後手の9筋の攻めの受け方

上図は、相掛かりからの進展で△9五同銀とした局面。ソフトの評価値+62で互角。

後手が△9五歩▲同歩△同銀と端攻めをしてきた展開です。

後手の飛車と角と棒銀の形がやや珍しいのですが、先手も▲7七金型なのでお互いにあまりない組み合わせです。

対局中は後手の端攻めがどの程度厳しいのかが分かっていませんでしたが、ここからの数手はだいぶ先手が悪かったようです。

実戦は△9五同銀以下▲9七歩△8二飛▲7八銀△8六歩▲同歩△同銀▲同金△同飛で、ソフトの評価値-483で後手有利。

この手順は▲9七歩を9筋を受けたのですが、後手は△8二飛と回ったのが機敏でした。

次に△8六歩があるので▲7八銀と引いて8筋を補強したのですが、△8六歩から金と銀の交換になりました。

金と銀はどちらかといういうと金の方が価値が高い方が多く、攻めの銀と守りの金の交換なので後手がだいぶ得をしたようです。

▲8七歩に△8二飛と引く形は、後手は9筋の歩も持ち駒になっており歩が3枚というのも大きいです。

▲8七歩以下△8二飛▲6七銀引△3八金▲5九角△4六角▲4七銀△1九角成▲3八銀△8三香▲8八金△7三馬▲3七角△6四歩で、ソフトの評価値-548で後手有利。

この手順は▲8七歩以下の変化手順ですが、△8二飛に▲6七銀引と陣形を立て直すのは△3八金がうるさく、△4六角に▲4七銀の両取りがありますが△1九角成が強い手です。

以下▲3八銀で金と香車の交換になりますが、△8三香に▲8八金と受ける形はややつらく以下△7三馬と自陣に馬を引く形で後手が指しやすいようです。

これらは後手の銀が捌けて金になって、さらに香車になりましたが馬を自陣に引くという駒の活用で盤面を広く使っています。

最初の局面図で▲9七歩はあまり意味のない受け方だったようで、ソフトは▲9六歩を推奨していました。ソフトの評価値-45で互角。

この手順の▲9六歩は銀取りですが、香車で銀と取るのでなく歩で銀を取りたいという手です。

▲9六歩のような手はあまり見たことがありませんが、後手は7筋に飛車がいるのでこのような受け方があるようです。

後手の飛車が8筋にいれば▲9六歩には△8六歩▲同歩△同銀のように銀が捌けますが、7筋なのでこのような展開にはなりません。

攻め方の駒組みのちょっとした形の違いで、受け方もあまり見ない受け方になります。

▲9六歩に△8四銀と引くのがソフトの推奨手ですが9筋の歩の交換になり、後手としては勢いよく指したものの少し受け流されたという感じです。

▲9六歩に△同銀なら▲9七歩△同銀成▲同桂△9五角▲7八金△7七歩▲8八金△7三桂▲4五歩△同歩▲8五桂△同桂▲9五香△同香▲8三角△4二飛▲9四角成で、ソフトの評価値+375で先手有利。

この手順は▲9六歩に△同香としたのですが、さらに▲9七歩と歩を使って受けるのが見えにくいです。

9七の地点は桂馬と香車の2枚が利いており、どちらで取るかが先手には選択できます。

▲9七歩△同銀成に▲同桂が将来▲8五桂と跳ぶ狙いがありこちらの方がよさそうです。

後手は△9五角~△7七歩と打ってきましたが、▲8八金で後手は銀損なので攻めるのが難しそうです。

ただし、△7三桂と跳ばれると先手も次の手が難しく▲4五歩~▲8五桂で手を続けます。

▲8五桂△同桂に▲9五香と角を取って先手は大きな成果ですが、△同香と取った局面もなぜか先手優勢まではなっていません。

角銀と桂馬の交換で先手が大きく駒得しているのですが、後手は7七に拠点の歩があるのと9筋を突破できて攻め駒に桂馬や香車が多くあることで少しうるさいようです。

先手有利もまだそれなりに難しいという感じです。

このような変化を見ると将棋は簡単ではないなと改めて思った次第です。

後手の9筋の攻めの受け方が参考になった1局でした。