△8二飛の形のまま仕掛ける

上図は、令和元年以前の対局から、先後逆で相居飛車からの進展で▲6八金右とした局面。ソフトの評価値-122で互角。

対局中は、ここから攻めることも考えたのですが、先手に少し攻めさせてから動いた方がいいかと思って自重しました。

本譜は△8一飛▲3五歩△同歩▲2六飛で、ソフトの評価値+215で互角。

この手順は、△8一飛と仕掛けを見送ったのですが、▲3五歩~▲2六飛で3筋に空間があいたので、後手が仕掛けると反動もきつく少し指しにくくなった感じです。

また△8一飛は角を渡すと▲7二角のような手もあるので、それなら△8二飛のままで、▲7三角には△8一飛の方が良かったです。

△8一飛では△7五歩がありました。

△7五歩▲同歩△9五歩▲同歩△9七歩で、ソフトの評価値-132で互角。

後手が仕掛けるなら7筋と9筋の歩は突き捨てておきたいです。

突き捨てた後の△9七歩が歩切れになるので、少し指しにくいです。

△9七歩は▲同香だとどこかで△8五桂とすれば、香車にあたるという意味です。

△9七歩▲同香△8五桂▲9六香△7五銀で、ソフトの評価値-248で互角。

この手順は、▲9七同香に△8五桂に▲9六香と逃げて後手に手がないようですが、ここで△7五銀がうっかりしやすいです。

△7五銀と出られるのは、7筋の歩を突き捨てた効果です。

△7五銀に▲同銀なら、△8八角成▲同玉△3九角▲2九飛△7五角成で、ソフトの評価値-710で後手有利。

この手順は、△3九角から銀を取り返して馬を作った局面は、次に△7七歩▲同桂△9七馬からの詰み筋が狙えるので、後手が指せそうです。

△7五銀に▲7四歩なら、△7七歩▲同桂△6六銀▲同歩△9七銀▲7三歩成△8八銀成▲同金△8一飛で、ソフトの評価値-208で互角。

この手順は、▲7四歩と垂れ歩を打って後手にプレッシャーをかけたのですが、後手も強く△7七歩から攻めてと金を作らせますが、角と銀の交換で少し駒得して△8一飛とすればいい勝負のようです。

