上図は、先後逆で先手立石流四間飛車からの進展で▲7三角成と歩を取った局面。ソフトの評価値+187で互角。
8四の角が▲7三角成としてした形で、この瞬間の駒割りは後手の桂損です。
居飛車対振り飛車の対抗形で振り飛車側が捌く形になると、居飛車側が駒損することが多い印象です。
捌き合いになると居飛車側の右の桂馬と香車が相手の飛車で取られやすいのに対して、振り飛車側の左の桂馬と香車は両方とも取れるというのは少ない感じです。
本局は振り飛車側の左の桂馬の7七の桂馬が少し立ち遅れていることもあり、居飛車側から狙いやすい駒です。
ここで後手がどう指すかという局面ですが、次の手はよくありませんでした。
実戦は△7五龍▲3七馬△7六歩で、ソフトの評価値+609で先手有利。
この手順は先手の桂頭を攻める前に△7五龍と攻防風に利かしたのですが、▲3七馬を軽視しており、馬が相手の陣地に引き返す形で手厚くなりました。
△7六歩は継続手ですが、そこから変化手順で▲7八歩△7七歩成▲同歩で、ソフトの評価値+643で先手有利。
この展開は後手も桂馬を取り返して駒の損得はなくなったのですが、先手は馬を自陣に引く形の分だけ形勢は先手がよくなりました。
馬が守り駒になると先手の陣形は相当固いです。
△7五龍では△7六歩がありました。ソフトの評価値+296で互角。

この手順の△7六歩は桂馬取りですが、ここで先手がどう指すかが気になります。
△7六歩に▲7八歩なら△7七歩成▲同歩△2四桂▲3七馬△8九龍で、ソフトの評価値+82で互角。
この手順は実戦からの変化手順と似ているのですが、後手は△2四桂が先着できるのが大きく、先手は▲3七馬と引く形になっても後手は桂馬を先着していることで形勢は互角になっています。
この場面で▲7八歩は手堅いですが少し甘いようです。
自分の感覚だと▲3五香と打たれる手が気になります。
△7六歩以下▲3五香△7七歩成▲3四香△3三歩で、ソフトの評価値+31で互角。

この手順は先手は3六の歩を活かして▲3五香と攻めてきます。
後手は銀が浮いており△3五同銀とすると▲3四桂があります。
▲3五香には△7七歩成と桂馬を取る手がうっかりしやすい手で、以下▲3四香と銀を取られますが△3三歩と受けます。
△3三歩の瞬間が後手としても怖い形ですが、後手からも次に△6七ととして金取りになっていますので、どこかで先手は自陣に手を戻すことになります。
△3三歩以下▲同香成△同金右▲5七金△6八とで、ソフトの評価値-132で互角。
この手順は▲3三同香成に△同桂なら▲3四桂がありますが、△3三同金右とすれば意外と隙がありません。
先手の龍が後手陣を直通しているのと、後手は歩切れという条件でも互角になっているのが興味深いです。
自分の感覚だとこのような条件はすぐに後手がまずいという認識だったのですが、読みが入ってのまずいのか、ただ何も考えずに何となくまずいのかでは全く違ってきます。
将棋はどうしても感覚に頼るようなところもあり、それも形勢判断の材料の1つですが、少しは読みを入れないといけないようです。
なお、△7六歩に対してのソフトの推奨手は▲8五桂で、ソフトの評価値+208で互角だったのですが、自分の棋力ではまず浮かばないので、このような手に対してはその場で考えるしかなさそうです。
早指しでも少し先を考えるのが参考になった1局でした。