受け一方の展開にならないようにする


上図は、先後逆で先手立石流四間飛車からの進展で▲3四香と銀を取った局面。ソフトの評価値+557で先手有利。

駒割りは後手は3四の香車や7七の桂馬が取れる形になっても、駒得にはなっていません。

先手は金銀4枚に馬付きの美濃囲いで相当固いです。

後手も金銀3枚で囲っていますが、先手の飛車が下段に直通しているので後手が少し苦しいです。

こういう苦しい局面で、後手はできるだけ形勢が離れないようにしなければいけません。

後手は甘い手を指すと不利から劣勢になりますので、このあたりの指し手の精度はできるだけ高く維持したいです。

実戦は△3四同歩だったのですがここで変化手順の▲2六桂で、ソフトの評価値+955で先手優勢。

この手順は△3四歩と香車を取り返して次の△7七歩成と楽しみにしたのですが、その瞬間に▲2六桂と打つ手がありました。

桂馬は控えて打てという格言の手で次の狙いは▲3四桂です。

さすがに桂馬で守りの金を取られるのは痛いので後手は受けることになります。

▲2六桂以下△4三金直▲2五銀で、ソフトの評価値+752で先手有利。

この手順は△4三金直と3四の地点を受けたのですが、▲2五銀がややいも筋ながらも手厚い手で、▲3四桂や▲3四銀や▲1四桂など攻めの含みが多いです。

玉頭戦は厚みの勝負とも言いますが、先手は5段目まで陣地を広げて戦う形で後手としてうんざりします。

このように1筋~3筋の戦いになると後手としては苦しく、なかなか△7七歩成の手番が回ってきません。

後手としては受けばかりではいいところがないので、△3四同歩では△7七歩成がありました。

△7七歩成▲3三香成△同金右▲5七金△6八とで、ソフトの評価値+545で先手有利。

この手順は▲3四同香の瞬間に△7七歩成と桂馬を取る手で、とりあえずと金に勝負を託します。

先手は▲3三香成として後手の陣形を少しでも弱体化しますが、そこで△3三同金右とします。

3三同金右に先手は厳しい攻めの手があればいいのですが、有利な方はあまり無理な攻めをする必要はなく次に△6七とで金を取られますので▲5七金は自然です。

以下△6八との局面がどうかということになります。

次に△5八ととして銀を取れば駒割りは意外にも後手の香得になりますが、後手は歩切れなのと玉の守りが先手陣に比べて薄いのがマイナス材料です。

そのような意味でこの局面は先手有利のようです。

△6八と以下▲3五銀△5八と▲同金引△2五桂▲2六馬△2四香▲6四歩△3四香で、ソフトの評価値+728で先手有利。

この手順は▲3五銀と手厚い銀で角取りに打ちます。

後手は△5八とで銀を取り返しますが、次の手が難しいです。

後手の持ち駒に歩があれば△7一歩と打って先手の龍の利きを止めるような手がありますが、後手は歩切れです。

▲3五銀に△7一香と打つ手がありそうですが、▲4四銀△同銀▲9三角で両取りがかかり受けになっていません。

▲5八同金に対しては受けてもきりがないので、△2五桂と攻めの拠点を作って▲2六馬に△2四香と香車を設置します。

▲6四歩は将来後手の持ち駒に角が入れば△7三角の王手龍の狙いがありますが、▲6四歩と突き捨てることでそれを消しています。

▲6四歩には△3四香として玉頭戦独特の駒の設置の仕方ですが、玉頭戦は駒の厚みが大事なので盤上に駒をたくさん配置するという感覚のようです。

これでも後手が苦しいのですが、苦しいなりに辛抱して戦うことになりそうです。

受け一方の展開にならないようにするのが参考になった1局でした。