無理に動かず玉側で駒組みを進める

上図は、後手ゴキゲン中飛車からの進展で△7二金とした局面。ソフトの評価値+17互角。

先手が超速▲3七銀型にした手に、後手が△6四歩~△6三銀~△5四銀として先手の仕掛けを封じた形です。

先手は△5四銀とする前に▲4五桂とぶつけるべきでしたが、対局時はその手が見えずやや持久戦模様となりました。

実戦は▲8六角△6三銀▲7五銀△4二角▲2四歩△同歩▲4五銀△3三銀で、ソフトの評価値-608で後手有利。

この手順は先手の典型的な失敗例で、▲8六角から▲7五銀として▲6四銀を狙っても後手は△6三銀から△4二角で受かっています。

先手は7筋と8筋からこれ以上前にいけないので、2筋を突き捨てて▲4五銀とぶつけましたが、△3三銀と体をかわされて次に後手から△4四歩の銀取りが受かりませんので先手がまずいです。

△6三銀とさせたことで▲4五銀△同銀▲同桂△4四歩▲4三銀で攻めがが成立するかと思っていましたが、△3三銀が軽い受けでした。

数手前の△4二角とかこの△3三銀など振り飛車が駒を引いて軽く受けるというのが、居飛車側からすると少し見えにくいです。

▲8六角では▲8八玉がありました。

▲8八玉△4二角▲9八香△5二金▲9九玉△6三金左▲7九金△6五歩▲7五銀△7四歩▲8六銀で、ソフトの評価値+47で互角。

この手順は、先手は穴熊を目指す駒組みです。

先手は仕掛けるのが無理なら玉側で駒組みをするしかありませんが、それなら玉を深く囲う穴熊を目指す感覚です。

後手も△5二金から△6三金左と上部を手厚くして△6五歩と位を取ってきます。

先手は▲7五銀と逃げて△7四歩に▲8六銀とする展開で、これだけ見ると後手がのびのび指して駒組み勝ちだと思いがちですが、意外にもソフトの評価は互角のようです。

後手の5四の銀と先手の8六の銀は後手の方がいい形だと思いますが、先手は穴熊に囲うというのが主張のようです。

先手はここから▲9七銀~▲8八銀~▲7八金寄とすれば穴熊が完成します。

▲8六銀以下△3一飛▲7八金寄△3五歩▲同歩△同銀▲5五銀で、ソフトの評価値+140で互角。

この手順は後手はあまりいい手ではなかったようですが、先手の3七の桂頭を目指して△3一飛とします。

先手は離れ駒があると強く戦えないので▲7八金寄として以下△3五歩と駒がぶつかる展開です。

以下▲同歩△同銀に▲5五銀としていい勝負のようです。

最初の局面で先手から動けないときは無理に動くのでなく玉側で駒組みを進めて、後手に動いてもらってそれに対応するという感覚です。

無理に動かず玉側で駒組みを進めるのが参考になった1局でした。

詰めろ飛車取りの受け方

上図は、後手雁木に先手が▲3七銀型からの急戦で進んだ展開で、△7六飛と8六の飛車が横歩を取った局面。ソフトの評価値+654で先手有利。

この局面は、後手が2歩得ですが6二の銀と6一の金がいるため後手玉が壁になっています。

先手は2四の銀が働いているので後手玉が壁になっているときに攻めたいです。

ただし、後手が△7六飛としたのは次に△4四角の詰めろと飛車取りを狙っていますので、それに対抗する手が必要です。

