銀を取られる形で手を作る

上図は、先手右四間飛車に後手矢倉に組んだ展開で△5五歩と突いた局面。ソフトの評価値+111で互角。

後手の9二の角が少し違和感がありますが、6五の銀が▲7四銀と歩を取った時に△9二角と打って以下▲6五銀△5五歩と突いた形です。

先手は1歩得ですが銀がやや不安定で、後手から△6四歩▲同銀△2九角成のような狙いがあります。

これを防ぎながら先手は銀をどのように活用するかという局面です。

実戦はここから▲4七角だったのですが、以下変化手順で△7三銀▲7五歩△4二玉▲7四歩△8四銀で、ソフトの評価値-75で互角。

この手順は▲4七角と6五の銀にひもをつけた手に後手は△7三銀として次に△6四歩を狙います。

先手は▲7五歩と突いて△4二玉に▲7四歩とする手ですが、△8四銀とされてはっきりしません。

後手の角の働きは止まっていますが、6五の銀がいなければ働きはよくなります。

それに対して先手は4七の角と4八の飛車の働きがいまひとつです。

4七の角は6五の銀を守るために打ったような角なので、使い道が少ないです。

▲4七角では▲3七桂がありました。ソフトの評価値+125で互角。

この▲3七桂は指されてみればなるほどですが、△6四歩と△7三桂と指されたときの対応が気になります。

▲3七桂に△6四歩なら▲同銀△2九角成▲6五角△1九馬▲2五桂△4二銀▲4五歩△5二香▲4四歩△5四金▲同角△同香▲4三金で、ソフトの評価値+1048で先手優勢。

この手順は△6四歩として先手の6五の銀をずらすことで△2九角成とします。

△2九角成は次に△1九馬と香車を補充する手があるので先手は忙しいです。

香車を守るだけなら▲1八香のような手もありますが、△7四馬▲7五銀△6三馬で、ソフトの評価値+99で互角。

この手順は後手も馬を自陣に引く形で十分戦えます。

よって先手は△2九角成には▲6五角と打って、△1九馬に▲2五桂と桂馬を活用します。

△4二銀と逃げれば▲4五歩が厳しく、△同歩なら▲4四歩△同金▲3二角成のような狙いがあります。

▲4五歩には△5二香と受けましたが、▲4四歩以下▲4三金と打ち込んで先手優勢のようです。

これらの手順は△2九角成とすれば先手失敗と思って読みを打ち切るのでなく、△2九角成とされてもそこから手がないかと考えるのが大事なようです。

そのためにはある程度の考える時間が必要なのですが、最悪直感でも▲4七角のような手はだめで、△2九角成とされてもなんとかなるのではないかと思うような大局観が必要かもしれません。

▲3七桂に△7三桂なら▲7七桂△4一玉▲8八玉△4二銀▲6七金右で、ソフトの評価値+92で互角。

この手順は△7三桂と跳ねられると銀が取られる形ですが、▲7七桂とします。

△6五同桂と銀を取る手はありますが、▲同歩でやや味消しになりますので後手は△4一玉とします。

以下先手は▲8八玉~▲6七金右とやや地味な展開にします。

後手の△4二銀では△3一玉が形ですが、▲7五角△2二玉▲9三角成のような手があるので、それは9二の角をとがめています。

▲6七金右でいい勝負のようですが、先手は持ち駒に角があるのが主張のようです。

銀を取られる形で手を作るのが参考になった1局でした。