歩を使って細かい攻めを繋げる


上図は、居飛車対振り飛車の対抗形からの進展で△6四同歩と銀を取った局面。ソフトの評価値+397で先手有利。

6四の地点で銀交換をした形です。

駒の損得はなく、先手が穴熊に対して後手が美濃囲いで後手だけが龍を作っている形ですが、ソフトは先手有利のようです。

後手の2六の桂馬が少し重たい形ですが、この局面が先手有利なのは少し分かりにくいです。

先手は飛車か角を働かせたいのですが、現状は後手の駒がよく利いていて少し使いづらいです。

具体的な手順で先手有利を確認したいです。

対局中は2六の桂馬を責める方針で指しました。

実戦は▲5九角△3五龍▲6八角△3九龍▲5七角△4九龍▲3五歩△3七銀で、ソフトの評価値+95で互角。

この手順は2六の桂馬を狙って▲5九角として、△3五龍に▲6八角します。

以下△3九龍に▲5七角と細かい動きをして、△4九龍に▲3五歩と後手の角道を止めて▲2六飛を狙います。

以下△3七銀と重たい銀を打たせたのですが、これで互角に戻ったようです。

先手はやや苦心な手で、以下▲6八飛として飛車が攻めに使うのは難しくなりましたが、後手も2六の桂馬と3七の銀が重たい形でも互角のようです。

普通は働きの悪い銀や桂馬を打たせると得な気分があるのですが、それでも実戦の手順は後手に分があったというのはいまひとつ理解しにくいです。

これも難しい展開ですが、最初の局面で▲5九角はソフトの候補手に上がっていませんでした。

▲5九角では▲5五歩がありました。ソフトの評価値+409で先手有利。

この手順は▲5五歩として中央の歩を突く手で、これが地味ながら角を活用する手だったようです。

▲5五歩に△同歩なら▲同角が龍取りになるのは分かるのですが、▲5四歩と歩を取る手も味がいいです。

ただし、後手の5筋の歩が切れると△5六歩~△5七歩成のようなと金作りもあるので決断の1手です。

▲5五歩に△同歩なら▲同角△3四龍▲5四歩△6三銀打▲5三桂△7一金▲2六飛△2五歩▲6六飛△4三金▲6四飛△5四金▲同飛△同龍▲3三角成△5九飛▲1一馬で、ソフトの評価値+479で先手有利。

この手順は▲5五歩に△同歩なら▲同角が気持ちのいい手ですが、△3四龍に次の手が難しいと思っていました。

△3四龍で△3五龍なら▲6四角が▲7四桂と▲3一角成の両方の狙いがあります。

よって△3四龍として▲6四角を防いだのですが、そこで▲5四歩が巧妙な手です。

1歩千金とはこのことだと思いましたが、次は▲6四角と出る手や▲5三桂と打って△7一金なら▲2六飛として桂馬を取るような狙いもあります。

また▲5四歩に△同龍なら▲3三角成がうまいです。

後手の△6三銀打もしぶとい手で、▲6四角を消しましたが▲5三桂△7一金に▲2六飛と桂馬を取れたのは大きいです。

以下△2五歩に▲6六飛として飛車を横に使って6筋で活用するのが鋭いです。

5四の歩と5三の桂馬がやや不安定な形なので、後手は△4三金~△5四金として攻め駒を払いにいきますが、先手は飛車を切って以下▲3三角成とする手順です。

最後の▲1一角成の局面は先手が少し駒得でソフトは先手有利のようですが、後手も飛車を2枚持っておりまだ勝負はこれからという感じです。

先手は攻めるのに色々と手を尽くしてますが、それでもびっくりするほど先手優勢になっていないので将棋は難しいです。

歩を使って細かい攻めを繋げるのが参考になった1局でした。