苦しい局面の粘り方


上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3九飛と打った局面。ソフトの評価値-341で後手有利。

駒割りは、金金と飛桂でいい勝負で玉の固さもお互いに守り駒2枚でいい勝負のようです。

ただし△3九飛が△3五飛成と先手玉を睨んだ攻防の手で後手有利のようです。

対局中は、3五の角をただで渡すわけにはいかないと思い▲4四角としましたがいまひとつぬるかったようです。

▲4四角△5九飛打▲7八金打△5六飛成で、ソフトの評価値-816で後手優勢。

この手順は、▲4四角と逃げた時に△5九飛打を見落としていたのもありますがこれが厳しく、次に△7九飛成があるので▲7八金打に△5六飛成と金を取られて、5筋の守りにも利いているのではっきり後手が良くなった感じです。

さすがに角を逃げて金をぼろっと取られるような展開はまずかったようです。

▲4四角で▲8五銀がありました。ソフトの評価値-503で後手有利。

この手順は、3五の角を逃げずに▲8五銀と打つ手です。

将来△3五飛成と角を取られても先手玉から龍の脅威が一時的に遠のきますので、その間に先手は手を作るという感じです。

▲8五銀に△7三角なら▲3六歩△5九飛打▲7四銀△7八歩▲6二角成△同玉▲5三金△同玉▲7三銀成で、ソフトの評価値-646で後手有利。

この手順は、△7三角と逃げた時に▲3六歩が細かい技で△同飛成では先手玉の脅威が薄れるので△5九飛打としますが、▲7四銀として後手玉にプレッシャーをかける展開です。

厳密にいえば先手が悪いようですが、後手も気持ち悪い形です。

▲8五銀に△3五飛成なら▲8四銀△同歩▲4四角で、ソフトの評価値-572で後手有利。

この手順は、▲8五銀に平凡ですが△3五飛成として駒得をして先手の戦力を少しずつなくしていく指し方です。

最後の▲4四角の時点で駒割りは、金金と飛銀桂で後手が駒得で先手が苦しいですが、8三の地点に空間をあけて少しでも後手陣に嫌味をつけて粘るような感じです。

▲4四角の狙いは▲8三金や▲5四歩や▲5一金などですが、それを含みにする感じです。

苦しい局面の粘り方が参考になった1局でした。