上図は、後手横歩取り△3三桂型からの進展で△1五歩と突いた局面で、ソフトの評価値+272で互角。
後手が横歩取り△3三桂型にするとこのような局面はよくありそうな形で、先手は中住まいの囲いです。
後手は美濃囲いから将来△8三銀△7二金の銀冠にすることも可能です。
先手は囲いが完成しているので、ここからゆっくりした手を指すとさらに後手がいい形になるので何か動いていきたいです。
実戦は▲5五角△5四銀▲8八角で、ソフトの評価値+99で互角。
この▲5五角は▲2六飛とぶつける手や、後手の飛車がいなければ▲7四歩△同歩▲9一角成を狙った手ですが、△5四銀に▲8八角と引いた形は効果が不明です。
先手は方針が定まらずに手待ちみたいな手を繰り返すと、後手の陣形がさらによくなっていきます。
そのような意味で▲5五角はあまりよくなかったようです。
▲5五角では2通りの指し方がありました。
1つは▲5五角で▲7七桂△8三銀▲7四歩で、ソフトの評価値+217で互角。

この手順は▲7七桂と跳ねて桂馬を活用します。
▲7七桂は将来攻めに活用する手ですが、先手は角の利きが狭くなるのである意味決断の手になります。
駒を前進して手を作りにいくというのは、玉の囲いが完成していれば自然な感覚だったようです。
△8三銀は一時的に駒が浮きますが、8四の歩を飛車だけで守っていると後手の飛車が縦に動くと▲8四飛と歩を取られてしまいます。
よって△8三銀としたのですがそこで▲7四歩が鋭いです。
先手の攻め駒は飛車と角と桂馬だけですが、これで手になるのかが気になります。
▲7四歩に△同歩なら▲5五角△6四歩▲6六飛△7二金▲6四角で、ソフトの評価値+789で先手有利。
この手順は先手の理想的な展開ですが、△7四同歩とすると▲5五角~▲6六飛が厳しいです。
後手は△7二金と守る手が1手遅れているので▲6四角とすると先手の攻めが成功しています。
▲7四歩に△同銀なら▲8四飛△8三歩▲8九飛△6四歩▲7五歩で、ソフトの評価値+692で先手有利。
この手順の△7四同銀はさすがに形が悪く、▲8四飛~▲8九飛で次の▲7五歩で銀を取りにいく手に後手は受ける形がないです。
▲7四歩に△同飛なら▲8七金△7二金▲7六金△2四飛▲7五金で、ソフトの評価値+117で互角。
この手順は△7四同飛が自然ですが、▲8七金~▲7六金を金を攻めに使うのが盲点で中住まいの金は守りのの駒という先入観があるとこの手順は浮かびません。
この手順は全く気がつきませんでした。
もう1つは▲5五角で▲7七銀△8三銀▲7六銀△7二金▲7七桂で、ソフトの評価値+192で互角。

この手順は▲7七銀~▲7六銀~▲7七桂して、攻めは飛車と角と銀と桂馬の4枚という自然な駒組みです。
▲7四歩と突くよりはこちらの方が自然な感覚だと思います。
後手は銀冠に組み8四の地点を銀と飛車で守る形です。
8四の地点は後手の守り駒の方が多いのでいま直ぐに先手が攻めるということにはなりませんがいつでも▲8五歩と合わせる手があり、後手としてはプレシャーになります。
▲7七桂以下△6二玉▲8九飛△5二玉▲3六歩で、ソフトの評価値+228で互角。
この手順は後手は△6二玉~△5二玉とする手で、後手は銀冠にしたのに△8二玉としないのは少し違和感がありますが、後手は2四の飛車の利きが8四からそれると▲8五歩△同歩▲同銀の攻めがあります。
先手の攻め駒に後手玉を近づけるのは勇気がいりますので△5二玉としています。
先手は▲8九飛~▲3六歩として2次的な駒組みになりそうですが、後手は8四の地点を守ることで△5四歩などはできないので後手に制約がかかっています。
そのような意味で先手が少し指しやすいようです。
銀冠には銀頭を攻める形にするのが参考になった1局でした。