上図は、横歩取り青野流からの進展で▲8一飛成と桂馬を取った局面。ソフトの評価値-475で後手有利。
駒割りは飛桂と角香で飛車と角が成りこんでいる展開ですが、ここで後手の手番が大きいので後手が少し指せているようです。
お互いに中住まいの囲いで玉の守りが薄いのがこの戦型の特徴です。
実戦は△3七歩▲同桂△同桂成で、ソフトの評価値+117で互角。
この手順は△3七歩と打てば部分的には後手が銀得になります。
4五に桂馬がいて△3七歩と打って銀が取れる形は自分もノータイムで打ちたくなりますが、▲同桂△同桂成▲7二歩△同銀▲8二飛△7一香▲8四桂で、ソフトの評価値+707で先手有利。
この手順は▲3七同桂に△同桂成の瞬間がやや甘く、▲7二歩△同銀▲8二飛の2枚飛車の攻めがうるさいです。
次の狙いは▲7二飛成△同金▲同龍なので△7一香と受けますが、数の攻めで▲8四桂とすれば先手が指せているようです。
△3七歩は自然な手だったのですが、この場合は別に厳しい手がありました。
△3七歩では△2七歩成がありました。
△2七歩成▲同銀△2九馬で。ソフトの評価値-454で後手有利。
この展開は歩を成り捨てて桂馬を取り、この瞬間が少しぬるいような気もしますがそうではなかったです。
△2九馬に▲3八銀なら△5七香で、ソフトの評価値-2449で後手勝勢。

この手順の▲3八銀は、離れていた銀を自玉に近づけて馬取りになるので一見味がいい受けなのですが、この場合は△5七香が激痛です。
4五に桂馬がいるのが急所で△5七香でほとんど寄り形です。
△5七香に▲6九玉なら△3八馬▲同金△5八銀▲6八玉△5九角で詰みです。
また△5七香に▲6八玉も△3八馬▲同金△5九角▲6九玉△5八銀で詰みです。
よって△5七香に▲4八玉としますが、△2六角▲3七桂△2五桂▲2七飛△3八馬▲同金△3七桂左成▲同金△同角成▲同飛△5八香成▲3八玉△3七桂成▲同玉△2五桂▲4六玉△4五金▲同玉△4四銀▲4六玉△4五飛で詰みです。
この手順は長いのですが、△2六角から△2五桂と角のラインを活かした数の攻めがポイントです。
別の手順で△2九馬に▲6八銀なら△4六桂で、ソフトの評価値-1223で後手優勢。

この手順の▲6八玉は玉の逃げ道を広げた手と5七の地点を補強する意味ですが、ここで△4六桂がありました。
△4六桂に▲同歩なら△4七角で▲4八玉なら△6九角成で、ソフトの評価値-2677で後手勝勢。
この手順の△4七角に▲5九玉なら△5七香▲5八桂△3九馬▲4八飛△4九馬▲同玉△3七桂不成▲5九玉△4九金で、ソフトの評価値-2217で後手勝勢。
この手順は△5七香から△3九馬が厳しく▲同金なら△5八角成で詰みです。
よって△4六桂には▲6九玉と逃げますが、△4七馬▲7九玉△5八桂成で、ソフトの評価値-1099で後手優勢。
この手順は△4七馬から△5八成桂として後手が指せているようです。
なお△4六桂で△3七桂成も詰めろで自然なのですが、▲5九桂で、ソフトの評価値-590で後手有利。
やはり後手の4五の桂馬が先手の玉頭の利きからずれると、少し評価値が落ちるようです。
玉頭の利きに桂馬を残して攻めるのが参考になった1局でした。