対局中は、少し先手が指しやすいと思っていましたが先手有利までは気がつきませんでした。

おそらく先手の方が攻めの手が広いからだと思います。

実戦は、▲5五角△2二歩▲7八銀△7三角▲同角成△同桂で、ソフトの評価値+456で先手有利。。

この手順は、▲5五角と先着して△4四角を消したつもりだったのですが平凡に△2二歩と受けられてかえって2筋の攻めが重くなった感じです。

▲7八銀の受けに△7三角が5五の角を消す手で、▲同角成に△同桂がなかなかの手です。

△同桂では△同銀として将来△6二玉のような逃げ道を作るのかと思っていたのですが、強く△同桂で▲6五角のような手を消しているの大きいです。

対局中は、先手がやや失敗したと思っていたのですが、これでも先手有利だったのは意外でした。

また▲5五角はソフトの推奨手だったのも意外でした。

この対局はあまり形勢判断ができていない感じです。

▲5五角では▲7八銀もありました。ソフトの評価値+600で先手有利。

この手順は▲7八銀として7七の地点を補強する手で、△4四角と打っても今度は詰めろになりません。

▲7八銀も候補手の1つで受けるならこれが自然な手です。

▲7八銀以下△5二金▲2三銀不成△4四角▲2五飛△2四歩▲3二銀不成△2五歩▲4三銀成△同金▲6五角で、ソフトの評価値+1561で先手優勢。

この手順は、△5二金として壁を解消して4三の地点を補強した手ですが、▲2三銀不成が平凡ながら2筋を突破する狙いの手です。

後手は△4四角から△2四歩として▲同飛なら△3三金のような受けで先手の攻めをかわす意味ですが、△2四歩に強く▲3二銀不成があり△2五歩に▲4三銀成から▲6五角で、この展開は先手優勢です。

これはややうまくいきすぎの展開ですが、先手の狙いが分かりやすいです。

詰めろ飛車取りの受け方が参考になった1局でした。

石田流には早めに▲4六銀と上がる

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△3四飛と3二の飛車が上がった局面。ソフトの評価値+3で互角。

後手は3筋の歩を交換してから△3四飛とすれば、1歩をもって△3四飛と安定的な形にできますが、2六に飛車がいるため△3六歩と突いても▲同歩と取られます。

よって後手は△3四飛と単に浮いてきました。

後手が石田流に組んだら居飛車側はどこかで▲4六銀と上がって後手の浮き飛車を目標にする指し方があります。

部分的な狙いは、▲4六銀から▲6八角と引いて▲3五銀と後手の歩を取りにいく形です。

実戦は、▲6六歩△5三角▲4六銀△3三桂▲6五歩△4五歩▲5七銀で、ソフトの評価値-113で互角。

この手順は、▲6六歩と突いてから▲4六銀とでましたが、△3三桂から△4五歩と突いて▲5七銀と引く形です。

▲4六銀とでて▲5七銀と引くので先手は手損になっています。

そのかわり、後手に△4五歩と突かせることで先手の7七の角がいつでも▲3三角成とする筋があるので、一長一短かと思っていました。

ただし、この展開は後手が△4二金として3三の地点を補強すれば、いつでも△2四歩▲同歩△3六歩▲同飛△2四飛のような決戦の筋があるので、後手に主導権があるようです。

