上図は、先令和元年以前の対局から、後逆で振り飛車対居飛車の対抗形の相穴熊戦で、先手の8六の角が▲7七角とした局面。ソフトの評価値-1217で後手優勢。
後手が1歩得しており、後手の飛車と角と4四の銀が、先手の飛車と角と6七の銀に比べて働いています。
対局中はだいぶ指しやすいとは思っていましたが、次の1手がよく分かりませんでした。
本譜は△3五歩で、ソフトの評価値-340で後手有利。

△3五歩は▲同歩なら△3六桂の狙いですが、この瞬間が甘いです。
△3五歩には▲8八飛で△8二歩なら▲8四飛で次の▲7四飛が受けづらいです。
▲8八飛に△3六歩なら▲8一飛成△4五桂で、ソフトの評価値-345で後手有利。
この手順は後手が少し有利とはいえ、先手に飛車を成られると結構なプレッシャーがあります。
△3五歩では△8五桂がありました。
△8五桂▲9九角△8六歩で、ソフトの評価値-1363で後手優勢。

△8五桂は全く見えませんでした。
桂馬は3筋で使うつもりだったので、8筋で使うのは全く考えてなかったです。
▲9九角は△6六歩を受けた手ですが、そこで△8六歩の垂れ歩があります。
△8六歩に▲8八歩なら△6六歩。
△8六歩に▲8八飛なら△7七桂成。
よって先手は受ける形がありませんので、攻め合いを目指します。
△8六歩に▲3五歩なら、△8七歩成▲3六桂△7七桂成▲2四桂△同歩▲3七金△6七成桂▲3八飛△6六歩▲3四歩△9八と▲同飛△2五桂で、ソフトの評価値-1537で後手優勢。
この手順は▲2四桂として角と桂馬の駒損で一瞬指しにくい手ですが、その後に銀を取った形が手厚くなって後手優勢です。
△8六歩に▲4六歩なら、△8七歩成▲4五歩△7七と▲4四歩△6七と▲4三歩成△同金▲5九飛△4七歩▲同金△5八と▲4四歩△同金▲5三銀△6八飛成で、ソフトの評価値-1504で後手優勢。
この手順は4四の銀と取られますが、駒の損得なく飛車が成れたので後手優勢です。
意外なところに桂馬を打つ△8五桂が参考になった1局でした。