△8二飛の形のまま仕掛けるのが参考になった1局でした。

駒得をして体力勝負にする

上図は、先後逆で筋違い角からの進展で▲2五桂と跳ねた局面。ソフトの評価値-1816で後手優勢。

駒割りは飛車と桂馬の交換で後手が駒得しており、後手玉は穴熊で固いので後手優勢です。

▲2五桂で後手に手番が回ってきましたが、どのように先手玉に迫るかという場面です。

持ち駒に飛車と角と銀があるので、1段目に飛車をおろすのが自然に見えました。

実戦は△7九飛▲6九歩△同飛成▲5九銀で、ソフトの評価値-2333で後手勝勢。

この手順は△7九飛と打って、次に△2九角▲同玉△4九飛成のような狙いです。

△7九飛に対しては先手は持ち駒を受けに使う形になるのでこれでも後手優勢です。

ただし、先手玉もそれなりに固くなってきたのでもう少し手数がかかります。

ソフトは別の手を推奨していました。

△7九飛では△3六歩がありました。ソフトの評価値-1944で後手優勢。

この手順は玉頭から歩を使って攻める手です。

持ち駒に飛車があるとつい敵陣に打って攻めに使いたいところを我慢して、歩を使って相手玉に嫌味をつける形です。

先手玉は玉頭が薄いので、そこを安い駒で攻めるというのがうまいです。

普通は3七の地点は金駒や桂馬が受けに利いていることが多いのですが、本局は玉しか利いていないので効果が大きいです。

相手の陣形のどこが弱いかを狙って攻めるのが効果的です。

△3六歩に▲同歩なら△3七歩▲同玉△5五角とします。

△5五角とした手が角を間接的に相手玉に睨んだ形で、これが詰めろになっています。

詰み手順は△3六飛▲同玉△4六飛▲3七玉△2八銀▲同玉△4八飛成▲1七玉△2八角成▲1六玉△1五歩▲2六玉△3七龍までです。

飛車を捨てる手や銀を捨てる手があり少しリスクの高い指し方ですが、詰ませるときは詰ました方がいいです。

△4八飛成が両王手の筋でぴったりの寄せです。

よって△3六歩に対して先手は駒を埋めて受けることにします。

△3六歩以下▲2六銀△7九飛▲5九桂△7六飛成で、ソフトの評価値-2059で後手勝勢。

この手順は▲2六銀と打って3七の地点を補強したのですが、そこで△7九飛と打ちます。

次に△2九角が厳しいので▲5九桂と受けましたが、そこで△7六飛成と銀を補充するのが興味深いです。

龍を引く形なので少しぬるいような感じもしますが、実質的な駒得は大きいです。

また先手は▲2六銀とか▲5九桂と持ち駒を受けに使っているので、後手玉がより安全になっています。

後手からすると穴熊の端攻めが嫌な形ですが、桂馬という駒を受けに使ってくれると端攻めが緩和されそれだけでも気分的にゆとりがでます。

また後手の持ち駒に銀が2枚あると、1枚は受けに使ってももう1枚は攻めに使えるので問題ありません。

先手玉にまだ詰み筋は見えませんが、後手は駒得しているので持久戦になっても困りません。

これが大会の切れ負け将棋であれば話は別ですが、こういう指し方が本筋のようです。

駒の損得の体力勝負にして、そこから持久戦にしても体力勝ちを目指す指し方です。

自分はつい無理気味でも相手玉に迫るような指し方をすることが多いのですが、こういう指し方も覚えないと終盤力がつかないのかもしれません。

先手が端攻めをすれば後手の持ち駒に桂馬が入りやすいので、それを今度は先手玉の攻めに使うような感じです。

駒得をして体力勝負にするのが参考になった1局でした。

受けの手を省いて攻めを継続する

上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△7三同角とと金を取った局面。ソフトの評価値+1596で先手優勢。

▲7三歩成と桂馬を取った手に△7三同角とした展開で先手の桂得です。

盤上は8八に歩が打ってあり桂取りになっていますが、先手がどう対応するかという局面です。

実戦は▲9七桂△4四歩▲8五桂△4六角で、ソフトの評価値+971で先手優勢。

この手順では▲8八同銀や▲8八同金もありましたが、8九の桂馬を活用する方が攻め駒が増えていいと思い▲9七桂~▲8五桂としました。

▲8五桂と跳ねた形は角取りになるので気持ちがいいのですが、この間に後手は△4四歩として桂馬を取れる形にしました。

△4六角には▲7三角と打つのがよかったのですが、▲7三角と打たずに▲3八金としたので△4五歩と桂馬を取られると、ソフトの評価値+618で先手有利。

この手順は△4五歩と桂馬を取られると後手玉が広くなり、▲4四桂と金の両取りに打つのは魅力ですが、最初の局面より評価値は大きく下がっています。

こういうところが勘違いしやすいのですが、直接後手玉を攻めれば評価値が上がりそうな感じもしますが、攻めが細いと後手も受けに対抗することができて逆に反撃するときには後手の駒が増えています、。

将棋で勝つには相手玉を詰ませるばいいのですが、必ずしも相手玉を直接攻めなくても優勢を拡大して回りから攻めていくという指し方があったようです。

▲9七桂では▲7四歩がありました。

▲7四歩△6四角▲7三角で、ソフトの評価値+1567で先手優勢。

この手順は△8八歩の桂取りを無視して▲7四歩~▲7三角と打ち込む手です。

▲7四歩は角取りなのでさすがに後手は角を逃げますが、そこで▲7三角が継続手になります。

▲7三角以下△同角▲同歩成△8一飛▲4六桂△8九歩成▲5四桂△同歩▲6三とで、ソフトの評価値+2456で先手勝勢。

この手順は角交換から△8一飛としたのですが▲4六桂が厳しく、後手は受けても仕方がないので△8九歩成としましたが、▲5四桂~▲6三とで先手勝勢です。

先手は4五の桂馬がいきているので、後手玉は狭いです。

▲7三角以下△同角▲同歩成△9二飛▲4六桂△4五銀▲同銀△8九歩成▲3四桂△3一玉▲7四角△7六歩▲同銀△8四桂▲9二角成△7六桂▲5八玉△9二香▲6一飛△4一銀▲6三と△同金▲5二銀で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は少し長いですが、角交換から△9二飛と横に逃げた場合も▲4六桂が厳しいです。

