上図は、後手ゴキゲン中飛車からの進展で△5三銀上とした局面。ソフトの評価値+182で互角。
先手が▲3七銀型の超速に対して、後手が玉の囲いを少し省いて中央に銀をもってきた展開です。
▲3七銀型の超速は2九の桂馬を早い段階で▲3七桂~▲4五桂と活用しますが、後手が銀を中央に配置することで仕掛けを封じる形です。
後手の△5三銀が一瞬重たい形なので、ここで先手が動くかどうかという局面です。
対局中は後手玉がそんなに固くならないと考え仕掛けを見送りました。
実戦は▲5八金右△5四銀▲9六歩△9四歩▲6八金寄△6二金▲7七角△6四歩▲8六角△6三金で、ソフトの評価値-54で互角。

この展開は▲5八金右として仕掛けを見送る手で以下▲6八金寄と玉を固めます。
後手は銀2枚を中央に並べて先手の仕掛を封じる形で、▲8六角には△6三金と守ります。
銀が2枚中央に並んだ形に対して先手は▲3七桂からの活用はしづらいです。
4五の地点は後手の銀が2枚受けに利いています。
先手が動くなら△6三金に▲7五銀ですが△4二角で次の手がなく、▲6六銀と引いても△3三角で千日手模様になります。
また△6三金に▲3八飛として▲3五歩の仕掛けを狙うのは、△3二飛▲3五歩△同歩▲同銀△1五角で、ソフトの評価値-221で互角。
この仕掛けも後手の△1五角の幽霊角に対する先手の受け方が難しく、あまり仕掛けがうまくいっていない感じです。
また先手はここから穴熊を目指す展開もありそうですが、後手は△7四歩~△7三桂~△8四歩として先手の駒組みに対応すればよさそうです。
先手は6六の銀と8六の角が少し重たい形で、ここからの持久戦には向きません。
▲5八金右では▲5五銀左がありました。
▲5五銀左△同銀▲同角△4四銀▲8八角で、ソフトの評価値+129で互角。

この手順は▲5五銀左として1歩得をしてから銀交換になる展開です。
さっぱりとした形になりますが、ここから後手が動いてくる手が考えられます。
▲8八角に△4五銀なら▲6六銀△3六銀▲3八金△4四銀で、ソフトの評価値+164で互角。
この手順は△4五銀は▲同銀なら△8八角成▲同玉△5五角の王手飛車が狙いですが、▲6六銀と5七の地点を補強しながら受けます。
△3六銀に▲3八金では▲5八金右が自然なように見えますが、△2七銀打▲4八飛△1五角のような手があります。
先手は1筋の歩を突いていないのでいつでも△1五角のような狙いがあります。
▲3八金に△4四銀は少し重たい形ですが、先手の6六の銀も重たい形なのでバランスは取れているようです。
▲8八角に△6五銀なら▲3七桂△7六銀▲5八金右△6二金▲6八金寄で、ソフトの評価値+146で互角。
この手順の△6五銀はゴキゲン中飛車ではよくでる手で、△7六銀として先手の玉の守りの歩を取る狙いです。
7六の歩がなくなると先手の玉の守りが少し弱体化すると同時に、後手玉が終盤△8四玉とした形は7六に歩がいないと簡単には寄らない形になります。
そのような意味で地味ですが、△6五銀~△7六銀は価値の高い手だと思っています。
△6五銀に▲7七銀と受ける手もありそうですが、△5五銀▲5八金右として先手が辛抱するような展開になります。
それも1局ですが、先手は1歩得で角道が止まっているのに対して、後手は飛車と角筋が通っているのでやや先手が受け身になります。
どの展開になってもまだ難しい将棋ですが、先手は▲4六銀と▲6六銀の2枚銀の形にすれば相手の仕掛を封じながら銀を捌くのが本来の狙いになりますので、最初の局面で▲5五銀左は自然だったようです。
2枚銀の銀を捌くのが参考になった1局でした。