△2四飛に▲3三角成△同金▲同飛成△4四角の王手龍ような展開になりますが、後手に主導権があるということはやや先手の作戦負けのような感じがします。

後手に△3三桂と△4五歩と△5三角の組み合わせの手をされるとやや先手が面白くなさそうです。

▲6六歩では▲4六銀がありました。

▲4六銀△5三角▲5五歩で、ソフトの評価値+11で互角。

この手順は、▲6六歩をせず単に▲4六銀と上がる手です。

▲4六銀に△3三桂なら、▲6八角△4五桂▲3五銀△3二飛▲3六飛で、ソフトの評価値+634で先手有利。

この手順は、▲4六銀に△3三桂と跳ねて部分的にはよくある形ですが、▲6八角が次の▲3五銀で後手の飛車を取る狙いです。

後手は△4五桂と跳ねて▲3五銀に△3二飛と引きますが、次の▲3六飛がうまい手で3五の銀に紐をつけてから▲4六歩から桂馬を取る狙いです。

よって▲4六銀に△5三角としますが、そこで▲5五歩でどうかという展開です。

▲5五歩△同歩▲同銀に△5四歩なら▲4六銀で、ソフトの評価値+243で互角。

この手順は先手が5筋の歩を交換して1歩と持ち駒にする展開ですが、互角とはいえやや先手の方が得をしているようです。

▲5五歩△同歩▲同銀に△3三桂なら▲5四歩△7一角▲5六飛で、ソフトの評価値+3で互角。

この手順は、▲5四歩を抑え込んだ形で、▲5六飛以下は▲6六角から▲7七桂として▲6五桂を含みに戦う感じです。

石田流には早めに▲4六銀と上がるのが参考になった1局でした。

苦しい局面からどのように粘るか

上図は、相矢倉からの進展で△2三歩と打った局面。ソフトの評価値-341で後手有利。

駒割りは、銀と桂馬の交換で先手が少し駒得ですが、△2三歩にぬるい手を指すと△7六歩が厳しいです。

対局中は、この手順で先手が悪いと思っていましたが他の手も見えませんでした。

実戦は△2三歩以下▲5一馬△7六歩で、ソフトの評価値-615で後手有利。

この手順は、▲5一馬と逃げて将来▲4一銀のような筋を期待しましたが、△7六歩が厳しいです。

実戦は△7六歩にはさすがに手抜きはできず▲6七金寄としましたが△7五桂▲4一銀△7七銀で、ソフトの評価値-50000で後手勝勢。

この手順は△7五桂が入ると▲4一銀と打っても詰めろでないので、△7七銀で後手勝勢です。

▲5一馬はさすがに甘い手だったようです。

▲5一馬では▲7三歩成がありました。

▲7三歩成△8一飛▲7二と△8三飛▲5一馬で、ソフトの評価値-93で互角。

この手順は、▲7三歩成を入れて後手の飛車を責める手で、△8一飛に▲7二とが興味深いです。

△8三飛に▲5一馬と逃げる展開ですが、実戦と少し違うのは後手の飛車が8三にいるので飛車の受けがなくなったことです。

▲5一馬以下△7六歩▲6七金寄△7五桂▲9五馬△6九銀▲8四香で、ソフトの評価値-680で後手有利。

この手順は、△7六歩から△7五桂とすると先手陣はほとんど受けなしでだめなのかと思っていましたが、そこで▲9五馬がありました。

このような局面で、▲9五馬と受けに回る手は全く見えていませんでした。

▲9五馬では▲4一銀のような手かと思っていましたが、やはり△7七銀が入れば先手玉は寄り筋ですし、金を入手して△4二金打のような受けの手もありそうです。

よって▲9五馬ですが、△6九銀に▲8四香と飛車の利きを止めてどうかという展開です。

将棋は先手の方が悪いようですが、粘り方としては実戦と全く違うのが参考になります。

実戦は一直線に敗勢の手順ですが、変化手順は後手の飛車の位置を変えてから▲5一馬から▲9五馬が興味深いです。

苦しい局面からどのように粘るかが参考になった1局でした。

攻めの形を作る

上図は、相居飛車からの進展で△5四歩と突いた局面。ソフトの評価値-168で互角。

先手の陣形が▲8八金と▲7八玉という8筋を守る手を指しており、やや変形的で先手の作戦負けかと思っていましたが、評価値は互角のようです。

先手は玉の整備がこれ以上進まない形ですが、ここからどのように指したらいいかという局面です。

実戦は、▲9六歩△3一角▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2八飛△5二玉▲6八角△6二金▲4六歩△9四歩▲4七銀△9五歩で、ソフトの評価値-255で互角。