後手は△4五銀としてから△8九歩成としますが、今度は▲3四桂と右側に跳ねて王手になるのが調子がいいです。

△3一玉に▲7四角と飛車を攻めるがのいい手で、後手は△7六歩~△8四桂としてあやを求めます。

これに対して先手は受けるのでなく▲9二角成として△7六桂と銀を取られますが、▲5八玉と逃げるのが盲点です。

銀とただで取らせるのは普通はないのですが、先手陣は右側も手厚いので銀を取らせる間に後手の飛車を取るのが大きいです。

以下先手は飛車を取ると▲6一飛~▲6三と~▲5二銀で先手勝勢です。

3四の桂馬が後手玉の動きをとめています。

最初の局面の急所は4五の桂馬がいきている間に左側で手を作るということで、そのためには▲8八同銀や▲8八同金と受けに回らないということのようです。

△8九歩成としても間に合わないという局面にもっていく、先手の指し方がうまいです。

受けの手を省いて攻めを継続するのが参考になった1局でした。

相手玉を薄くして攻めを継続する

上図は、先後逆で角換わりからの進展で▲3四飛とした局面。ソフトの評価値-406で後手有利。

先手が▲2四飛と出た形のときに▲8二銀と打って、△同飛なら▲2一飛成の狙いがあるので△2三歩の受けに▲3四飛とした展開です。

取れる駒がたくさん当たっていて少し考えにくい局面ですが、お互いに危険な形でここが勝負所です。

実戦は△3三金▲4四飛△8二飛で、ソフトの評価値+555で先手有利。

この手順の△3三金は金取りを逃げての飛車取りですが、▲4四飛と角を取られるのをうっかりしており、△8二飛と銀を取り返しましたが▲4六飛と逃げて後手失敗です。

角と銀の交換の駒損になって局面が落ち着いたのでまずいです。

△3三金では△8八桂成がありました。

△8八桂成▲同金△同角成▲同玉△3三歩で、ソフトの評価値-516で後手有利。

この手順は取られそうな角を捌く展開で、金銀と角桂の交換でしかも先手玉が薄くなったのが大きいです。

最後に△3三歩と打つのが手堅く、うっかり△3三金などとすると▲8一銀不成△3四飛▲7四歩が次に▲4二飛△5一玉▲6二飛成△同玉▲5三角からの詰めろになります。

後手は歩切れになりますが、しっかり受けるところは受けるというのが大事なようです。

△3三歩以下▲8一銀不成△3四歩▲8二飛△9四香▲8四角△7七銀で、ソフトの評価値-2190で後手勝勢。

この手順は自分にとっては結構難しく、ぱっと見で意味が分かりませんでした。

飛車を取り合って▲8二飛と打つのは、間接的に飛車のラインに後手玉が入っているので危険な形です。

後手は△9四香として攻めを継続しましたが、この手がぱっと見でどの程度厳しいのかが分かりにくいです。

△9四香では△6九銀とか△6九飛が詰めろになるので、終盤戦であればそこから自分は考えると思います。

ただしこの△6九銀や△6九飛には▲8五飛成と桂馬を抜く手があり、桂馬がいなくなると急に先手玉が上部に広くなります。

それでもまだ後手が有利のようですが、上部に脱出できそうな玉を下から攻めるのは大変で、上部脱出の抑えになる盤上の駒が不足しているのでぎりぎりです。

▲8二飛は攻めだけでなく受けにも利いた攻防の手でした。

△9四香とすれば遊んでいた香車が働いて歩を補充しているので、盤上の駒を活用するというのは本筋のようです。

▲8四角は詰めろですが、ここで後手が持ち駒を受けに使うと戦力不足になるので、この瞬間に攻めますが△7七銀が強烈です。

この△7七銀は実戦ではまず見えません。

この△7七銀は焦点の銀捨てですが、先手は桂馬で取るか角で取るかのどちらかです。

△7七銀に▲同桂なら△6八飛▲7八銀△9八歩成▲7九玉△6九金▲同銀△8八飛成で詰みです。

これはうまくいきすぎですが、▲7七同桂なら△6八飛と近くから王手をするのが盲点です、。

△6八飛には合駒をするしかありませんが、▲7八桂なら△9八歩成▲同香△同香成▲同玉△7八飛成▲8八香△9六香▲9七歩△同桂成▲同角△8六桂▲同歩△8七金▲9九玉△9七香不成で詰みです。

