飛車以外の駒を活用してバランスをとる

上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で▲5五角に△4四角と打った局面。ソフトの評価値+101で互角。

後手は3三の金が浮いているのと、△7四歩と突いているので9一の香車が浮いています。

それで▲5五角と両取りに打ったのですが、後手が△4四角と切り返してきました。

この瞬間は銀と桂馬の交換で先手が少し駒損ですが、いい勝負のようです。

ここでつい悪い癖がでたようで、よくある手を指してしまいました。

実戦は▲2四歩△5五角▲同歩で、ソフトの評価値-447で後手有利。

この▲2四歩と突く手は、居飛車を指す人ならよくある飛車先の歩を突き捨てて軽くしておくということですが、この場合は余計な手だったようです。

このような突き捨ては、考えて指すというより感覚で飛車先を軽くするという手で局面によっては有効な突き捨ても多いのですが、後手は形を変えてから1歩取るのがいいようです。

最近の将棋を見ていると飛車先の歩は簡単に突き捨てないような感じで、本来。飛車は縦に使って相手の陣地に成るのが理想ですが、飛車を横に使って受けに利かすというのが多いです。

受けの技術が進んで、簡単に相手の陣地に飛車が成れるような展開にならないようです。

また、1歩を渡すというのは相手の持ち駒が増えるので、特に歩切れの相手の場合はもったいない感じです。

本局の場合は、▲2四歩に△5五角として▲同歩に△2四歩でも△4七歩成でも後手がいいようです。

せっかく▲5五角と打ったのなら最初に▲9一角成を考えるべきでした。

▲2四歩では▲9一角がありました。ソフトの評価値+23で互角。

この▲9一角成は狙い筋ですが、相手の持ち駒に香車があれば取られそうな駒です。

後手から△8二銀や△8二銀打や△9九角成など有力な手があります。

▲9一角成に△8二銀なら▲同馬△同玉▲5一銀△5二飛▲6二銀成△同飛▲4六歩△9九角成▲8八銀△9八馬▲9九香△8八馬▲同玉で、ソフトの評価値+252で互角。

この手順は▲9一角成に△8二銀と受けたらあっさり▲同馬として、▲5一銀の割打ちの銀を打って金と銀の交換をしてから▲4六歩とするのが興味深いです。

後手に△9九角成とされますが、先手の持ち駒に香車があるので▲8八銀~▲9九香で後手の馬が取れる形で、これで形勢互角のようです。

▲9一角成に△8二銀打なら▲同馬△同玉▲5一銀△5二飛▲6二銀成△同飛▲5五金△4七歩成▲同金△4六歩▲同金△5七角▲4四金△4六角成▲4三金△同金▲3七歩で、ソフトの評価値+152で互角。

この手順は△8二銀と△8二銀打の違いで部分的にはよく似た展開になって、今度は▲5五金と打って△9九角成を防ぐのが面白いです。

▲9一角成に△9九角成なら▲8八銀△9八馬▲4六馬△8四香▲5五馬で、ソフトの評価値+381で先手有利。

この手順はお互いに9筋の香車を角で取り合う展開ですが、先に馬を作った先手は▲4六馬と戻るのが可能になり、△8四香には▲5五馬として先手が指せるようです。

これら3通りの手順を見ると、先手は飛車の活用でなく他の駒を活用しており、このような地味なやりとりで局面のバランスをとっていることに気づきます。

こういう大局観も身につけないといけないようです。

飛車以外の駒を活用してバランスをとるのが参考になった1局でした。