この先手の手順は、9筋を突いてから▲2四歩から1手パスをして、その後3六の銀を▲4七銀と立て直す作戦にしましたが、△9五歩と突かれてどうかという展開です。

ここまでの手でだいぶ手損をしたので、その間に後手が△9五歩として▲同歩なら△9六歩で抑え込む形です。

この展開になると先手から仕掛けるのは少し難しい形になるので、やや作戦的に面白くなかったかもしれません。

駒が前進でなくやや後退しているので、後手が仕掛けた形になりました。

▲9六歩では▲1七桂がありました。ソフトの評価値-165で互角。

この手は▲1七桂と跳ねて将来▲2五桂と動いていく手です。

部分的な形では、3六の銀と3七の歩の組み合わせでは▲1七桂という手はたまにでてきます。

対局中も▲1七桂は最初に見えていたのですが、桂馬を渡すと8筋の反動がきついかと思い指せませんでした。

▲1七桂に△9四歩なら▲9六歩△3一角▲2五桂△同桂▲同銀△6四角▲4六歩△同歩▲4四歩△同銀▲3四銀で、ソフトの評価値+85で互角。

この手順は、9筋を受けてから▲2五桂と捌く手で△同桂に▲同銀と出て銀の活用を図ります。

後手は△4五歩と突いて▲6八角に△6四角と出て次に△3七角成で先手の攻めをけん制する狙いですが、▲4六歩が少し気がつきにくいです。

▲4六歩に△同歩がありますが、5八に金がいるのが大きく△4七歩成には▲同金があります。

△4六同歩に▲4四歩と叩いて△同銀に▲3四銀とすれば、次に▲2三銀成があるので先手も面白いです。

実際は▲4六歩には△同歩と取らずに別の手を指すのでしょうが、先手も駒が前に出ているので実戦より面白かったようです。

攻めの形を作るのが参考になった1局でした。

金がなくても後手玉は寄り筋

上図は、横歩取り青野流からの進展で△6八成香と5八の成香が銀を取った局面。ソフトの評価値+99975で先手勝勢。

この将棋は仕掛けのあたりから先手が悪かったのですが、ここでは先手勝勢になっています。

ただし対局中は先手勝勢ということに全く気がついておらず、ほとんどノータイムで▲6八同金としました。

実戦は▲6八同金△8八歩で、ソフトの評価値-2976で後手勝勢。

この手順の▲6八同金は受けるならこれくらいしかないので、香車を持ち駒にしてから後手玉の寄せを考えようと思ったのが甘く、この瞬間に△8八歩と打ってきました。

ソフトの検討で△6八成香の瞬間は先手勝勢で、さらに▲6八同金△8八歩で後手勝勢というのが 意味がさっぱり分かっていませんでした。

まず▲6八同金で▲7二飛成がありました。

▲7二飛成△同金▲4一銀△6二玉▲7四桂△同歩▲7三銀で、ソフトの評価値+99982で先手勝勢。

この手順はまず▲7二飛成と銀を取る手で筋ですが、まずこの手は後手玉を寄せようと思っていないと浮かびづらいです。

先手の持ち駒に金があれば△7二同金▲4一銀△6二玉▲5二金で詰みですが、金はありません。

そのかわり桂馬と銀があれば、▲7四桂から▲7三銀とするのがこの形での寄せの筋です。

▲7三銀以下△同金▲8二龍 △7二金▲7三桂成△5一玉▲5二銀成△同玉▲7二龍△4一玉▲3一金△同銀▲同と△同玉▲3二銀△2二玉▲4三銀成△2一玉▲3二飛成まで詰みです。

この手順は△7三同金▲8二龍に△7二金がしぶとい移動合いですが、この場合は▲7三桂成から▲5二銀成があり以下2一のと金も活用できて後手玉が詰みです。

実戦の▲6八同金に△同成香は同じような筋でで後手玉が詰みですが、この場合は△8八歩がありました。

▲6八同金に△8八歩で以下▲同玉△8七歩▲9八玉△7五馬左で、ソフトの評価値-3011で後手勝勢。

この手順は△8七歩としてから最後に△7五馬左とする手で、これで先手玉△9七馬からの詰めろになっています。

それと同時に後手玉は詰めろのがれになっています。

今度は▲7二飛成△同金▲4一銀△6二玉で、▲7四桂と打っても△同馬で詰みません。

また別の筋として△7五馬左に▲7二飛成△同金▲6一銀△4一玉▲7二銀成は△5一銀打があります。

△5一銀打に▲3一金は△同銀▲同と△4二玉で不詰みのようです。

なお△5一銀打で△3二玉は▲2二金△同金▲同と△同玉▲2五香△2四歩▲同香△3三玉▲3五香△2四玉▲2一龍△2三歩▲同龍△同玉▲3四銀△3二玉▲2四桂△4一玉▲3三桂△同銀▲3二桂成△同玉▲3三銀成△4一玉▲4二金で詰みです。