これらより△7七銀に▲同桂は詰みです。

△7七銀に▲同角なら△同桂成で▲同玉は△5五角の王手飛車があります。

よって△7七同桂成には▲同桂とします。

△7七銀▲同角△同桂成▲同桂△6八飛▲7八桂△9八歩成▲同香△同香成▲同玉△7八飛成▲9七玉△6一香で、ソフトの評価値-1105で後手優勢。

この手順は7七の地点で清算してから△6八飛と打つ手で、▲7八桂以下ぼろぼろと駒が取れるのですが▲9七玉で先手玉に即詰みはありません。

よって△6一香と打って後手玉の詰めろを受ける形で、これで後手優勢のようです。

ただしこの手順も評価値の変動が大きいように決して簡単ではなく、自分の理解をはるかに超えています。

いすれにしても終盤は難しいです。

相手玉を薄くして攻めを継続するのが参考になった1局でした。

角と銀の連結をはずす歩

上図は、相掛かりからの進展で▲7四桂と打った手に6二の角が△7三角と逃げた局面。ソフトの評価値+2266で先手勝勢。

駒の損得はありませんが、先手は龍と7四の桂馬が後手玉の近くにいるので先手がいいです。

ただし、先手勝勢までは気がつきませんでした。

うまくいけば駒得をしながら後手玉を寄せきれそうと思っていましたが、ここからの攻めは少し重たかったかもしれません。

実戦は▲5二角△同玉▲7二龍△5三玉で、ソフトの評価値+2558で先手勝勢。

この手順は▲5二角と捨ててから▲7二龍と金を取る手です。

▲7二龍は王手なので後手は△5三玉としましたが、ソフトは△4一玉を推奨していました。

ただし、△4一玉は▲7一龍と桂馬を取られてから王手をされるので後手としては指しにくいです。

△5三玉には▲7一龍として次に▲6五桂を狙う展開にしましたが、△5三玉にソフトはここでは▲8五歩を推奨していました。

▲8五歩に△同銀なら▲7三龍という意味です。

ただし、ここで▲8五歩は△同銀とせず後手が攻めてくる可能性が高いので少し指しにくい感じもします。

なお、△5三玉に▲5二金のような手も目につきますが、△4四玉▲4二金△同金▲同龍△6四角で、ソフトの評価値+2515で先手勝勢。

この▲5二金はソフトの候補手になかったのですが、これでも少し先手が駒得して先手がいいようです。

このあたりは形勢がいいと手がいろいろとあったようです。

なお、最初の局面では▲5二角でソフトは▲8五歩を推奨していました。ソフトの評価値+2962で先手勝勢。

この▲8五歩は銀取りですが、△同銀とすればそこで▲5二角△同玉▲7二龍としたときに7三の角にひもがついていないという意味です。

後手の角と銀の連結をはずす手です。

変化手順での▲8五歩よりこちらの▲8五歩の方が相手の攻め駒が少ないので、分かりやすかったようです。

△8五同銀とできなければ▲8四歩で銀をただで取れるのは大きいです。

▲8五歩以下△同銀▲5二角△同玉▲7二龍△4一玉▲7三龍△7四銀▲7一龍△5一桂▲7二龍△3一玉▲4二金△6四角▲4一角△1二飛▲2四歩△同歩▲2三歩で、ソフトの評価値+50000で先手勝勢。

この手順は△8五同銀とした場合で、▲5二角から着実に駒得して寄せるパターンでこうなれば理想的な展開です。

▲8五歩以下△7六歩▲8四歩△5一銀▲6六角△7七歩成▲3三角成△同金▲5三桂△5二玉▲7二龍△5三玉▲7三龍△7八と▲6四角△5二玉▲5三銀△4一玉▲4二金△同銀▲同銀成まで。

