相手に攻めさせて逆に攻める形を作る

上図は、先後逆で立石流四間飛車からの進展で▲6五桂と打った局面。ソフトの評価値+742で先手有利。

駒割りは銀と香車の交換で後手が少し苦しいです。

▲6五桂はソフトの推奨手ではなかったのですが、候補手の1つでこれも後手としては嫌な手です。

また▲6五桂は銀取りで後手の龍の横の利きを止めています。

▲6五桂に△6四銀とか△6二銀と逃げる手は▲4五歩と歩を取られて、それがまた角取りとなり、なかなか後手に手番が回ってきません。

また△8一歩と打つのは▲4五歩△3三角▲5三桂成△同金と進むと、ソフトの評価値+1265で先手優勢。

この手順は後手がさらに駒損になり、歩切れの上に後手の金の形が崩れます。

ただ受けているだけだったら手数は伸びるかもしれませんが、勝負所がなくなってしまいます。

そのような意味で後手の次の手は大事だと思っていました。

実戦は△2五香打▲4五歩△3三角▲5三桂成△同金で、ソフトの評価値+1046で先手優勢。

この手順は△2五香打としてどこかで△2七香成のような攻め味の狙いの手ですが、2七の地点は玉と馬と銀の3枚が利いており効果としてはいまひとつです。

実戦の進行で後手がだいぶ苦しいです。

△2五香では△3三桂がありました。ソフトの評価値+622で先手有利。

この△3三桂は盤上の駒を使う手ですが、感覚的にはすごく指しにくい手です。

理由は先手の龍が1段目にいるのに守りの桂馬を跳ねて、さらに後手玉が守りが弱体化しているようにも見えるからです。

△3三桂に対してソフトの推奨手は▲6一龍ですが、一瞬ぬるい手にも見えますので後手としては少し考えづらいです。

▲6一龍の意味は龍を内側に移動して、後手からの△8一歩の受けを消しています。

▲6一龍で後手が苦しいのは変わりありませんが、対局心理としては▲1五歩のような手が気になります。

△3三桂と跳ねたことで1筋が弱くなったのと、先手の龍の利きが1段目に直通するからです。

△3三桂以下▲1五歩△2五桂打▲5九馬△4六歩▲1四歩△8一歩で、ソフトの評価値+525で先手有利。

この手順は先手が▲1五歩から攻めてきたのですが、そこで△2五桂打とする手も少し指しにくいです。

手の流れからいったら△2五桂と跳ねると、馬取りでかつ3三の地点に玉が将来逃げるスペースができるという意味です。

ただし、△2五桂と跳ねると先手からも▲4五歩が角取りで角が逃げる手になるので△2五桂打とするようです。

△2五桂打だとどこかで▲4五歩とすれば△同桂とする手を含みに残すという意味です。

△2五桂打に▲5九馬と逃げましたがそこで△4六歩と取り込みます。

△4六歩は地味な手ですが、歩を補充してチャンスを待つしかありません。

先手は待望の▲1四歩の取り込みで、次に▲1三銀と打てば△同香▲同歩成で後手玉が詰みますが、詰めろのがれで△8一歩と受けます。

このような展開になると後手が苦しいながらも、4四の角と2五の桂馬の利きで1筋から手を作ることが可能になっています。

4四の角は1七の地点を睨む絶好の位置です。

先手が1筋から動いたことにより、後手からも1筋の端攻めができるのも大きいです。

これだと先手としては、1筋の端攻めはしない方がよかったという気持ちになりやすいです。

相手に攻めさせて逆に攻める形を作るのが参考になった1局でした。