金がなくても後手玉は寄り筋

上図は、横歩取り青野流からの進展で△6八成香と5八の成香が銀を取った局面。ソフトの評価値+99975で先手勝勢。

この将棋は仕掛けのあたりから先手が悪かったのですが、ここでは先手勝勢になっています。

ただし対局中は先手勝勢ということに全く気がついておらず、ほとんどノータイムで▲6八同金としました。

実戦は▲6八同金△8八歩で、ソフトの評価値-2976で後手勝勢。

この手順の▲6八同金は受けるならこれくらいしかないので、香車を持ち駒にしてから後手玉の寄せを考えようと思ったのが甘く、この瞬間に△8八歩と打ってきました。

ソフトの検討で△6八成香の瞬間は先手勝勢で、さらに▲6八同金△8八歩で後手勝勢というのが 意味がさっぱり分かっていませんでした。

まず▲6八同金で▲7二飛成がありました。

▲7二飛成△同金▲4一銀△6二玉▲7四桂△同歩▲7三銀で、ソフトの評価値+99982で先手勝勢。

この手順はまず▲7二飛成と銀を取る手で筋ですが、まずこの手は後手玉を寄せようと思っていないと浮かびづらいです。

先手の持ち駒に金があれば△7二同金▲4一銀△6二玉▲5二金で詰みですが、金はありません。

そのかわり桂馬と銀があれば、▲7四桂から▲7三銀とするのがこの形での寄せの筋です。

▲7三銀以下△同金▲8二龍 △7二金▲7三桂成△5一玉▲5二銀成△同玉▲7二龍△4一玉▲3一金△同銀▲同と△同玉▲3二銀△2二玉▲4三銀成△2一玉▲3二飛成まで詰みです。

この手順は△7三同金▲8二龍に△7二金がしぶとい移動合いですが、この場合は▲7三桂成から▲5二銀成があり以下2一のと金も活用できて後手玉が詰みです。

実戦の▲6八同金に△同成香は同じような筋でで後手玉が詰みですが、この場合は△8八歩がありました。

▲6八同金に△8八歩で以下▲同玉△8七歩▲9八玉△7五馬左で、ソフトの評価値-3011で後手勝勢。

この手順は△8七歩としてから最後に△7五馬左とする手で、これで先手玉△9七馬からの詰めろになっています。

それと同時に後手玉は詰めろのがれになっています。

今度は▲7二飛成△同金▲4一銀△6二玉で、▲7四桂と打っても△同馬で詰みません。

また別の筋として△7五馬左に▲7二飛成△同金▲6一銀△4一玉▲7二銀成は△5一銀打があります。

△5一銀打に▲3一金は△同銀▲同と△4二玉で不詰みのようです。

なお△5一銀打で△3二玉は▲2二金△同金▲同と△同玉▲2五香△2四歩▲同香△3三玉▲3五香△2四玉▲2一龍△2三歩▲同龍△同玉▲3四銀△3二玉▲2四桂△4一玉▲3三桂△同銀▲3二桂成△同玉▲3三銀成△4一玉▲4二金で詰みです。

このして見ると将棋の終盤は難しく1手の価値が高いです。

序盤の100~200くらいの評価値の差は勝敗にはほとんど関係ないレベルですが、終盤は最善手以外は逆転というケースもあり、このあたりの手の見え方によって全く形勢が違ってきます。

最近は終盤力というのはかなり大事だと思っています。

金がなくても後手玉は寄り筋だったのが参考になった1局でした。