この手順は▲5二角を防ぐ意味で△5一銀と辛抱して、△7六歩~△7七歩成~△7九飛を狙って先手の嫌味をつくのですが、▲6六角の切り返しがうまく△7七歩成に▲3三角成~▲5三桂が強烈です。

先手は駒得で安全勝ちを狙う手もありそうな感じですが、▲3三角成~▲5三桂はなかなか浮かびません。

こういう切れ味で終盤戦を戦うというのがすごいです。

角と銀の連結をはずす歩が参考になった1局でした。

相手の陣形も見て考える

上図は、令和元年以前の対局から、先後逆で相居飛車からの進展で先手が▲4六銀とした局面。ソフトの評価値-177で互角。

この局面は後手から仕掛けるチャンスだったのですが、対局中は自陣の指し手ばかり考えていて相手の陣形をほとんど見ていませんでした。

本譜は、△4二金右▲7九玉△3一玉▲6八金右で、ソフトの評価値-38で互角。

この手順の評価値は互角ですが、先手玉の整備ができてしっかりした印象です。

△4二金右では△6五銀がありました。

△6五銀に▲同銀なら、△8八角成▲同金△6五桂▲7三角△3九角で、ソフトの評価値-153で互角。

この手順は、先手が▲8八金と壁金の形になって指しづらい流れですが、▲7三角に△3九角があまり見ない筋で▲2九飛なら△9三角成で、ソフトの評価値-181で互角。

飛車を渡しても馬がいるのでいい勝負のようです。

この流れなら、後手の仕掛けは一応満足です。

△6五銀に▲7五歩で、ソフトの評価値-85で互角。

▲7五歩は後手をもつと少し気が付きにく手ですが、後手の攻め駒を責める手で桂馬の頭を狙っています。

部分的には△7六銀があるのですが、▲7四歩△6五桂▲7三歩成で、ソフトの評価値+280で互角。

この手順は、先手にと金を作られると後手は忙しくなるので、後手は指しづらいです。

▲7五歩に△同歩なら、▲4四歩△同歩▲6五銀△同桂▲7四歩で、ソフトの評価値-163で互角。

この手順は、△7五同歩と取ったのですが、後手の角道を止めて銀交換から▲7四歩と垂れ歩で次に▲7三歩成と後手の陣形にプレッシャーをかける手です。

互角のようですが、▲7三歩成を受ける形が難しいので後手も神経を使います。

平手の将棋なので、片方が一方的に攻め切るというのは難しいようです。

相手の陣形も見て考えるのが参考になった1局でした。

2枚の角を使って玉を寄せる

上図は、先後逆で相掛かりからの進展で▲5五歩と銀を取った局面。ソフトの評価値-1643で後手優勢。

後手が△6七歩成としたときに先手が▲5五歩と銀を取った形で、ここで後手の手番なので普通は△7八とか△5八とのどちらかです。

後手は3五に攻めの歩の拠点が残っているのが大きく、先手は簡単に上部には出られません。

実戦は△7八と▲3九飛△7六歩▲6六歩で、ソフトの評価値-1055で後手優勢。

この手順は△7八とで金を取ってしかも飛車取りになるので魅力的な手ですが、▲3九飛と逃げた形は将来▲3五飛として攻防に働いてくる可能性があります。

これでも後手優勢のようですが、▲6六歩と受けられると△同角は▲同桂ですので後手の角の働きがいまひとつになります。

ソフトは△7八とでは△5八とを推奨していました。

△5八とに▲同金なら△3六角▲4八玉△7六歩で、ソフトの評価値-4517で後手勝勢。

この手順は△5八ととして桂馬を取る手で、▲同金には△3六角が厳しいです。

▲4八玉と逃げると△7六歩が後手の8四の角を働かす手で、▲5七銀と打っても△5八角成▲同玉△5七角成以下詰みです。

2枚の角と桂馬の働きが抜群によく、あまり見ない筋ですが後手勝勢です。

△5八とに▲同玉なら△7六歩で、ソフトの評価値-1580で後手勝勢。

この手順は▲5八同玉とした形ですが、そこで△7六歩が地味ながら力の入った手です。

自分の感覚だと△7六歩ではつい△6六桂から考えるのですが、▲4七玉△7八桂成▲3九飛で、ソフトの評価値-1901で後手優勢。

△6六桂はソフトの候補手の1つで、この手順は実戦と似たような形になります。

桂馬を使って金を取る形で金は取れるのですが、桂馬がややそっぽにいくので活用しにくく、△7六歩より少し損をしているのかもしれません。

△7六歩以下▲6四歩△3六角▲4七金打△5六桂▲5九銀△4八桂成▲同銀△5七金▲6九玉△4七角成▲同銀△6八金▲同金△同金▲同玉△5七角成▲5九玉△4八金▲6九玉△4七馬▲7九玉△7八銀▲8八玉△7七歩成▲9八玉△8七と▲同飛△同と▲同玉△8六歩▲同銀△7七飛▲9六玉△6九馬まで詰みです。

