上図は、先後逆で▲5六銀と6五の銀が引いた局面。ソフトの評価値-405で後手有利。
後手が△6四歩と打った手に▲5六銀と引いた局面です。
先手が石田流に対して後手が左美濃に構えました。
先手は囲いがまだ途中の段階で、6筋の歩を交換したのがやや珍しい指し方です。
ここで後手の手番ですが、後手玉が3一の形なのでやや弱いため△2二玉としたのですがこれが少し甘かったようです。
実戦は▲5六銀以下△2二玉▲9八香△9五歩▲同歩△同香▲9六歩△同香▲同飛△7七角成▲9二飛成で、ソフトの評価値-152で互角。

この手順の△2二玉は玉を深く囲うことで少しでも玉の耐久性を高めました。
以前別の将棋で左美濃の△3一玉型のまま戦いを起こしてひどい目にあったことがあったので、△3一玉型は囲いとして中途半端という勝手なイメージがありました。
部分的には△2二玉は自然な手ですが、ここで先手が▲9八香としたのが何気に後手の仕掛けを緩和した手でした。
後手は守りが完成したので△9五歩から動いていきましたが、これは数手前に先手が6筋の歩を交換したことで、後手の角道が通ったから仕掛けました。
この後手の仕掛けはたまにあって後手は桂馬を取って馬ができますが、先手は香車を取って龍ができるという展開です。
この局面は互角のようですが、先手は▲9八香と数手前に上がっているので△9九馬として香車を取ることができません。
何気ないところですが、この展開は後手は駒得になっていないので互角のようです。
△2二玉では△9五歩がありました。
△9五歩▲同歩△同香▲9六歩△同香▲同飛△7七角成▲9二飛成△9九馬で、ソフトの評価値-354で後手有利。

この手順は先手が▲9八香と上がる前に△9五歩と仕掛けます。
この変化手順は実戦とよく似ていますが、最後の△9九馬と香車を取れるのが大きく後手が桂得です。
先手の9筋の香車の位置で、仕掛けた後の評価値が微妙に違うのが興味深いです。
△9九馬以下▲9五龍△8二飛▲8四香△7七馬▲8五龍△9三桂▲9四龍△9二飛▲8三香成△7六馬▲8四龍△8五馬▲7三龍△7二歩▲6三龍△同馬▲9二成香△9九飛で、ソフトの評価値-923で後手優勢。
この手順は▲9五龍から▲8四香として後手の飛車を狙う手ですが、後手も△7七馬から△9三桂と取られそうな桂馬を逃げて、後手の龍を馬で追う展開です。
簡単に駒を取らせないというのと、馬を使って後手の龍に対抗するのが面白い手順です。
最後の△9九飛で駒割りは銀と桂馬の交換ですが、△9九飛は角取りと同時に次に△2七馬▲同玉△4九龍からの寄せを狙っているので後手が指せているようです。
先手も囲いが中途半端なので反動もきついようです。
少しの形の違いで早く仕掛けるのが参考になった1局でした。