穴熊には金が攻めにも受けにも貴重な駒


上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△5二香と打った局面。ソフトの評価値+696で先手有利。

相穴熊でお互いの玉がやや薄い形で、珍しく駒の損得がない局面です。

しかしここで貴重な先手の手番なので先手が少し指せているようです。

先手は7二の銀と4四の馬が働いており、ここで後手玉に直接迫ることもできますがここからの数手は少しおかしかったです。

実戦は▲7一金△7二金▲同金△7六桂で、ソフトの評価値-290で互角。

この手順は▲7一金と詰めろをかける手で後手は△7二金としますが、▲同金の形が後手玉は王手は続きますが詰めろになっていません。

よってこの瞬間に△7六桂を打つと次に△8八銀からの詰めろになっており、桂馬の駒の特性を生かしています。。

実戦は△7六桂に▲7九銀と受けましたが、△6九銀と引っかける手が間に合ってきました。

△6九銀には▲7一馬と詰めろをかけて際どいところはあるのですが、△8二金と打たれると意外と後手玉が寄りそうで寄りません。

△6九銀というのは△7八銀成とする狙いもありますが、駒がたくさん入れば△7七角と打って▲同桂なら△8九金から詰ますような狙いもあります。

△7七角に▲同金なら8八から駒を打って清算するような筋です。

このような忙しい展開になったのは▲7一金と打ったためだと思います。

▲7一金では▲6一銀不成がありました。

▲6一銀不成△7六桂▲7九金打で、ソフトの評価値+1690で先手優勢。

この手順は▲6一銀不成と金を取る手ですが、銀が後手玉と反対側にいって詰めろでもないので一目ぬるいような気もします。

後手はこの瞬間に△7六桂と打って△8八銀からの詰めろを狙いますが、ここで▲7九金打とします。

この▲7九金と打つ形が予想以上にしっかりしている感じで、これで先手玉には有効な詰めろがかかりません。

▲7九金打以下△7七歩▲7二銀打△8二金▲7一金で、ソフトの評価値+99973で先手勝勢。

この手順の△7七歩は詰めろではないので、▲7二銀打が次に▲8一銀成△同玉▲7一馬△同玉▲7二金の詰めろとなりこの手が間に合います。

△8二金の受けには▲7一金と駒を足せば、同じような狙いで後手玉は受けなしです。

ただしここで注意なのが△7七歩に▲同桂とすると△5六角が次に、△8八銀▲同金寄△同桂成▲同金△8九金▲同金△同角成▲同玉△7九金▲同玉△7七龍以下即詰みになるので、受けすぎるとかえって詰めろがかかります。

△5六角には▲8九金打として詰めろを受けても、今度は後手玉への攻め駒が不足しますので、ソフトの評価値-629で後手有利。

変化図の▲7九金打以下△8八金▲同金寄△同桂成▲同金△7九銀▲7八金打△8八銀成▲同金△7九角▲7八金打△8八角成▲同金で、ソフトの評価値+2165で先手勝勢。

この手順は後手は△8八金から詰めろの連続で迫ってきますが、先手は持ち駒に金がたくさんあるのが心強く、最後の▲8八同金と進むと先手玉に詰めろがかからないので、先手勝勢のようです。

穴熊には金が攻めにも受けにも貴重な駒というのが分かった1局でした。