このして見ると将棋の終盤は難しく1手の価値が高いです。

序盤の100~200くらいの評価値の差は勝敗にはほとんど関係ないレベルですが、終盤は最善手以外は逆転というケースもあり、このあたりの手の見え方によって全く形勢が違ってきます。

最近は終盤力というのはかなり大事だと思っています。

金がなくても後手玉は寄り筋だったのが参考になった1局でした。

▲7七銀と上がって△7六銀を受ける

上図は、相掛かりからの進展で△6五銀と6四の銀が上がった局面。ソフトの評価値-26で互角。

△6五銀の狙いは△7六銀と歩を取ってから△5四角から△8七銀成と殺到する手です。

また先手の飛車が2六にいるので、△4四角のような筋も気になります。

先手の陣形は4六の歩と3八の銀がこの瞬間はやや中途半場な形で、△6五銀はうまく動いてこられたという感じでした。

△7六銀を防ぐなら▲7七銀が自然ですが、△4四角の筋が気になって指せませんでした。

実戦は△6五銀以下▲4七銀△7六銀▲3五歩で、ソフトの評価値-286で互角。

この手順は、▲4七銀と玉のコビンをしめてから△7六銀とされますが、△4四角の筋を消す▲3五歩と突いてどうかという展開です。

玉を回りを固めるのは大きいですが、後手が1歩得で△5四角の筋があるので先手も受けにくいです。

△5四角の後△8七銀成を受けるなら▲8六角や▲6九角はありますが、あまり働きのいい角ではないので指しづらいです。

また△3五歩と堂々と取られても先手が忙しい感じです。

こうしてみると△7六銀と出させたのはあまりよくなかったようです。

▲4七銀では▲7七銀がありました。

▲7七銀△4四角▲2九飛△7六銀▲同銀△9九角成▲7七桂△9八馬▲7五歩で、ソフトの評価値+186で互角。

この手順は、▲7七銀と受ける手ですが△4四角が気になります。

以下▲2九飛に△7六銀とでて▲同銀に△9九角成として銀と香の交換で先手が駒得ですが、後手も馬を作ります。

このときに▲2九飛と引けているのが大きく△8九馬を防いでいます。

3七桂と跳ねている形は▲2九飛と引くと飛車の横利きで受けに使えるのが大きいです。

△9九角成に▲7七桂と跳ねて馬取りを見せて、△9八馬に▲7五歩が見えにくい手です。

後手玉が5二にいるので直接的には攻めにくい形ですが、7三の桂馬を目標に攻めていく感覚です。

▲7五歩以下△同歩▲同銀△8七馬▲8二歩△同飛▲7一銀△8一飛▲8七金△同飛成▲6二銀成△同玉▲8四角△8三金▲6五桂で、ソフトの評価値+342で先手有利。

この手順は、7六の銀が▲7五銀とすると△8七馬があり先手陣も危ないのですが、8筋の歩が切れると▲8二歩△同飛から▲7一銀がよくある手です。

▲7一銀以下の手順は、お互いの玉がだいぶ危険になるのでできれば避けたいところもありますが、一直線の展開は手が限られてくるので正確に手を読めていれば局面の形勢判断がしやすいというのがあります。

