後手のと金攻めの受け方


上図は、相居飛車からの進展で後手が△8六歩と打った局面。ソフトの評価値+879で先手優勢。

後手が角損をする展開で普通はない形ですが、先手に序盤で角を取らせてきました。

後手の角を取らせるのは、うっかりなのか予定なのかは不明です。

この局面で驚いたのは、評価値は先手優勢でもびっくりするほどの差が開いていないということです。

序盤で先手が角得でも、評価値が1000点以上にもなっていないということです。

角得以外はほとんど序盤の形なので、後手陣に隙がないのが理由なのかもしれません。

このあたりは人間の感覚とソフトの感覚は大きく違うという感じで、人間の場合は序盤で角得だと先手必勝と過大評価しがちで、このあたりは気をつけないといけなかったようです。

評価値が800点位での逆転などは、普通に将棋を指していればよくあることです。

後手が△8六歩と打った形で次に△8七歩成が狙いですが、早指しだとこのような局面でとっさに対応するのが難しいです。

時間がたくさんあれば△8七歩成を受けることができても、短い時間での直感で受けが浮かばないと難しいです。

実戦は△8六歩以下▲6六角△8七歩成で、ソフトの評価値+593で先手有利。

この手順は▲6六角としましたが、当然後手は△8七歩成としてと金ができました。

形勢はまだ先手が有利みたいですが、気分的には全くの互角です。

▲6六角は良くないと分かっていましたが、別の受け方が浮かばなかったので仕方ない感じです。

▲6六角では▲6九角がありました。ソフトの評価値+911で先手優勢。

この手は8七に地点に1枚受け駒を増やす手で、数の攻めには数の受けです。

8七の地点は後手の攻め駒は8二の飛車と8六の歩の2枚に対して、先手の受けは7八の金と6九の角の2枚です。

2対2など同じ場合は、先に攻めた方が枚数が少なくなり失敗するので短い時間でも▲6九角は浮かばないといけませんでした。

初見のような局面はつい候補手が浮かばない場合があるので、数の攻めには数の受けという初心に帰る必要があったようです。

ただし、▲6九角は角の働きがいまひとつ悪いので数手前に工夫すべきだったようです。

△8六歩と垂らす前に▲7七金と上がり、以下△8六歩なら▲7八銀で、ソフトの評価値+1194で先手優勢。

この手順は△8六歩と垂らす前に▲7七金と上がるのが少し浮かびづらいです。

▲7七金と上がる形があまりいい形でないという先入観があるのですが、後手の持ち駒に歩しかないので△8六歩には▲7八銀と上がれるのが大きいです。

金と銀の形が逆形ですが、8七の地点は金と銀の2枚が受けに利いています。

こちらの方が受け方としてはスマートで、持ち駒に角があるので形勢は盤上に角を打って受ける▲6九角よりはるかによさそうです。

ただしこの受け方は△8六歩と垂らしてから▲7八銀と上がるのが形で、△8六歩と打っていない形で▲7八銀と上がると△8八飛成と角を取られるので要注意です。

後手のと金攻めの受け方が参考になった1局でした。