この手順は少し長いのですが、▲6四歩は実戦的にも後手は嫌な手で△同金なら▲6六歩△同角▲7三銀がうるさいです。

▲6四歩の金取りを無視して△3六角が鋭く、▲4七金打には△5六桂が2枚の角の利きをいかした継続手です。

おそらくこの手は自分では浮かばないです。

以下▲5九銀の受けには△4八桂成~△5七金で先手玉が寄っているようです。

つい持ち駒を使って攻めたくなるところを、盤上の大駒を活用して攻めに厚みを増すのが本筋のようです。

ただしこの寄せには難しい手が含まれているので、このあたりを対局時に考えることができるがが大きな課題です。

鋭い寄せがあっても、水面下の変化手順を自分で読めなければ別の手を選択しなければならないので、このあたりが難しいです。

2枚の角を使って玉を寄せるのが参考になった1局でした。

飛車と角の交換から細い攻めを継続する

上図は、先後逆で筋違い角からの進展で▲7四角とした局面。ソフトの評価値-352で後手有利。

9六の角が▲7四角と飛び出してきた展開です。

筋違い角は角交換から▲4五角として先手が1歩得する戦法ですが、実戦はそこから歩の損得はない展開になりました。

後手は途中から穴熊を目指すに形したかったのですが、先手は動いてきた展開です。

先手からは▲5五銀と角を取る手と▲8三角成と馬を作る手が狙いです。

ここで後手がどう指すかという場面ですが、次の手は少し甘かったです。

実戦は△4四角▲8三角成△9二飛で、ソフトの評価値+252で互角。

この手順は△4四角と逃げる手で部分的には普通の手ですが、▲8三角成に△9二飛と辛抱した展開は後手からは動きにくい形になりました。

後手は攻め駒が渋滞している感じで、先手に馬を作られてもたれるような指し方をされると手を作るのに焦ります。

△4四角では△7四同飛がありました。

△7四同飛▲同歩△4六歩で、ソフトの評価値-392で後手有利。

この手順は△7四同飛として飛車と角を交換する手です。

後手玉はへこみ矢倉に組んでしっかりしているので、飛車を渡してもまだ耐久性があります。

それに対して先手玉はやや後手の攻め駒に近いので、ここが飛車を切るチャンスだったようです。

▲7四同歩に△4六歩が継続手で、5五の角は取られる形になってますが角を逃げずに玉のコビンを狙います。

対局中はこの手順は全く見えておらず、△4六歩がどの程度厳しいのかがぱっと見で分かりにくいです。

△4六歩に▲5五銀は△4七歩成▲同金△5五銀で、次に△4六歩を狙い後手が指せているようです。

先手玉は3八の形なので後手の攻め駒に近いので危険な形です。

△4六歩に▲7一飛なら△3六歩▲4八金直△4七歩成▲同金直△3七歩成▲同桂△3六歩▲同金△3五歩▲2六金△4六角打で、ソフトの評価値-473で後手有利。

この手順は△4六歩に▲7一飛と先手は攻め合いに出たのですが△3六歩が細かい味付けで、▲同歩なら△4七歩成▲同金△1九角成があります。

