自陣に金を打って攻めを継続する

上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲6九金と打った局面。ソフトの評価値-1745で後手優勢。

後手が△7九角~△5七歩成とと金を作ったのに対して▲6九金と金を打った展開です。

駒の損得はなくいい勝負のようですが、後手玉が固く攻めを続ければいい形なので後手が少し指しやすいようです。

ただし、後手は角が取られる形なのと9二の飛車が攻めに参加していないので、攻めが継続できるかが重要です。

対局中は、少し後手が指しやすくても実戦的にはまだ大変かと思っていましたが、後から検討してみると後手がかなりいいので驚きました。

このあたりは形勢判断が全くできてなかったようです。

実戦は△6八角成▲同金△同銀不成で、ソフトの評価値-1353で後手優勢。

この手順は△6八角成から角と金の交換になる手ですが、このやりとりは後手がだいぶ損をしたようです。

盤上から6九の金がなくなったので、先手としては6九の金が捌けたということになります。

後手は6七の銀を活用して△6八銀不成と進むのですが、次に△4七ととしても▲6八飛があり、また△7七銀成としても▲5七金とと金が取られてしまいます。

少し後手の駒の働きが重たいようで、後手有利とはいえ小駒だけの攻めではまだ大変です。

△6八角成はほとんどノータイムで指したのですが、先手の6九の金はいじらない方がよかったようです。

ただし、この局面もまだ後手優勢だったようで、自分の感覚とだいぶ違っていました。

と金で金が取れる形なので、相手玉が薄くなるのが大きいようです。

なおソフトは△6八角成では△4七とを推奨していました。

▲6九金以下△4七と▲7九金△6三金で、ソフトの評価値-1679で後手優勢。

この手順は△4七とで金を取って▲7九金に△6三金と金を打ちつける手です。

△6八角成以外の別の手となると△4七とになりますが、▲7九金と金がやや遊び駒になるのが大きいです。

と金が4七に進むことで先手玉に近づきますが、まだ攻めの戦力が不足しているのでここでの指し手が難しく△6三金が意外でした。

△6三金は浮かびにくく、取ったばかりの金は相手玉の攻めに使うとか、自陣の玉のまわりに埋めるなどは浮かびやすいのですが、自玉や敵玉から離れたところに打つというのが難しいです。

大駒の両取りの金を打つのはまだ浮かびやすいのですが、△6三金と打っても先手の6四の角を取り切れるかが短い時間では判断しにくいです。

角を取り切れないと6三の金が遊び駒になる可能性があります。

△6三金に▲8三銀なら△5二飛で、ソフトの評価値-2074で後手勝勢。

△6三金に▲8三銀は悪い手ですがこの場合は△5二飛があり、先手の持ち駒に歩があれば▲5三歩と叩いて飛車の利きを止めることができますが、持ち駒に歩はありません。

△6三金に▲5五角△5六銀成▲3三角成△同金な▲4一角△5四角で、ソフトの評価値-1888で後手優勢。

この手順の▲5五角は角が逃げる手でこれはソフトの推奨手ですが、△5六銀成が少し意外でした。

△5六銀成では△5二飛と遊んでいる飛車を活用する手も目につきますが、▲9一角成△5九飛成▲8一馬△5三金▲4五桂で、ソフトの評価値-1466で後手優勢。

人間の感覚だと飛車が敵陣に成りこめればかなりの成果になるのですが、先手の9八の飛車が受けに利いているのと後手は攻め駒が少ないので、そこまで評価値が伸びていないようです。

後手の9二の飛車は攻めより受けに利いているので、遊び駒の6七の銀を活用するのがソフトの考えのようです。

自陣に金を打って攻めを継続するのが参考になった1局でした。