逆に読み抜けがあると形勢を損ねてしまい敗勢のようなこともあり、このあたりが将棋の難しいところです。

▲7七銀と上がって△7六銀を受けるのが参考になった1局でした。

雁木への▲3七銀型の次の狙い

上図は、後手雁木からの進展で▲3五歩に実戦は△同歩と進んだのですが、△5二金と上がった場合の攻め方も気になっていました。

△5二金と上がった形は、後手の4三の銀が3四に上がれば△4三金右とすることができます。

また6一の金のままでは後手玉は壁になっていますが、△5二金と上がることで将来△6一玉と逃げることもできます。

△5二金以下▲3四歩△同銀▲3八飛で、ソフトの評価値+92で互角。

この手順は、▲3四歩と取り込んで△同銀に▲3八飛とするのがこの場合の形です。

部分的には居飛車対振り飛車の急戦形で、先手が棒銀にする場合でもこのような形になることがあります。

銀の後ろに飛車が回って次に▲2六銀を狙っています。

▲3八飛に△5四歩なら▲2六銀△4三金右▲4六歩で、ソフトの評価値+428で先手有利。

この手順は、△5四歩と突いて将来△5三銀のような手をつもりですが、▲2六銀と出て△4三金右に▲4六歩とすると、次に▲3五歩の銀取りが受けにくいです。

▲3八飛以下△2五銀▲8八銀△4三金右▲7八玉△4一玉▲4六銀で、ソフトの評価値+95で互角。

この手順の△2五銀は銀がそっぽにいくのですが、▲2六銀を防いで1歩得をする手です。

それに対して先手は、▲8八銀から▲7八玉と玉の整備をするのが7筋と8筋を補強する手です。

▲8八銀では▲7八銀とする形もありますが、8八の地点がやや弱くなります。

▲8八銀と上げれば8八の地点は強いのですが、一時的に壁銀になるので一長一短です。

後手は△5二金と上がった手を活かして△4三金右から△4一玉としますが、▲4六銀と上がってどうかという展開です。

最後の▲4六銀は形ですが、次の狙いが分かりにくい手です。

▲4六銀に△5四歩なら▲2八飛△1四銀▲5六歩△5三銀▲1六歩△2四歩▲3五銀△2三銀▲6八角で、ソフトの評価値+258で互角。

この手順は、△5四歩と突いて△5三銀を目指す手ですが▲2八飛と飛車を2筋に戻すのが面白いです。

▲2八飛に△2四歩なら▲3五銀と出て次に▲2四銀△同角▲2五飛を狙います。

よって▲2八飛に△1四銀の辛抱に▲5六歩がぱっと見で分かりにくいのですが、1筋を突いてから▲3五銀と2筋に圧力をかけて、△2三銀の受けに▲6八角と引いて次に▲2四銀の狙いです。

この指し方は初めてみましたが、多分自分だったら実戦では考えても浮かばないです。

将棋の指し方は奥が深いです。

雁木への▲3七銀型の次の狙いが参考になった1局でした。

ぎりぎりのところまで受けに専念する

上図は、相矢倉からの進展で△9五香と歩を取った局面。ソフトの評価値+195で互角。

この局面までは後手が先行する形で、現時点では駒の損得はありません。

△9五香に▲同香が普通ですが、△7六歩や△7六銀が気になります。

実戦は受けてもきりがないと思い▲2四桂と打ちました。

▲2四桂△同歩▲同歩△同銀▲同馬△2三歩▲5一馬△7六歩で、ソフトの評価値-581で後手有利。

この手順は、▲2四桂と打って攻め合いにいったのですが、あっさりと2筋を清算してから△2三歩と打たれると▲5一馬に△7六歩が厳しいです。

先手からどこかで▲4一銀とする筋はありますが、後手は8二に飛車がいると受けに利いているので、簡単に詰めろがかかりません。

ちょっと攻め合いにいくタイミングが早かったようです。

▲2四桂では▲9五同香がありました。ソフトの評価値+274で互角。

ここは受けに専念する▲9五同香があったのですが、後手から嫌な手が2つあります。

1つは△7六歩です。

△7六歩▲6七金寄で、ソフトの評価値+582で先手有利。

この手順は、△7六歩と歩で攻めの拠点を作る手で嫌な手ですが、▲6七金寄と耐えてどうかという形です。

後手に歩がたくさんあると△7七銀と打ち込んでから再度△7六歩と叩く筋がありますが、後手は歩切れなので攻めが続くかどうかという形です。

▲6七金寄以下△7七銀▲同金上△同歩成▲同玉△9六金▲8六香△同金▲同歩△7五香▲8七玉△6九角▲9七玉△7八角成▲6八金打△7九馬▲9六玉で、ソフトの評価値+1844で先手優勢。

この手順は、△7七銀と打ち込んでから△9六金と張り付く手ですが、▲8六香があり後手は歩切れなので△同金から△7五香と打ち込みますが、▲8七玉と逃げて際どく残っているようです。

