飛車交換の後の指し方


上図は、横歩取り青野流からの進展で▲7七金とした手に7六にいた飛車が△7四飛と下がった局面。ソフトの評価値-28で互角。

△7四飛には飛車交換をするか避けるかのどちらかですが、数手前に▲7七金として3段目に金がいるのでやや先手陣が薄いです。

よって飛車交換を避けた方がいいかと思っていましたが、▲8五飛だと△8四歩▲6五飛△2四飛▲3八金△7四歩で、ソフトの評価値-234で互角。

この手順は飛車交換を避けたのですが、▲8五飛から▲6五飛では特に狙いがなく飛車が中途半端に浮いているのであまりよくないようです。

先手の▲8五飛で▲8六飛なら△2七歩成▲同歩△6四角のような手があるので先手の模様が悪いようです。

よって本譜は▲7四同飛△同歩▲2一飛△7三桂▲1一飛成と進みましたが、▲1一飛成で▲4八銀だったらでソフトの評価値-114で互角。

この手順は飛車交換をして▲2一飛と先着する手で、以下△7三桂が7七の金の形を咎めた手です。

△7三桂は次に△6五桂から△4五桂のように桂馬を2枚中央に活用する手が厳しいので、先に▲4八銀と受けに回ってどうかという展開です。

先手は後手の攻撃の手を凌げるかどうかで、どこかで▲1一飛成から駒得を目指したいです。

このような指し方もあったようですが、▲2一飛では▲4六角もありました。ソフトの評価値-86で互角。

この手順の▲4六角は一見意味が分かりづらいのですが、後手の手をけん制しています。

▲4六角と先着することで後手から△5五角のような手を防いでいます。

▲4六角に△7三桂と跳ねられるのが気になりますが、いつでも▲8三歩と叩く筋があります。

▲8三歩に△同銀なら▲8一飛ですが、後手の持ち駒に角がある場合は△8二角で先手の飛車が死ぬ形なのでタイミングを見て狙う感じです。

よって△7三桂には▲4八銀と中央を厚くして、ソフトの評価値-112で互角。

以前なら序盤の評価値の-100くらいでも少し気になっていた時期もありましたが、ほとんど互角の範囲なのでいい勝負だと思います。

飛車交換の後の指し方が参考になった1局でした。