上図は、先後逆で居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲9七香と上がった局面。ソフトの評価値-241で互角。
平成の時代によく流行った相穴熊からの進展で、先手が4筋から攻めてきて角交換になりました。
先手の▲5三角に△8八角と打って▲9七香と上がった形です。
対局中は先手から次に▲6四角成と分かりやすい狙いがあるのに対して、後手は次の手が難しいと思っていました。
駒得する手がありませんし、狙いがはっきりするような手が見えませんでした。
結局もたれて指すしかないと思い△6六角成としました。
実戦は△6六角成▲6四角成△9二飛▲5四馬△8二飛で、ソフトの評価値+278で互角。

この手順は△6六角成と馬を作りましたが、次に狙いは△7六馬くらいで特別な狙いはありません。
先手は▲6四角成として飛車取りで、後手は9一の香車を守るため△9二飛とするしかありません。
以下▲5四馬で次に▲8一馬を桂馬を取る狙いがあるので、守るなら△8二飛とするしかありません。
このやりとりはだいぶ先手が得をしたようで、先手は馬の働きがいいです。
また先手は歩を使える筋が多く、▲4四歩や▲6四歩などの垂れ歩があります。
それに対して後手は4枚穴熊で固いのですが、飛車と馬の働きがいまひとつなのと8一の桂馬が使えていないのが痛いです。
決して後手が不利ではありませんが、気がついたらちょっと指しにくいという感じです。
△6六角成では△8三飛がありました。ソフトの評価値-241で互角。

この手順は△8三飛と角取りに浮く手ですが、この手はぱっと見で指しにくいです。
▲6四角成とされると次に▲9一馬と香車が取られる形になり、後手の守り方が分かりません。
こういうところで指し手のセンスが問われる感じです。
△8三飛以下▲6四角成△8六歩で、ソフトの評価値-230で互角。
ソフトは9一の香車を守るという発想はないようで、飛車をできるだけ活用するような展開にしたいようです。
△8六歩に▲同歩なら△6六角成▲6七金△4四馬▲7七桂△6三歩▲9一馬△8六飛で、ソフトの評価値-321で後手有利。
この手順は後手の理想的な展開ですが、△8六歩に▲同歩とすると先手の6四の馬がいなければ△8六飛とすることができます。
後手はそれが狙いのようで、△6六角成▲6七金に△4四馬と辛抱して、▲7七桂と桂馬の活用を狙えば△6三歩が地味な手ですがこの手がいい手で、▲9一馬に△8六飛とできます。
後手は香損ですが、飛車を活用できるのが大きく4枚穴熊がいきそうな展開です。
△8六歩に▲7四馬なら△7三飛▲同馬△同桂▲8三飛△8七歩成▲同飛成△6六角成▲6九飛△6七歩▲同銀△4四馬▲4七歩△1五歩で、ソフトの評価値-320で後手有利。
この手順は△8六歩に▲7四馬と飛車取りにきたのですが、強く△7三飛とするのが鋭いです。
後手から飛車と角の交換を目指すのですが、働きの悪い飛車と働きのいい馬との交換は後手は得です。
以下飛車と角の交換から▲8三飛には△8七歩成とできるのが大きく、7三の桂馬が飛車で取られません。
以下は後手は馬を作って、△6六馬~△4四馬から△1五歩と1筋に手を求めるのが盤上を広く使った手です。
今までは6筋~8筋で戦いが起きていたのですが、急に1筋に手が伸びると少し驚きます。
後手は馬を作っての4枚穴熊なので、そちらの方面で戦いを起こした方が戦力がいきやすいようです。
香車を守らずに飛車の活用を目指すのが参考になった1局でした。