上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△4五歩と突いた局面。ソフトの評価値+187で互角。
後手が早囲いの金無双のような形に先手が▲4六銀から仕掛けた展開です。
後手が△3二金型で先手の攻めを受ける形で最近ではあまり見ない指し方ですが、▲3五歩に△4五歩が突き違いの歩で、後手の切り札のような指し方です。
△3二金型なので先手は攻めを継続するのが大変ですが、後手は△7四歩と突いておりやや隙がある形なのでうまく攻めたいです。
実戦は▲3三角成△同桂▲3四歩△4六歩▲3三歩成△同金▲5五角で、ソフトの評価値-109で互角。

この手順は▲3三角成~▲3四歩と取り込む手ですが、△4六歩以下銀と桂馬の交換になりました。
銀と桂馬の交換は先手が少し駒損ですが、▲5五角に期待をしていました。
ただし、この攻め方はあまりよくなかったようです。
振り飛車の2一の桂馬が先手の銀と交換した形で、先手の2九の桂馬はまだ盤上に残っています。
この桂馬もすぐ攻めに使えそうにありませんので、少し先手の攻めが重いという感じです。
▲5五角以下△4七歩成▲3三角成△5八と▲同金△4一飛▲4二金△3二金▲4一金△3三金で、ソフトの評価値-266で互角。
この手順は変化手順ですが、▲5五角には△4七歩成があり▲同金なら△5四銀▲3三角成△4七飛成があります。
よって△4七歩成に▲3三角成ですが、△5八とで先手の囲いが崩れるのが少し痛いです。
▲4二金からの金の使い方も重たいので、互角といいながらも少し先手が指しにくいです。
▲3三角成では▲4五同銀がありました。
▲4五同銀△8八角成▲同銀△3五歩▲5五角で、ソフトの評価値+240で互角。

この手順は▲4五同銀とする手で、銀がまっすぐ進んだことで千鳥に使う形ではありません。
銀は千鳥に使えという格言があり、銀は斜めに使うとバックしやすいのですが、まっすぐ使うと元の形には手数がかかってなかなか戻れません。
▲4五銀は後手から△3三桂や△4四歩で銀が取られそうな形なので、銀をまっすぐ使うのは決断の手になります。
この最後の▲5五角の局面は上の実戦の局面図とよく似ているのですが、この変化手順の方がだいぶ評価値がいいのが興味深いです。
▲5五角に△3三桂なら▲2四歩△同歩▲3四歩△4五桂▲3三歩成△4四銀▲4二と△5五銀▲同歩△4二金▲2四飛で、ソフトの評価値+224で互角。
この手順の△3三桂はソフトの候補手にない手だったので、あまりいい手ではない可能性がありますが、指してみたい手の1つです。
この場合は先手は2筋の歩を突き捨ててから▲3四歩でいい勝負のようです。
▲5五角に△4四歩なら▲2四歩△同歩▲9一角成△4五歩▲2四飛△2三歩▲7四飛△7三銀▲9四飛で、ソフトの評価値+2175で先手勝勢。
この手順は△4四歩から銀を取りに行く手ですが、先手は2筋の歩を突き捨てて▲9一角成が意外と厳しいです。
後手は△4五歩と銀を取って銀と香車の交換になりますが、先手は飛車を▲2四飛~▲7四飛と横に使うのがうまいです。
▲5五角に△6四角なら▲同角△同歩▲5五歩△3九角▲2六飛△8四角成▲7七銀で、ソフトの評価値+27で互角。
この手順は▲5五角に△6四角と合わせる手で、やはり▲9一角成を受けるのは自然です。
先手は角交換から▲5五歩と銀の逃げ道を作って、▲5五角に△3三桂や△4四歩の変化手順とは全く違う展開になるようです。
このあたりはちょっと形が違えば指し手の方針も違うというのが面白いです。
突き違いの歩を取って対抗するのが参考になった1局でした。