△3六歩に▲4八金直は玉頭を守る手ですが、△3七歩成▲同桂△3六歩と桂頭を狙う展開で、先手は金の形が崩れるので後手が指しやすいです。

よって△4六歩に先手は▲4六同歩とします。

△4六歩以下▲同歩△7九角▲7八飛△4六角引成で、ソフトの評価値-511で後手有利。

この手順は▲4六同歩には△7九角から△4六角引成と馬を作る展開です。

後手は馬を作ったのは大きいのですが、攻め駒は角2枚と銀と歩だけなのでやや攻め駒不足です。

ここから後手がどのように手を繋げていくかが気になります。

△4六角引成に▲5七歩なら△3六歩▲5五銀△同馬▲3六歩△1九馬▲5一飛△4六歩▲4三歩△同銀▲8一飛成△4四香で、ソフトの評価値-1973で後手優勢。

この手順は▲5七歩は銀取りを受けた手ですが、△3六歩が継続手で角のラインの攻めが厳しいです。

先手は角を取っても銀と香車の2枚替えになれば、玉の近くで厚みを作って後手優勢です。

△4六角成に▲4七金なら△3六歩▲4六金△同角▲4八金△5七金▲4七金△4五歩で、ソフトの評価値-868で後手優勢。

この手順は▲4七金と後手にプレッシャーをかけてきたのですが、ここでも△3六歩が継続手で▲4六金に△同角として攻めを継続します。

▲4八金には△5七金ともたれるような指し方で後手の攻めはやや細いですが、後手玉の守りと厚みをいかすような手の作り方です。

飛車と角の交換から細い攻めを継続するのが参考になった1局でした。

端攻めをするも意外と難しい

上図は、先後逆で角換わり腰掛銀からの進展で▲9五同歩とした局面。ソフトの評価値-78で互角。

後手が9筋の歩を突き捨てて▲9五同歩とした展開です。

後手は6四の角をいかして端攻めをしたいところですが、どのように手を作っていくかという局面です。

実戦は△9七歩▲8六銀で、ソフトの評価値+5で互角。

この展開は6四の角をいかすなら△9七歩は自然な手で、▲同香なら△8五桂が調子がいいです。

△9七歩▲同香△8五桂▲8六銀△9七桂成▲同銀△同角成▲同桂△7五歩で、ソフトの評価値-328で後手有利。

この手順は△8五桂~△9七桂成~△同角成と角を捌く手で、最後の△7五歩で▲同歩なら△7六香のような狙いです。

このような展開になれば後手もまずまずですが、△9七歩には▲8六銀でどうかという展開です。

後手は歩切れなので△3五歩と手を戻すのはありますが、▲4五桂と指されると先手の桂馬も働いてくるので微妙です。

また▲8六銀に△6六歩は▲同歩△同銀▲6七歩ではっきりしません。

▲8六銀に実戦は△4六銀としたのですが▲同銀△同角で、ソフトの評価値+10で互角。

この手順の△4六銀からの銀交換は後手にとっても特になっているか微妙で、△4六同角には▲4二歩のような手があり、次に▲4一銀があるため△4二同玉としますが▲3四歩でうるさいです。

また▲8六銀に△同角▲同歩△9五香は、▲9七香△同香成▲同桂△9六歩▲8五桂△9七歩成▲6八玉△8五飛▲8六歩△同飛▲9五角△9六飛▲4一角△同玉▲6二角成で、ソフトの評価値+14で互角。

