上図は、角換わり腰掛銀からの進展で△8五歩と打った局面。ソフトの評価値-274で互角。
後手が△8五歩と打って継ぎ歩攻めをしてきました。
駒割りは、銀と桂馬の交換で先手が少し駒得していますが、後手の6六の桂馬と3六の桂馬が先手陣を攻めこんでいるのと、8一の飛車と6四の角もまずまずの働きなので後手が少し指しやすいようです。
後手から△3七歩や△8六歩など指したい手があるのに対して、先手はとどのように相手の手に対抗して手を作っていくかという形です。
△8五歩に▲同歩と取るのは△3七歩▲3九金△8五桂▲8六歩△7七桂成▲同桂△3八銀で、ソフトの評価値-812で後手優勢。
この手順は先手が素直に対応した場合ですが、後手は△3七歩と攻めの拠点を作ってから△8五桂が気持ちがいいです。
以下▲8六歩△7七桂成と銀を取ってから△3八銀と打つ形で、これは後手の理想的な展開です。
先手は素直な受け方をすると後手の攻めの勢いが増すので、少しひねった受け方をして相手に嫌味をつけるような形を目指したいです。
なお、実戦は△8五歩以下▲6五銀△同桂▲6六銀で、以下変化手順で△3七歩▲3九金△3八銀で、ソフトの評価値-780で後手有利。
この手順は▲6五銀と後手の桂馬を支える歩を取って△同桂に▲6六銀とする形で、守りの銀を1枚捨てて桂馬を取り返しますが△3七歩~△3八銀が厳しいようです。
やや実戦の手順は単調だったようで、このあたりで強い人はあやしい手を指して形勢判断しにくい局面に誘導するのがうまいように思います。
なおソフトは▲6五銀では▲7五歩を推奨していました。ソフトの評価値-298で互角。

この手順の▲7五歩ですが、ぱっと見でどのような効果があるかが分かりにくいです。
▲7五歩に△同歩と取る手は▲7四歩△8六歩▲7三歩成△同金▲7九桂で、ソフトの評価値-112で互角。
この手順は△7五同歩とするのは▲7四歩が桂取りになります。
後手は△8六歩と攻めを継続しますが、▲7三歩成~▲7九桂が手堅いです。
桂馬は攻めだけでなく、このように1段目に打ってと金作りを防ぐ使い方もあります。
▲7五歩に△同角なら▲3七歩△8六歩▲7六銀で、ソフトの評価値-158で互角。
この手順は△7五同角と取ると7筋は安定するのですが、今度は▲3七歩と敵の打ちたいところに打ての格言にそった手があります。
後手は△8六歩としますが、▲7六銀が数手前に▲7五歩と突いた効果で銀をまっすぐ活用することができます。
▲7六銀は8七の地点を補強しながら角取りなので、後手としては忙しくなります。
よって▲7五歩に対して後手は△8六歩とします。
▲7五歩以下△8六歩▲8三歩△3七歩▲3九金△7五角▲7六銀で、ソフトの評価値-273で互角。

この手順はちょっと複雑で分かりにくいです。
▲7五歩に対して△8六歩と取り込んで次に△8七歩成を狙います。
これで先手の次の指し手が難しいと思っていたのですが、そこで▲8三歩があやしい手です。
このような手を指されるとぱっと見狙いが分かりません。
△8三同飛とすれば後手の1段飛車が働きの悪い形になり、5二の玉と8三の飛車の位置関係が悪く将来▲7四角のような筋が生じる可能性があります。
そのような意味で取りにくいのですが、△8三同飛とすると▲7六銀とします。
▲7六銀に△7五歩とすると7六の銀が取られる形ですが、△8三同飛とした効果で▲7四角が王手飛車になります。
このような展開になるのは7四の地点に空間をあけた効果です。
よって▲8三歩に対して後手は△3七歩~△7五角としたのですが、今度は▲7六銀とします。
▲8三歩と打った効果で後手の飛車の縦の利きが止まり、先手陣は少し受けやすくなりました。
▲7五歩や▲8三歩は後手の大駒と近づけて受ける手で、大駒は遠いところから攻めると厳しいのですが接近戦は本局の変化手順のように駒のあたりが強くなります。
▲7六銀とした局面は実戦より局面が複雑になり、まだこれからの将棋のようです。
局面を複雑にする受け方をするのが参考になった1局でした。