で先手有利。

よって後手は△6三角ですが、この局面が先手有利なのは気が付きませんでした。

△6三角▲5六角で、ソフトの評価値+364で互角。

▲5六角は次に▲7四歩と取り込む狙いですが、後手は△6五歩と先手の角のラインを止めます。

▲5六角△6五歩▲1五歩△同歩▲1二歩△同香▲7四歩△同角▲1三歩で、ソフトの評価値+341で先手有利。

この手順は、1筋の歩を突き捨てて2五の桂馬と1筋の香車の活用を図ります。

後手は△1五同歩とおだやかに指しましたが、▲1二歩と叩いてから7筋の歩を突いた効果で▲7四歩と取れるのが大きいです。

1歩と取ってから▲1三歩がなかなかのうるさい手です。

▲5六角△6五歩▲1五歩に△3三歩なら、▲同桂成△同銀▲同銀成△同金▲6四銀△3六角▲7三銀不成△8三飛▲3七歩△8一角▲6四桂で、ソフトの評価値+542で先手有利。

この手順は、▲1五歩に△3三歩と催促したのですが、▲同桂成から先に桂損ですが、▲6四銀から桂馬を取り返して先手も指せるようです。

歩を突いて歩の補充を図るのが参考になった1局でした。