端攻めをするも意外と難しい

上図は、先後逆で角換わり腰掛銀からの進展で▲9五同歩とした局面。ソフトの評価値-78で互角。

後手が9筋の歩を突き捨てて▲9五同歩とした展開です。

後手は6四の角をいかして端攻めをしたいところですが、どのように手を作っていくかという局面です。

実戦は△9七歩▲8六銀で、ソフトの評価値+5で互角。

この展開は6四の角をいかすなら△9七歩は自然な手で、▲同香なら△8五桂が調子がいいです。

△9七歩▲同香△8五桂▲8六銀△9七桂成▲同銀△同角成▲同桂△7五歩で、ソフトの評価値-328で後手有利。

この手順は△8五桂~△9七桂成~△同角成と角を捌く手で、最後の△7五歩で▲同歩なら△7六香のような狙いです。

このような展開になれば後手もまずまずですが、△9七歩には▲8六銀でどうかという展開です。

後手は歩切れなので△3五歩と手を戻すのはありますが、▲4五桂と指されると先手の桂馬も働いてくるので微妙です。

また▲8六銀に△6六歩は▲同歩△同銀▲6七歩ではっきりしません。

▲8六銀に実戦は△4六銀としたのですが▲同銀△同角で、ソフトの評価値+10で互角。

この手順の△4六銀からの銀交換は後手にとっても特になっているか微妙で、△4六同角には▲4二歩のような手があり、次に▲4一銀があるため△4二同玉としますが▲3四歩でうるさいです。

また▲8六銀に△同角▲同歩△9五香は、▲9七香△同香成▲同桂△9六歩▲8五桂△9七歩成▲6八玉△8五飛▲8六歩△同飛▲9五角△9六飛▲4一角△同玉▲6二角成で、ソフトの評価値+14で互角。

この展開は△8六同角から角と銀の交換で9筋を攻める展開ですが、先手は途中で▲6八玉とすると2九の飛車が下段の受けに利く形でまだ大変です。

これらを見ると、単純に端攻めをしても簡単に後手有利にならないというがの興味深いです。

△9七歩では△7五歩がありました。

△7五歩▲同歩△9七歩で、ソフトの評価値-85で互角。

この手順は実戦と似ていますが、△7五歩▲同歩と7筋の歩を突き捨ててから△9七歩と垂らす手です。

後手の角が6四にいるのに△7五歩として、角の利きを止めてから△9七歩と垂らすのは初めて見ました。

角の利きが止まると8筋や9筋に角を殺到する筋がなくなるので、少し意味が分かりにくいです。

△9七歩に▲同香なら△8五桂が調子がいいので、△9七歩には実戦と同じように▲8六銀とします。

△9七歩▲8六銀△6六歩▲同歩△同銀▲6八玉△7五銀▲同銀△同角▲7六銀△4二角で、ソフトの評価値-121で互角。

この手順は▲8六銀には△6六歩▲同歩△同銀と6筋の歩を交換するのが盲点です。

△6六同銀に▲6七歩なら△7五銀▲同銀△同角と、7五の地点で銀交換できるのが△7五歩と突いた効果です。

先手は▲6八玉として2九の飛車を1段目の受けに利かす形で、しかも9筋から遠ざかっているので後手からの9筋の端攻めは重たくなります。

このあたりの指し手は結構難しく、お互いに手を尽くせば片方が簡単に有利にならないようです。

特に後手の立場としては、攻めているけど簡単に有利にならないというのは気持ちの持ち方が大変ですが、将棋というのは本来そのようなものと考えた方がいいかもしれません。

お互いに最善を尽くせば互角で、相手がちょっとしたミスをすればそれに反応できるかが大事なような気がします。

端攻めをするも意外と難しいのが参考になった1局でした。