上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲5五歩と銀を取った局面。ソフトの評価値-1643で後手優勢。
後手が△6七歩成としたときに先手が▲5五歩と銀を取った形で、ここで後手の手番なので普通は△7八とか△5八とのどちらかです。
後手は3五に攻めの歩の拠点が残っているのが大きく、先手は簡単に上部には出られません。
実戦は△7八と▲3九飛△7六歩▲6六歩で、ソフトの評価値-1055で後手優勢。
この手順は△7八とで金を取ってしかも飛車取りになるので魅力的な手ですが、▲3九飛と逃げた形は将来▲3五飛として攻防に働いてくる可能性があります。
これでも後手優勢のようですが、▲6六歩と受けられると△同角は▲同桂ですので後手の角の働きがいまひとつになります。
ソフトは△7八とでは△5八とを推奨していました。
△5八とに▲同金なら△3六角▲4八玉△7六歩で、ソフトの評価値-4517で後手勝勢。

この手順は△5八ととして桂馬を取る手で、▲同金には△3六角が厳しいです。
▲4八玉と逃げると△7六歩が後手の8四の角を働かす手で、▲5七銀と打っても△5八角成▲同玉△5七角成以下詰みです。
2枚の角と桂馬の働きが抜群によく、あまり見ない筋ですが後手勝勢です。
△5八とに▲同玉なら△7六歩で、ソフトの評価値-1580で後手勝勢。

この手順は▲5八同玉とした形ですが、そこで△7六歩が地味ながら力の入った手です。
自分の感覚だと△7六歩ではつい△6六桂から考えるのですが、▲4七玉△7八桂成▲3九飛で、ソフトの評価値-1901で後手優勢。
△6六桂はソフトの候補手の1つで、この手順は実戦と似たような形になります。
桂馬を使って金を取る形で金は取れるのですが、桂馬がややそっぽにいくので活用しにくく、△7六歩より少し損をしているのかもしれません。
△7六歩以下▲6四歩△3六角▲4七金打△5六桂▲5九銀△4八桂成▲同銀△5七金▲6九玉△4七角成▲同銀△6八金▲同金△同金▲同玉△5七角成▲5九玉△4八金▲6九玉△4七馬▲7九玉△7八銀▲8八玉△7七歩成▲9八玉△8七と▲同飛△同と▲同玉△8六歩▲同銀△7七飛▲9六玉△6九馬まで詰みです。
この手順は少し長いのですが、▲6四歩は実戦的にも後手は嫌な手で△同金なら▲6六歩△同角▲7三銀がうるさいです。
▲6四歩の金取りを無視して△3六角が鋭く、▲4七金打には△5六桂が2枚の角の利きをいかした継続手です。
おそらくこの手は自分では浮かばないです。
以下▲5九銀の受けには△4八桂成~△5七金で先手玉が寄っているようです。
つい持ち駒を使って攻めたくなるところを、盤上の大駒を活用して攻めに厚みを増すのが本筋のようです。
ただしこの寄せには難しい手が含まれているので、このあたりを対局時に考えることができるがが大きな課題です。
鋭い寄せがあっても、水面下の変化手順を自分で読めなければ別の手を選択しなければならないので、このあたりが難しいです。
2枚の角を使って玉を寄せるのが参考になった1局でした。