上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△1九玉とした局面。ソフトの評価値+1063で先手優勢。
駒割りは先手の角桂の駒得です。
そのような意味では先手優勢なのですが、後手玉は入玉しており先手から寄せるのはぱっと見で難しいように見えます。
対入玉将棋はほとんどなることがないのですが、一度くらいは調べておいた方がいいという感じです。
アマの大会は運営上切れ負け将棋が多く、終盤戦になると時計の叩き合いになっており27点法で決着がつくということはほとんどない感じです。
ネット将棋や大きい大会であれば秒読み将棋になりますが、その場合は27点法になることもありそうです。
自分の場合は一度も27点法を体験したことがなく、27点法の細かいところは把握していません。
一回あったのが両者入玉して詰む見込みがなく、相手から引き分けを提案されて納得して引き分けになったくらいです。
本局の場合は先手が勝つとすれば先手の入玉を目指すか、後手玉を詰ましにいくかのどちらかです。
普通は入玉している玉を寄せるのは難しいので考えにくいのですが、実戦の変化手順で寄せを目指す手はありました。
実戦は▲6四角△4六歩で、ソフトの評価値+712で先手有利。
この手順は▲4六角と王手をする手で、7三の桂馬も取れる形なので普通の手に見えます。
ただし、△4六歩と打たれると6四の角の利きが止まって、将来後手玉を攻めるのが難しくなります。
ちなみに▲4六角はソフトの候補手に上がっていませんでした。
対入玉将棋で相手玉の寄せを目指すのは普通の将棋と少し感覚が違っており、駒を下段に活用することになります。
▲6四角では▲4四成銀がありました。
▲4四成銀△4六歩▲4八龍△2八歩▲1七香で、ソフトの評価値+1686で先手優勢。
この手順の▲4四成銀はぱっと見で意味が分かりにくいのですが、8一にいる角を活用する手です。
後手の△4六歩や△2八歩は安い駒で後手玉の周辺を固める手ですが、最後の▲1七香が盲点です。
▲1七香は▲1八金の詰めろですが、このような駒の活用法は滅多に見られません。
香車を1つ上がって詰めろをかけるというのは、たくさん対入玉将棋を指さないと見えないという感じです。
▲1七香以下△3六銀▲3七歩で、ソフトの評価値+936で先手優勢。
この手順の△3六銀は詰めろを受けた手ですが、そこで▲3七歩が地味ながら浮かびにくいです。
▲3七歩は相手の守り駒を歩で攻める手ですが、△4七歩成が気になります。
▲3七歩以下△4七歩成▲3六歩△4八と▲1八金△同玉▲3五歩△2七銀▲同角成△同玉▲1六角△1七玉▲1八銀△同玉▲2七銀△1九玉▲1八金まで詰みです。
この手順は先手は龍を捨てる代わりに3六の銀と3五の金を拾う手ですが、▲1八金と捨ててから▲3五歩と金を取る手が詰み筋に入っています。
▲1六角と打てるのが▲1七香と上がった効果で、△1七玉には▲1八銀以下詰みです。
この変化手順はやや極端ですが、先手の理想的な手順です。
▲3七歩以下△4七飛▲5八龍△6六歩▲3六歩△2六金▲3五歩△1七飛成▲2七歩△同金▲6三角△1八銀▲7四角成で、ソフトの評価値+1141で先手優勢。
この手順は△4七飛と打った手に先の変化手順と同じように▲3六歩とするのは、△4八飛成が王手になるので成立しません。
よって▲5八龍と逃げたのですが、△6六歩▲3六歩△2六金で以下後手玉は詰まない形になりました。
ただし、この手順は後手玉は安全になっても駒が不足しており、先手が入玉を目指せば元々先手が大きな駒得になっているため勝ちに近づきます。
入玉将棋は滅多にならないので判断基準が難しいのですが、ある程度寄せを目指して詰まないようであれば入玉に方針を切り替えるのが実戦的なようです。
入玉されても寄せを目指してみるのが参考になった1局でした。