歩得を狙う△1四角の受け方

上図は、後手が角交換振り飛車からの進展で△1四角と打った局面。ソフトの評価値+26で互角。

△1四角はたまにでる手で、△3六角として1歩得をしてから3筋の歩を伸ばして、先手の3七の桂馬を攻める狙いです。

△1四角に▲1八角と受ける手はあるのですが、△3五歩▲同歩△4七角成の筋が気になります。

それで少し先手が指しにくいのかと思いましたが、他の手が見えなかったので▲1八角としました。

実戦は△1四角以下▲1八角△3五歩▲同歩△4七角成▲4八金△1四馬▲3四歩△3六歩で、ソフトの評価値-280で互角。

この手順は、△4七角成に▲4八金と受けて△1四馬に▲3四歩と先に桂取りにする手です。

▲3四歩に後手も△3六歩と打ちます。

実戦は、▲3三歩成△3七歩成▲同金△3三銀で、ソフトの評価値-426で後手有利。

この手順は、お互いに桂馬を取り合うのですが、先手は働きの悪い角に対して後手は馬でいつでも△6九馬とするような手もあるので後手の方がいいようです。

特に1八の角は狙いの少ない位置にいるので、活用する手順が見えません。

なお、手順の△3七歩成に▲4二ともありますが、△2八と▲5二と△同飛で、ソフトの評価値-725で後手優勢。

この手順は、飛車と金銀の交換で先手が駒得ですが、やはり1八の角の働きが悪く攻めが細いので後手優勢です。

やはり最初の▲1八角は悪かったようです。

▲1八角では▲5八金右がありました。

▲5八金右△3六角▲4六銀で、ソフトの評価値+64で互角。

この手順は、△3六角を受けずに▲5八金右と上がって△3六角に▲4六銀と活用する手です。

先手は1歩損になりましたが、後手は筋違い角で先手は持ち角なのでいい勝負のようです。

▲4六銀が少し意味が分かりづらいですが、3筋を補強する意味と▲6六角と打って次に▲4五桂△同桂▲2二角成を狙うような筋です。

▲6六角と打ったら△2一飛と引くような形ですが、将来的に△4四歩とか△8四歩は▲同角とされますので突きにくい意味があります。

▲4六銀に△4四歩なら、▲6六歩△4三銀▲6五歩△1四角▲6六角で、ソフトの評価値+45で互角。

この手順は、△4四歩と突いて△4三銀と銀を活用する手ですが、先手は6筋の位を取ってから▲6六角と打ちます。

以下後手から3筋の桂馬を攻めてくる筋が気になります。

▲6六角以下△2一飛▲2七飛△3五歩▲同銀△3六歩▲3四歩△3七歩成▲同飛△4五桂▲3九飛△3一飛▲4六歩で、ソフトの評価値-42で互角。

この手順は、先に後手が桂得する展開ですが後手は歩切れで、先手は▲3四歩と歩の拠点があるので評価値は後手が少しだけいいですがいい勝負のようです。

歩得を狙う△1四角の受け方が参考になった1局でした。