後手に1歩でもあれば全く違う展開になりますが、後手は一直線に攻めると攻めが切れてしまいます。

先手も怖い形ですが、攻め切るか受けきるかという場面なので受けに専念する形みたいです。

もう1つは▲9五同香に△7六銀と打ち込む手です。ソフトの評価値+206で互角。

△7六銀は実戦的にも嫌な手で、7七の金との交換がほぼ確実になります。

さらに歩を温存しているので局面が複雑になります。

△7六銀以下▲7三歩成△7七銀成▲同玉△8五飛▲4一銀で、ソフトの評価値+410で先手有利。

この手順は、▲7三歩成と催促して△7七銀成に▲同玉と3段玉にして粘る手で、△8五飛と逃げた時にそこで▲4一銀でどうかという展開です。

こちらの手順の方が先手は嫌ですが、▲4一銀と引っかけて後手玉に嫌味をつけていい勝負のようです。

先手玉も守りが薄いのですが広いので後手も捕まえるのは大変です。

ぎりぎりのところまで受けに専念するのが参考になった1局でした。

どのような形で8筋の棒銀を受けるか

上図は、相居飛車から先手雁木模様に組んだ局面で△7三銀と6四の銀が下がった局面。ソフトの評価値+257で互角。

△7三銀の狙いは、△7四銀から△8五銀と出て△8六歩と合わせてから、あわよくば8筋の突破を狙っています。

その手順に対抗する受けを用意していなければなりませんが、攻め駒である4六の銀を活用させなければ勝負形にならないと思い▲4五銀としました。

実戦は▲4五銀△3三桂▲3六銀△7四銀▲4六角△7三桂▲8八金△8五銀▲7八玉で、ソフトの評価値-62で互角。

この手順の▲4五銀は△7四銀なら▲3四銀を狙いとした手ですが、後手の飛車の横利きを活かして△3三桂と跳ねて▲3六銀としてから△7四銀と進めてきました。

先手は8筋の受けとして▲8八金の壁金から▲7八玉として、決していい形ではないのですがこれで8筋を受けました。

後手は△3三桂と跳ねたことで2二の角が使いづらいのですが、先手も3六の銀が使いづらいので部分的な形はいい勝負のようです。

ただし、評価値は互角とはいえ後手の方がだいぶ良くなっているので、先手は4六の銀の活用方法がいまひとつだったかもしれません。

▲4五銀では▲5五歩がありました。ソフトの評価値+192で互角。

この手の▲5五歩は後手の角道を止めるような手ですが、狙いは別にあるようです。

▲5五歩に△7四銀なら、▲4五銀△3三銀▲3六歩△4四歩▲5六銀△8五銀▲7六歩△8六歩▲7五歩△8七歩成▲同金△9六銀▲8六金で、ソフトの評価値+805で先手優勢。

この手順の▲4五銀に△8五銀なら、▲5四歩△同歩▲3四銀が狙いです。

5筋の歩は▲5四歩と突き捨てることで、後手の飛車の横利きを止める狙いがあるみたいです。

よって▲4五銀に△3三銀▲3六歩として次に▲3五歩と狙います。

後手は△4四歩と受けますが、そこで▲5六銀と引いて駒を繰り替えるのが読みの中では見えづらいです。

後手は△8五銀としてやや単調ですが8筋の突破を目指すのに対して▲7六歩として、先手の角道を開くのも見えづらいです。

先手は7八の金のままで6八角の利きを使って受けるというのがスマートな受けのようで、△8六歩の合わせの歩に▲7五歩として△8七歩成に▲同金として受けます。

たしかにこれで受かるのであれば、実戦の▲8八金から▲7八玉より駒のあたりが少ないさっぱりとした受け方ですが、かなり難しい指し方で多分実戦では浮かばないような気がしますし、浮かんでも指しこなせないような感じもします。

ただし、このような形の受け方があると分かれば今後に役にたちそうです。

どのような形で8筋の棒銀を受けるかが参考になった1局でした。