馬2枚と小駒で狭い玉を寄せる

上図は、横歩取り青野流からの進展で▲5九香と打った局面。ソフトの評価値-2325で後手勝勢。

▲5九香は△5八銀からの詰めろを消した受けですが、ここで後手の手番なので後手が圧倒的にいいです。

後手としては、先手の7九の銀と7八の金が壁になっているときに先手玉を寄せきりたいです。

できれば後手は詰めろの連続で寄せきれれば一番いいです。

実戦は▲5九香以下△4八銀▲6八銀△5九銀成▲同銀△5七香で、ソフトの評価値-1025で後手優勢。

△4八銀は△5九銀成からの詰めろですが、先手は▲6八銀と受けます。

以下後手は△5九銀成から△5七香と攻める手で、これも気持ちよく攻めているようですが意外と評価値が下がっています。

対局中は△4八銀と打ってくると思っていましたが、感覚的に守り駒を薄くするというのがあります。

5九の香車を取って、取った香車を△5七香と攻めに使うのは、人間の感覚としては自然だと思います。

ただし先手の立場で考えると、壁だった7九のルートからの逃げ道ができたのと、△5七香はまだ詰めろではないのと、さらに持ち駒に銀が入ったので少し形勢が接近したと思います。

このような何気ない局面の自然の手でも、意外と形勢が接近してくるのが将棋の難しいところです。

△4八銀では△5七桂不成がありました。

▲5九香以下△5七桂不成▲同香△同馬で、ソフトの評価値-1909で後手優勢。

この△5七桂不成の王手は全く見えていませんでした。

△5七桂不成に▲6八玉は△6九金▲5八玉△4九銀で詰みです。

△5七桂不成に▲5八玉は△4九銀▲6八玉△6九金で詰みです。

よって△5七桂不成には▲同香とするしかありませんが、以下△5七同馬となります。

△5七同馬は詰めろなので、先手は詰めろを受ける必要があります。

△5七同馬以下▲5九香△4七馬▲5八桂△5七香▲6八銀△8九銀で、ソフトの評価値-2545で後手勝勢。

この手順は△▲5九香と先手を取って受ける手ですが、△4七馬が何気ない手です。

先手は▲5八桂として駒を埋めますが、△5七香が△5八香成▲同香△5七桂からの詰めろです。

よって先手は▲6八銀として詰めろを受けつつ7九からのルートを作るますが、△8九銀が△7八銀成からの詰めろです。

△8九銀に▲7九金なら△8七馬▲7八桂△4八金▲5七銀△同馬▲6八飛△7八銀成▲同金△8六桂▲8七金△7八銀▲同飛△同桂成▲同玉△6八飛▲8九玉△6七馬▲7九玉△7八馬まで詰みです。

この手順は後手は2枚の馬と小駒を使って先手玉を寄せるのですが、狭い玉に張り付くような寄せ方で参考になります。

最終盤の寄せは決断の連続なので決して簡単ではないですが、ここら辺は結構大事かと思っています。

馬2枚と小駒で狭い玉を寄せるのが参考になった1局でした。