この展開は△8六同角から角と銀の交換で9筋を攻める展開ですが、先手は途中で▲6八玉とすると2九の飛車が下段の受けに利く形でまだ大変です。

これらを見ると、単純に端攻めをしても簡単に後手有利にならないというがの興味深いです。

△9七歩では△7五歩がありました。

△7五歩▲同歩△9七歩で、ソフトの評価値-85で互角。

この手順は実戦と似ていますが、△7五歩▲同歩と7筋の歩を突き捨ててから△9七歩と垂らす手です。

後手の角が6四にいるのに△7五歩として、角の利きを止めてから△9七歩と垂らすのは初めて見ました。

角の利きが止まると8筋や9筋に角を殺到する筋がなくなるので、少し意味が分かりにくいです。

△9七歩に▲同香なら△8五桂が調子がいいので、△9七歩には実戦と同じように▲8六銀とします。

△9七歩▲8六銀△6六歩▲同歩△同銀▲6八玉△7五銀▲同銀△同角▲7六銀△4二角で、ソフトの評価値-121で互角。

この手順は▲8六銀には△6六歩▲同歩△同銀と6筋の歩を交換するのが盲点です。

△6六同銀に▲6七歩なら△7五銀▲同銀△同角と、7五の地点で銀交換できるのが△7五歩と突いた効果です。

先手は▲6八玉として2九の飛車を1段目の受けに利かす形で、しかも9筋から遠ざかっているので後手からの9筋の端攻めは重たくなります。

このあたりの指し手は結構難しく、お互いに手を尽くせば片方が簡単に有利にならないようです。

特に後手の立場としては、攻めているけど簡単に有利にならないというのは気持ちの持ち方が大変ですが、将棋というのは本来そのようなものと考えた方がいいかもしれません。

お互いに最善を尽くせば互角で、相手がちょっとしたミスをすればそれに反応できるかが大事なような気がします。

端攻めをするも意外と難しいのが参考になった1局でした。

自玉を安全にしてから寄せにいく

上図は、後手ゴキゲン中飛車からの進展で△5六馬と銀を取った局面。ソフトの評価値+3035で先手勝勢。

先手からは▲6二金と打つ筋があり△8二玉と逃げれば▲7一銀と打って詰みですが、▲6二金には△同角と3五の角で取られるので後手玉に即詰みはありません。

また△5六馬に▲同香とすると△8六銀とする手があり、以下▲同銀△同龍▲同玉△6八角成▲7七銀△8五銀▲同玉△8四香以下即詰みです。

この手順は3五の角が△6八角成とできるのがうっかりしやすく、このタイミングでは▲5六香と馬を取ることはできません。

対局中は3五の角をなくしてから▲5六香とすれば大丈夫かと思って▲6二金と打ったのですが、これがまずかったです。

実戦は▲6二金△同角▲同桂成△同玉▲5六香△8六銀で、ソフトの評価値-99989で後手勝勢。

この手順は先手の典型的な失敗例で、6二の地点で清算して▲5六香と馬を取ったのでうすが△8六銀を見落としていました。

△8六銀以下▲同銀△同龍▲同玉△7四桂▲7五玉△8四銀▲6四玉△6三銀▲6五玉△6四金まで詰みです。

この手順は△7四桂と打つのが寄せの急所で、桂馬は先手の5四にいたのが相手の持ち駒になっています。

先手が無理に動いていって相手に駒を渡して、その駒を使って詰まされるという悪いパターンです。

なお後手の持ち駒に桂馬がなければ△8六銀以下王手は続きますが先手玉は詰まなかったようですので、このような局面での桂馬の価値は高いです。

△7四桂と打って8六と6六の両方の地点の逃げ道をを抑えているのが大きいです。

▲6二金では▲8五歩がありました。

▲8五歩△同龍▲8六歩で、ソフトの評価値+3967で先手勝勢。

この手順は▲8五歩と先手玉に近い銀を取る手で、△同龍に▲8六歩と受けます。

後手の持ち駒がたくさんあって△9五桂のような王手がある場合は先手玉は危ないのですが、駒が少なく桂馬がないので先手玉に詰みはありません。

▲8六歩の瞬間に後手から詰めろをかければいいのでですが、持ち駒が不足しており詰めろもかかりません。

こうしてみると特別先手は難しい手を指しているわけではありませんが、自玉を安全にしてそれから寄せにいけばよかったです。

▲8六歩以下△5五龍▲6一銀△6三玉▲5七香△同角成▲同金△同龍▲7二角△5三玉▲6二角まで詰みです。

この手順はややうまくいきすぎですが、△5五龍と粘りにきたら▲6一銀と下段に銀を打つのがうまく△同玉なら▲6三銀で後手は受けなしになります。

よって△6三玉と上がったのですが、▲5七香と5四の桂馬を守りつつ龍を攻めるのがよく、△5七同角成としましたが▲7二角~▲6二角で後手玉は詰みです。

本局をみても分かるように、決めにいくのが早いとかえって駒をたくさん渡して自玉が危なくなるので、自玉を安全にしてから寄せにいく方が確実だったようです。

こういうところできちっと終盤を指せるかが大事なので、今後に役立てていきたいです。

自玉を安全にしてから寄せにいくのが参考になった1局でした。