柔らかい受け方で受ける

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6五銀と歩を取った局面。ソフトの評価値+319で先手有利。

対抗形で後手が△6五銀として角筋を通しながら6筋に圧力をかける展開で、よくありそうな局面です。

後手は4筋の歩を突き捨てているので1歩損になっていますが、6六の地点は後手の方が1枚多く利いています。

対局中はいい勝負かと思っていたのですが、ソフトは先手が少し有利とのことでした。

ただしこの先手有利というのは少し指しやすいという感覚で、ほとんど互角に近い形だと思います。

実戦は△6五銀以下▲6六歩△同銀▲同金△同角▲5一銀で、ソフトの評価値+277で互角。

この手順は▲6六歩と打つ手ですが、△同銀と取らせる展開です。

△6六同銀とされても元々は先手の1歩得だったのが損得なしになります。

以下金と銀の交換になり、そこで▲5一銀が割打ちの銀です。

これも先手の狙い筋で気持ちのいい手ですが、以下△2二飛▲6二銀成△同金で、ソフトの評価値+286で互角。

この手順は後手の守りの金を1枚はがして薄くすることで先手がだいぶ得したようですが、評価値は互角のようです。

このあたりの対局心理とソフトの評価値は少しずれているのが興味深いです。

なお最初の局面の▲6六歩では▲3七桂もあったようです。

▲3七桂△6六歩▲5七金△7六銀▲5五歩で、ソフトの評価値+289で互角。

この手順の▲3七桂は少し見えにくい手です。

後手に△6六歩と攻めの拠点の歩を打たれるためですが、そこで▲5七金とします。

形だけでいえば▲5七金では▲7七金寄としたいのですが、この場合は△8五桂があります。

▲5七金に△7六銀と進出して気持ちのいい形ですが、そこで▲5五歩が柔らかい受けです。

▲3七桂と跳ねた手は攻める手のようでも、▲5五歩として後手の角の利きを止めるのが大きいです。

▲5五歩以下△6七歩成▲同金寄△同銀成▲同金△7五金▲同角△同歩▲7四歩△8五桂▲7八金で、ソフトの評価値+227で互角。

この手順は後手は金と銀の交換から△7五金と打つ手で、角が逃げると△6六歩がうるさいです。

よって▲7五同角△同歩に▲7四歩と桂取りに歩を打って△8五桂に▲7八金がしぶといです。

この辺の指し手も微妙で、普通は角と金の交換で先手は大駒を渡すのは少し嫌な形の上に、▲7八金と打って穴熊を補強する指し手はやや先手が失敗しているように見えても、ソフトの評価値は互角のようです。

あまり指し手の流れを悲観するのでなく、客観的にその局面はどうなのかいう目線で見ると意外と評価値に近いような感覚になるかもしれません。

柔らかい受け方で受けるのが参考になった1局でした。