上図は、後手横歩取り△3三桂型からの進展で△9四歩と突いた局面。ソフトの評価値+143で互角。
横歩取り△3三桂型はたまにでる手ですが、久しぶりに対応するとあることを忘れてしまうことがあります。
何度も指していると意識して気をつけているのですが、この展開はよくある筋で失敗のパターンです。
実戦は▲8七歩△2四飛▲2七歩で、ソフトの評価値±0で互角。

この手順は▲8七歩と▲2七歩と打った展開で、ぱっと見だと自然なようにも見えます。
先手の▲8七歩は後手の飛車が直通しているので事前に受ける手で、△2四飛に▲2七歩と受けるのも飛車成りを受ける形です。
先手は序盤で後手の横歩を取ったため1歩得になっているのですが、先手は受けに持ち駒の2歩を使う形で、先手の持ち駒が1歩に対して後手が2歩になりました。
横歩取りの戦型は飛車や角や桂馬などの飛び道具を使うことが多く、それらの駒の活用には持ち駒の歩を使って相手の形を少し崩してから手を作るというのがあり、持ち駒の歩の数は大事です。
まだ何気ない局面ですが、後手は後手から見て右の方に玉を囲う形になると、先手は8筋の歩が切れている方が手が広いです。
8筋の歩が切れていると▲8二歩や▲8三歩の垂らしの歩があり後手玉にプレッシャーがかかります。
そのような意味で8筋に歩を使うのは手堅いようでももったいなかったです。
昔の将棋でも、横歩取り△3三桂型に先手は簡単に8筋の歩を▲8七歩と受けのみで使うということは少なかった記憶があります。
また、このような感覚はソフトで検証していると何気に評価値が下がっていることで気がつきます。
ソフトがなければ全く気がつかずに見逃しやすいのですが、ソフトで検証すると数値となって示されるのでそこで考えることになります。
そのような意味でソフトで検証することをうまく使えば役に立ちます。
ただし評価値が下がっても互角の範疇だと分かったというレベルです。
▲8七歩では▲2六飛がありました。ソフトの評価値+122で互角。

この手順は▲2六飛と3六の飛車を1つ移動した形です。
何気ない手ですが、後手からの△2四飛を防いでいます。
後手が△2四飛と回るためには△2五歩と打ってから△2四飛と回ることになりますが、1歩を使って△2四飛と回るため実戦より歩の数が1枚少なくなります。
▲2六飛に対して△8六歩が少し気になります。
▲2六飛以下△8六歩▲6六角△8五飛▲8八銀で、ソフトの評価値+528で先手有利。
この手順は△8六歩には▲6六角が飛車取りの先手で、△8五飛に▲8八銀と受けた形が先手有利なのは驚きました。
▲8八銀では▲8八歩もソフトの候補手にありますが、推奨手は▲8八銀です。
これも将来8筋に歩を使って攻める狙いを残す意味だと思います。
後手が△8六歩と打っても8七の地点に2枚受けが利いており、△8六の歩が活用しづらいということのようです。
▲2六飛に△4五桂なら▲2二角成△同銀▲8八歩△5四飛▲4六歩△5七桂成▲同銀△4九角▲同玉△5七飛成▲6六角で、ソフトの評価値+747で先手有利。
この手順はやや無理筋ですが、後手から△4五桂と動いてきた形で8筋は飛車が直通しちるので油断できません。
この場合は角交換をしてから▲8八歩と下から歩を打つのが手堅いです。
▲8八歩で▲8七歩もありますが、将来△4四角のような狙いがあるともう1手受けの手を指さないといけないので、▲8八歩の1手で相手の手を消すことができます。
後手はこの筋が無理なら▲2六飛には別の手を指しそうです。
序盤の何気ないところが参考になった1局でした。